« わたしのメルヘン散歩 | トップページ | 十日市 »

2004.01.10

雪沼とその周辺

堀江敏幸氏のわりと新刊『雪沼とその周辺

7つの短編が掲載されている。
雪沼という土地で、暮らす人々が描写される。タイトルの作品はないのだが、これが短編の流れを伝えている。
最初は「スタンス・ドット」
ボウリング場を経営してきたが、こだわって選んだピンの倒れる音が、聞こえなくなってきた。耳が悪くなっているらしい。潮時だろう。妻も亡くなった。その経営最後の日を描いている。お客はひとりもなく、しめる30分前に入ってきたのは、トイレを借りたいカップル。思わず最後に1ゲームどうですかと声をかけ、それを見ながらいままでの出来事を回想する。堀江氏は、市井の人を静かに、そして少しこだわりをもって書くのがうまい。じわっとしみいってくる。
次はフランス料理店を経営していた女性の話。「イラクサの庭」。彼女が亡くなったところから始まる。ゆかりの深い人たちの会話から、彼女のすがたがみえてくる。
こうして、人や場所が少しずつクロスしながら、短編が連なる。
私の好きなのは、最初の2編。もちろん1冊の本、全体の構成もとてもいい。

« わたしのメルヘン散歩 | トップページ | 十日市 »

おススメ本」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/9198/89854

この記事へのトラックバック一覧です: 雪沼とその周辺:

« わたしのメルヘン散歩 | トップページ | 十日市 »

2017年1月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

Google



  • ウェブ全体から検索
    ココログ全体から検索
    1day1book内検索

最近読んだ本

  • rumblefishの最近読んだ本