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2006年2月

2006.02.28

切り抜き

▼ちびちゃんはクスリも良く効き、とても症状が軽くすんでいる。本人は治った気分で、なかなかじっとしてくれない。

▼それでも、疲れさせないようにと布団を敷いた部屋に一緒にいるようにする。あとで読み直そうとためていた新聞を切り抜きながら、ちびちゃんとおしゃべりしていた。日曜版に掲載されちえる書評で気になっていたのをちょきちょき切り抜く。

▼いつも切り抜いたはしからなくすので、今日はノートに糊ではる。ちびちゃんがそれを見てまねしはじめた。2人でちょきちょき切る。

▼つい先日の書評で掲載された改訳特集としてとりあげられていたのは、『ロリータ』(丸谷才一評)、『冷血』(川本三郎評)がおもしろかった。特に丸谷才一氏が、40年前に出た翻訳を手厳しく評したことを冒頭にあげ、今回の翻訳は「その小説における文体の美を、若島はまことに巧みにもたらしてくれる」と記している。

▼その他、いろいろ切り抜いた。『掘るひと』や『誰よりも美しい妻』などがおもしろそう。ほか、雑誌「英語教育」(大修館書店)もほしくなってきた。

オンライン書店ビーケーワン:掘るひと オンライン書店ビーケーワン:不運な女 オンライン書店ビーケーワン:誰よりも美しい妻

▼夕ご飯は、えてかれいの干物、ほうれん草のおひたし、五分つきごはん、れんこんのプチステーキ風、おみそ汁(オルチョで炒めた葱、油揚げ)。ちびちゃんに、れんこんはどうかなぁと思ったけれど、食欲ももどっている彼女はばくばくおいしいねぇと食べていた。

2006.02.27

きれいな色

オンライン書店ビーケーワン:うんがにおちたうし
ピーター・スパイアー(スピアー)の絵本はいつもいつも開くたびにハッとする。色がとにかくきれいなのだ。眠るときに子どもたちに読んだ絵本は『うんがにおちたうし』。物語を書いたフィリス・クラシロフスキー(クラジラフスキー)は『おさらをあらわなかったおじさん』を書いている人で、こちらの絵本は上の子が2歳くらいの時にとにかく繰り返し読んだ絵本。けっこう長いお話なのに、飽きずに「もういっかい、もういっかい」とねだっていた。絵はバーバラ・クーニーで、ほかの絵本とタッチが違うので、この本にかぎってはクラジラフスキー(クラシロフスキー)の絵本という認識をもっていた。

『うんがにおちたうし』は、毎日の生活にあきあきしていたヘンドリカが、うまいタイミングでちょっとした冒険に出かける物語。表題にあるように、うんがに落ちてしまうのだが、それはヘンドリカにとっては願ってもないチャンスになった。カラー、モノクロと交互に絵が変わり、最後に赤い帽子をかぶったヘンドリカがしあわせそうな目をしている。「かわいいねぇ、よかったねぇ」と子どもたちは満足げだった。

初版1967年のこの絵本を訳したみなみもとちかさんは、あかね書房から出て現在はブッキングが復刊した『もしもしニコラ!』の訳者だ。ブッキング版では、時を経た作者と訳者の交流も紹介されている。まちがい電話がたのしい友情との出会いだったという素朴であたたかい物語で、手に入れたいと長く待たれていたうれしい復刊だと思う。

オンライン書店ビーケーワン:おさらをあらわなかったおじさん オンライン書店ビーケーワン:もしもしニコラ!

2006.02.26

とうとう

▼土曜日は出かけた先で、おおはしゃぎで元気いっぱいのちびちゃん、帰宅してすぐに「さむい」と言いだし、発熱。いま、園で2回目のインフルエンザの波がきていて、どうやらのってしまった様で、休日当番医を検索し、さいわいかかりつけ医だったので準備して出かけた。

▼人、人、人であふれかえる病院、待合室もいっぱいで、感染症の疑いのある子どもたちはみな車の中で待機する。ポケットベルを持たされてちびちゃんと本を読みながら待つ。

▼よばれてから、カーテンで仕切られた待合室に移動してから待つ、待つ。泣き叫ぶ子どもたちの声を聞き、ちびちゃん、ぷるぷるふるえだし、とうとう泣き出してしまう。

▼ようやくよばれて、泣かずに診てもらう。検査結果は大人だけでよいとのことで、一度ちびちゃんを家において、私だけ再度行く。結果はインフルエンザA型でしばらく家にこもることに。パズルをしたり、ビンゴゲームをしたり、ずっとちびちゃんの横にいた。

2006.02.25

陽気

ぽかぽか天気で、ぐんぐん雪がなくなっている。この時期の憂鬱は庭。土が見えてくると、いつも無惨な穴、穴、穴なのだ。犯人はもぐらだということはわかっていて、それが今年はいつになくひどい。パセリもやっぱり根こそぎ食べられている。まぁ、みごとなほどに穴まみれの庭をみると、パセリをもりもり食べたくなりまする。ちぇ。

2006.02.24

かはたれ

かはたれ
朽木 祥作 / 山内 ふじ江画

しみじみと文章が体に入ってきました。やさしいけれど、きちんと登場するものたちに、まなざしがゆきとどいた物語。久しぶりのこの感覚、以前読んだ本ではどれだったかしらと頭の中で検索、そうだ、乙骨さんだ。

八寸は河童の子ども。河童年では61歳、人間の年でいうところの6歳の時に、親河童もきょうだい河童も、ある事件のあとに姿を消してしまい、天涯孤独の身の上になった。事件が尾を引き、八寸の身を案じてくれるものがいなく、ひとり遊びしながら毎日を過ごしていた。河童年81歳の時に、姿を変えて人間世界でひと夏、過ごすことになる。そこで出会ったのが麻という少女。麻もまた家族のことではさみしいものを抱えていた。さて、そのひと夏はどんな風に過ぎたのだろう……。

八寸も麻の気持ちを、とにかく丁寧になぞっている。子どもだけでなく、周りの大人にもそのまなざしは届き、安心して読める。 人間のつかう言葉をもたない八寸と麻の交流するさまは「人間が戌や猫は人間以外の生きものの気持ちをどうやって理解しているのか(あるいはどうやって誤解しているのか)」と思う八寸の気持ちがそのまま物語になっているようだ。

声にしない言葉、目に見えないもの、耳に聞こえない音楽、そういうものが、くるりくるりと交わって八寸の物語、麻の物語になっている。

作者にとってデビュー作であるこの物語は第9回児童文学ファンタジー大賞(2003年)の佳作を受賞している。読みたいと思う作家がまたひとり増えた。

2006.02.23

いろいろ

▼久しぶりに地元の地べた書店へ行った。『高慢と偏見』(河出文庫)にしようか、『自負と偏見』にしようかと直接見比べることができてとっても満足。『高慢と偏見』は阿部知二訳で解説が『本格小説』の作者、水村美苗さん。解説がなんというか優雅です。装幀も河出はかっこいいのだけど、『自負と偏見』(中野好夫訳/新調文庫)に決めました。でも水村美苗さんの解説ほしさに河出も買ってしまうかも。

▼金原瑞人さん監修の『12歳からの読書案内』(すばる舎)はめちゃくちゃおもしろいガイド本ですが、そこで貞奴さんが水村美苗さんの『私小説』を推してます。たしかにこういう本を10代で推されたらうれしいと思う、正確にはそう思う10代がいると思う。それ以外にもこのガイドブックはそそられる本が多くてうれしくなる。金原さんの情熱的なオススメもすてきで、どれも手にとりたくなるし、ひこ・田中さんの的確なツボをおさえた本も読みたくなる。その他、まったく知らないライトノベ作品いっぱいでうれしい。まだまだ世界は広い。長崎夏海さんが紹介されている『なまくら』(吉橋通夫 講談社)はまっとうに生きる純国産少年物語で私も好き。で、いま読みたいと思ってるのは、おそらくこのガイドブックの書き手、最年少のひとりである渋井さんが紹介されている『六枚のとんかつ』(蘇部健一 講談社文庫)。

オンライン書店ビーケーワン:自負と偏見 オンライン書店ビーケーワン:金原瑞人〈監修〉による12歳からの読書案内 オンライン書店ビーケーワン:私小説 オンライン書店ビーケーワン:なまくら オンライン書店ビーケーワン:六枚のとんかつ

2006.02.22

バーゲン本

▼大型薬局店というのか、でもお酒も食材もスーパーのような品ぞろいのある店に買い出しに出かけたら、バーゲン本があった。ここは定期的に置いてあるのだけど、ちらりと見てそそられた本を2冊購入。『手作り和食工房』は99年に出たもので、その後普及版もでていたのですね。基本的な和食について、写真も豊富に紹介されていて、ほしいなと思っていた種類の本でした。味噌汁も具材がたっぷりのものが紹介されているのに惹かれて。どちらも50%~70%引きでした。

オンライン書店ビーケーワン:手作り和食工房 オンライン書店ビーケーワン:味噌汁の情景

▼とはいえ、柔道の日だったのでこの本を参考にすることなく、おにぎりの晩ご飯でしたけど。

▼自由価格本やバーゲン本、amazon.jp にもありますし、ふつうの地べたの書店にも置いているところもありますね。特にオンラインも展開している地べた書店、三月書房もそうです。ブックハウス神保町では、児童書バーゲン本も多く入ってます。そこで『パパびょうきだね』(アラン・ル・ソー作/やましたはるお訳/ほるぷ出版)をバーゲン価格で購入したことがあります。あまくないのだけどかわいいなぁと思える絵本です。

2006.02.21

夕ご飯

▼昨晩は、肉団子が食べたくて麩をいれて煮てつくる。ほかには、「きょうの料理」3月号にのっていた、じゃがいもとしいたけのきんぴら、おみそ汁(小松菜)、大根の浅漬け、五分つきごはん。

▼あまい煮物は子どもたちの大好物。帰ってきたつれあいにも「きょうのはおいしいよ」とすすめていた。

▼久方ぶりに実家の母と長電話した。今年は遊びにきてくれるよう。

2006.02.20

気になる本たち

オンライン書店ビーケーワン:ながいながいかみのおひめさま オンライン書店ビーケーワン:残された天使たち オンライン書店ビーケーワン:秘密のドルーン 3&4
オンライン書店ビーケーワン:出世ミミズ オンライン書店ビーケーワン:ゾウを消せ オンライン書店ビーケーワン:人間は脳で食べている
オンライン書店ビーケーワン:ビジネス人間学 オンライン書店ビーケーワン:ある秘密 オンライン書店ビーケーワン:夜明けまえから暗くなるまで

2006.02.19

おいしさ

オンライン書店ビーケーワン:おいしいヒミツ

シンプルでおいしそうでまねしたくなるレシピがイロイロ載っていて楽しめました。食べるって何? おいしいって何?という質問に5人の料理家が答え、自分の好きなレシピを紹介している。ねらったわけではないだろうけれど、自分のためにつくるおいしいレシピは、どれもシンプルでまねできそうな気になる。でも料理は何回かつくって自分のものにならないと、おいしいの段階にいかないのは、よくわかってます。つれあいは、むかしながらのお総菜をつくるのが好きで、ネットで検索してレシピを印刷してつくる。茶碗蒸しやさばのみそ煮やら。私は、日常のご飯はつくる自分も飽きないように、雑誌などでしょっちゅうレシピ探しをして、ピンときたものをつくっている。それでも、いつもつくる定番ものは年々少しずつ増えてきた。「焼き油揚げ」はさっそく作っておいしかった。「オイルとパルミジャーノのスパゲッティ」をまねして、プラス、オレガノ入りをつくって食べてみた。「豆腐」もまねしなくちゃ。「タリアータ」や「フムス」もいつかつくろう。「れんこんのステーキ」は来週とどくれんこんで試してみる予定。

2006.02.18

ご飯

▼朝、子どもたちにおにぎりむすんで、お茶の水筒と共に渡して送る。月に一度、一日外で遊んでくる日なのだ。

▼朝はふつうにごはん、スクランブルエッグ、ウィンナーを焼いたもの、ハッシュドポテト。

▼昼は、つれあいが美しい形のオムレツをつくってくれた。きれいでおいしかった。

▼夜は、定番のごぼうと豚肉の炊き込みご飯、昼のスープに具をたしておみそ汁、湯豆腐、モツと野菜炒め、大根とツナのサラダ、小松菜のゆずごまあえ。おなかいっぱい。

2006.02.17

とりあえず前進

▼雑事を前に進めるべく、朝いちから連絡と具体的な作業にかかる。いろいろな事が前倒しになるけれど、解放される時期も早まるので、もうひとがんばり、おー。

▼夜はつれあいの送迎。くたびれたので、夕ご飯はラーメン、子どもたち、ガチャポン喜ぶ。

▼予約していた『姿三四郎と富田常雄』(よしだまさし・本の雑誌社)が届いた連絡も入っていたので、取りに行った。柔道好きの上の子が表紙を見て、読みたいという。ルビもないし、あなたの期待するような柔道のことが書いてあるわけじゃないよと言うと、じゃあ読んでよと言う。とりあえず、読んでおもしろかったら考えてみると返事をして納得してもらった。

姿三四郎と富田常雄
よしだ まさし著

2006.02.16

ハードル

1年間雑事の総まとめの時期に、穴があった。ちぇ。ハードルもあった。ということで、それを越えるべく、あちこちに連絡しながら計画を練る。夜は対策会議で、なんとか方向性が出た。

2006.02.15

しりとり

▼『しりとり』(谷川俊太郎 + 和田誠/いそっぷ社)を読んだ。図書館から借りたのだが、絵本だと思い、児童室で探してもなく、聞いてみると一般書の美術コーナーに置いてあるとのことで見つけてもらった。

▼私家版で500部で作成されたのが1965年3月。松浦弥太郎氏の連載を読むと、この私家版はほとんど一般書店には置かれなかったという。いそっぷ社から刊行されたのが、1997年。

▼私家版ではオムレツの黄色は手で彩色されたらしい。自分の古書店に持ち込まれたその私家版に松浦氏はどのくらいの値段をつけたか。そのくだりはハラハラドキドキ。

▼谷川氏と和田氏のしりとりはこんな感じ。

ロケット
となりのみっちゃん
Chance Operation
しょんべん

▼こんなしりとりを見たら、「夜枕合戦」(『気になる部分』岸本佐知子・白水社/『北村薫のミステリー館』(新潮文庫)のしりとり厳密派・容認派の両者はどうするんだろうといらぬ心配をしてみた。

▼ちなみに、わが家の10歳以下の子どもたちとやるしりとりは、まだまだ初心者の域を出ず、こんな感じ。

しりとり
りんご
ごりら
らっぱ
ぱんだ
だちょう

2006.02.14

夕ご飯

▼鶏胸肉をバルサミコ酢で煮込む。バレンタインデーの夕ご飯ということで、少し見栄えのいいものをつくろうと、はじめての料理。少し叩いて、オルチョで焼き付け、それからバルサミコ酢、にんにくのみじん切り、ケチャップなどなどで煮込むだけの、料理としては簡単なもの。期待どおり、つやのあるおいしそうな肉料理ができあがり。

▼牛蒡サラダ、ほうれんそう、にんじんをつけあわせ、コーンクリームスープを添えてできあがり。

▼3人の子ども達にはマーブルチョコとベビーチョコ。つれあいには、吟醸酒セットにチョコちょこっとついたもの。これからそのお酒でちょいと晩酌。

2006.02.13

アイルランドの柩

アイルランドの柩
エリン・ハート著 / 宇丹 貴代実訳

農夫、ブレンダン・マクガンは冬場の燃料作りのため、泥炭の切り出しをしていた。しかし、その日彼が掘り出したものは、赤毛の女性の頭部だった。考古学者の手によって、その頭部がいつごろのものか調査を行うことになった。そして、事は頭部のみならず、別の失踪事件もからみはじめた……。

関わる人たちはそれぞれに重い過去を背負っていた。その背負ったものゆえに見えるもの、見たくないものがあり、時にそれと向かい合い、時に無視してきた。しかし、古い頭部が発見されたことで、また動き出したのだ。失踪した妻と子をずっと待つヒューゴ・オズボーンは物静かに存在感をもつ。考古学者コーマックと共に、この頭部の調査に無償でのりだした、解剖学講師のノーラのつらい思い出。アイルランドの音楽がなり、歌も流れるなかで、語られて明らかになっていく、これらのつながりがきれいにおさまっていく。登場する人物、それぞれの心理が巧みに描かれ、彼らの葛藤が伝わってきてせつなくなる。じっくり描かれた人の心を読んでいると、どの人物にも近しさを感じた。奇抜な設定やトリッキーな人物で読ませるミステリではなく、人の心理を丁寧に追い、事件の背景、解明をじっくり読ませるゴシックサスペンス、堪能しました。

訳者あとがきによると、著者は長編小説としては本書がデビュー作とのこと。エリン・ハート自身はアメリカで生まれ育ったが、アイルランドに惹かれ何度もおとずれるうちに、ボタン・アコーディオン奏者の夫と出会い、いまは夫婦でミネアポリスに暮らしている。

2006.02.12

ごはん

▼昨日は柔道の試合だったので、週末にしては早起きしてふつうに朝ごはん。お昼はお弁当。夜は、いかソーメン(これを食べるたびに、みなみストアーを思い出す。みなみストアーのいかソーメンは逸品だった)、ほうれん草となめこのおみそ汁、ごはん、えびとしいたけとエリンギの天ぷら。

▼今日は朝からずっと寒かった。お昼間もときどき晴れ間が見えるものの、強い風と雪が舞う。週末の洗濯は子どもたちが、学校や園から持ち帰るもので多い。それらをたたんで、アイロンかけるものをかけて、昨日つかった柔道着も洗う。くつも洗うので、ついでにと自分も昼風呂に入ってごしごし洗う。ここまでやると、週末の義務が終わって人心地つく。

▼今朝は朝寝坊を思いっきりして、大人は朝ご飯を食べなかった。子どもたちは、たこ焼き。お昼はすこし遅めに、つれあいが親子丼とわかめスープをつくってくれた。お昼が遅くたっぷりだったので、夜は軽くベーシックな和食。ごはん、豆腐のおみそ汁(すこし大きめに切った木綿豆腐が豆腐らしい味がしておいしかった)、めざし、焼き鮭、きゅうりの醤油漬けもの。

▼子どもたち、日中にご近所さんの友達のところに遊びに行ったときに、いちごジュースとアイスをご馳走になったという。帰ってきたちびちゃんに近づくと、あまいにおいがずっとしていた。めざしを食べ終わったあとも。

2006.02.11

ミステリ傑作短篇集

ベスト・アメリカン・ミステリ スネーク・アイズ
ネルソン・デミル編 / O.ペンズラー編 / 田村 義進〔ほか〕訳






「ベスト・アメリカン・ミステリ」2004年度版の訳書。翻訳権の関係で原書より1作だけ少ない19編が収録されている。いずれもさすがの粒ぞろい。おもしろくておもしろくて、ページを繰る手が止められない。

「いい男が勝つ」(フレデリック・ウォーターマン/吉井知代子訳)は、飛行機の機内誌に掲載されたもので、舞台も主人公がエコノミー席に座るところからはじまる。計画的に選んだの席の隣にいるのは、結婚式を挙げた時に自分についてくれた付添い人である友人だ。彼はある問題を終わらせるべく、この席を取った……。腕利きのシェフである彼の、問題解決法が潔く、美味しいにおいをただよわせる。ワインが飲みたくなるラストです。

「美しいご婦人が貴方のために踊ります」(パトリック・マイケル・フィン/河野純治訳)も好み。主人公、レイ・ドワイヤーの人柄のよさに惚れます。

「隣人」(トム・ラーセン/坂本あおい訳)は、主人公は非常に壁のうすい部屋に住んでいる。訳ありでそのアパートを選び、近所づきあいはしない予定だった。だが、思うようにはいかない。なぜだか、ひとり、ふたりとしゃべるご近所さんができてしまい……。気持ちの移り変わりを楽しめる。

「鉄の心臓」(ジェフリー・ロバート・ボウマン/吉田薫訳)は南北戦争が舞台。戦争と殺戮を詩に編んで悦に入っていた将校、しかし終わらない戦を前にしてもはや書くことはやめてしまう。それから……。最後の冷たさにぞくりとした。

「ウェンディ・タドホープはいかにして命拾いをしたか」(ロブ・カントナー/田村義進訳)は、まさしくタイトルどおり、ウェンディがどのようにして命拾いしたかを、直接的に関わらない人たちをつらねることで明らかにしていく。するするとひもがほどけるような快感。

今回のゲスト編集者はネルソン・デミル。最新訳書は『ニューヨーク大聖堂』上下(白石朗訳/講談社文庫)で著者38歳の時の傑作長編。amazon.comではじまった、amazon connect でブログも読める。
オンライン書店ビーケーワン:ニューヨーク大聖堂 上 オンライン書店ビーケーワン:ニューヨーク大聖堂 下

2006.02.10

とげ抜き

▼雑誌「群像」2月号から連載がはじまっている、伊藤比呂美氏による、長編詩がすごくいい。たらたらたらりと、親の介護、一時帰国で子どもを小学校に通学させていること、などが現実的に暗くなく語られている。カリフォルニアで入院している夫と電話でとある約束をするのだが、ものすごく強い念のこもった誓約。でも、そのそれぞれの言葉が悲観的でない。育児エッセイから読み始め、いま親子の介護を読むことで、これまでの時間の経過を感じました。長編詩タイトルは「とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起」

ちっちゃな石の胸や腹。
きよらかな水をかけながら。
苦を。
ごしごしと洗い流そう。

2006.02.09

ひとつずつ終わらせる

▼確定申告を出す。子供会の会計を締める。施設の登録継続の手続きをとる。

▼予算と決算をあと2つ。

▼くたびれたので、ベルギーフェアをしているコンビニでシュークリーム購入、美味でしあわせ。

▼夕飯は、つれあいが早めに帰宅できたので、家族でラーメンやさんへ。ゆっくりおいしくいただきました。

2006.02.08

考える女性

サレンダー服従の恍惚




 表紙を見ると、説明のできるようなできないようなためらいを覚えてしまう。刺激的なタイトルのもとで何が書かれているのかの興味もつのる。

 著者は、ニューヨーク・シティ・バレエで踊っていた。満ち足りない生活を送っていた時に、「ある男(ア・マン)」と出会い、深い衝撃的な歓びを知る。彼女はそれにおぼれるだけではなく、記録をつけはじめた。300回には満たなかったそれらの記憶をほどいていくことは、自分の人生をふりかえり、信仰、いまそしてこれからの生き方、そして自身の精神を掘り下げること。とにかく、考える。この歓びがどこからきているのか、と。

 思索する彼女の記録からは、歓びの源を知ろうとする真摯な探求心がみえる。なるほどとうなずきながら興味をそらされることなく読み終えた。人はさまざまなものから歓びを得る。そのひとつの切り口として彼女が選んだものは、なるほどショッキングにも見える。しかし、濃厚に思索し、記録し続けたからこその最後の一文は、自分をよく理解できているという著者の自負が見えた。

2006.02.07

ピーターラビットの絵本

ピーターラビットのおはなし




 昨晩、ちびちゃんと『ピーターラビットのおはなし』を読みました。お兄ちゃん2人は先に眠ってしまい、なかなか眠くならないちびちゃんだけに「1冊だけだよ」と。

 いままでよく読んでいたのは『モペットちゃんのおはなし』や『こわいわるいうさぎのおはなし』だったので、ゆっくり読むのはこれがはじめてかもしれません。4ひきの小さなうさぎ、風呂プシーにモプシーにカトンテールにピーターが登場し、おかあさんの言いつけを守らず、マグレガーさんの畑にしのびこみ、レタスやさやいんげん、はつかだいこんを食べて胸がむかむか、そこでマグレガーさんと出くわし「どろぼうだ!」と追いかけられ……。

 ポターの描くピーターラビットは緻密でしかも表情がよくでています。そして物語は、甘ったるくなく、どこかきりっとしているほど。小さな絵本にしっかりとした世界が広がっています。ちびちゃんは、場面の展開ごとに「はっ!」と口に手をあてたり、にっこりしたり、たのしく聞いていたようです。いままで上のお兄ちゃんたちに読んできたこのポターの描いたちいさな絵本を、今度はちびちゃんにまた読んでいく楽しみを思うとうれしくなります。

オンライン書店ビーケーワン:モペットちゃんのおはなし オンライン書店ビーケーワン:こわいわるいうさぎのおはなし

2006.02.06

雑誌いろいろ

▼「GRAPHICATION」142号(1月発行・富士ゼロックス)の特集は「子どもたちはいま…」。対談あり、ネット社会と子どもについての論があり、大人と子ども関係論がありとおもしろい。対談で善本幸夫氏が「教育には、時を失うこと、つまり無駄が必要なんです」と言いルソーの言葉をひきながら「子どもが子ども時代をたっぷり生きられるように環境を整える」ことが教育だと言っているのが印象に残る。

▼月刊PR誌「未来」2月号(未来社)の「書店のABC」に載っていたのは、北海道砂川市の「いわた書店」。地方での厳しい書店事情を説明している記述は迫力がある。父親から引き継いだ書店、書店経営のセミナーに参加したが「業界に吹き荒れる嵐のような季節の中で多額の借金をする勇気もなく、地べたにしがみつくような日々が続いたのです」と記している。しかし、ただつらいことだけではなく、本が必要とされている場所を開拓していく様も紹介し、「それぞれの地域で自分たちにしか出来ない面白い本屋を目指しているのですよ。赤々とした本屋としての衿持をもってね」と締めていた。

▼雑誌「MOE」3月号の特集は「雑貨と暮らす、絵本のように暮らす」。その中でトップバッターにフランソワーズの絵本が紹介されている。「まりーちゃん」とフランソワーズの絵本として、編集者の細江幸世さんがフランソワーズの絵本とその生涯にすてきな文章を書かれ、翻訳家の中川千尋さんがフランソワーズの原画との出会いを紹介している。オススメ。

▼この「MOE」でほかにも紹介されている、絵本の世界を手作りのもので再現されたものたちのすばらしくかわいいこと! つくるってすごい。あと、いわき(福島県)の幼稚園経営者の方がつくられた私設美術館「まどのそとのそのまたむこう」の美しいこと! いわき幼稚園の子どもたちは、園長先生とスクールバスに乗ってこの美術館に来て、絵本を読んでもらい借りて、それから美術館正面にある海を眺めながらお弁当を食べるそう。

▼「群像」1月号(講談社)より、松浦弥太郎さんの新連載エッセイ「僕の古書修行」はじまる。おもしろい。車谷長吉氏による書評『ルーガ』(小池昌代・講談社)もよかった。

▼「飛ぶ教室」冬号(光村図書)も出ていた。小特集は「トーベ・ヤンソンのもうひとつの顔」。金原瑞人さんのエッセイがおもしろくて笑ってしまう。ひこ・田中さんの創作「セリ」も載っていて、こちらもいい。「セリ」で描かれている、妹にあげる〈もの〉にくすりとする。松田素子さんによる、復刊絵本についての文章も興味深かった。古い絵本の復刊に必要なスキャニング技術やパソコンの進歩について偕成社の「フランソワーズ」シリーズや、ロイス・レンスキーのカラー版スモールさんの絵本などにふれている。

▼「飛ぶ教室」は秋号を買いそこねていたので、冬号と共に求めた。特集は「神沢利子の世界」。以前楡出版から出ていたころの「飛ぶ教室」42号(1992年)でも「神沢利子の仕事」として特集が組まれている。書き手はみなさん変わったが、前説だけは13年前もいまも今江祥智さん。

オンライン書店ビーケーワン:飛ぶ教室 第3号(2005秋) オンライン書店ビーケーワン:飛ぶ教室 第4号(2006冬)

▼恒例の読書アンケート特集が掲載される月刊「みすず」no.535(1・2月合併号)も届く。読んでみたくなった本は『俳人はぎ女』(福田俳句同好会編・桂書房)などなど。

オンライン書店ビーケーワン:俳人はぎ女 オンライン書店ビーケーワン:柴田元幸と9人の作家たち オンライン書店ビーケーワン:河原荒草 オンライン書店ビーケーワン:孔子伝 オンライン書店ビーケーワン:中島敦論

2006.02.05

ドーナッツのつくりかた

▼週末は子どもたちは自分でホットケーキを焼くことが多い。でも、昨日は「ドーナッツをつくるんだ」とはりきっていた。そして、上の子はまんなかの子に「つくりかた教えてやるからな」と紙にかきはじめた。どれどれ、私にも教えてと読んでみると、そこにはたったの一文しかつくりかたがない。

▼「ホットケーキをつくるみたいにドーナッツをつくる」。油で揚げるのではなく、ホットケーキをつくって、まんなかに穴をあけてつくろうとしていたらしい。まんなかの子は、いっしょうけんめい読んでいたけど、結果的には、いつものホットケーキをつくることにしたようだ。ただいつもの倍つくって、2枚重ねて満足げに食べていた。

▼(追記)もう一度、書いた紙を見てみようと思っても、どうやらちびちゃんが何かの絵を描くのに持っていったらしく見あたらなかった。昨晩見つけて読んでみたら微妙に違ったので、本人の了解を得てもう一度引用。

ざいりょう。
 ・たまごと・さとう
 ・牛にゅう
 ・ホットケーキミックス
 ・フライパン
 ・コップ ビーカー
 ・ぬれたタオル

つくり方
 ホットケーキをつくるのとにてる。

▼昨日は、つれあいが社食で食べた「チキンのカレーがけ」がおいしかったので、お昼につくってくれた。甘くてさらりとしていておいしかった。おなかいっぱい食べてしあわせ。

2006.02.04

気になる本たち

オンライン書店ビーケーワン:日本切手カタログ 2006 オンライン書店ビーケーワン:ここまでわかったアユの本 オンライン書店ビーケーワン:書きたがる脳
オンライン書店ビーケーワン:真夜中のまほう オンライン書店ビーケーワン:恐竜野外博物館 オンライン書店ビーケーワン:怪奇小説傑作集 1
オンライン書店ビーケーワン:ながい眠り オンライン書店ビーケーワン:ジェイン・オースティンの読書会 オンライン書店ビーケーワン:八十二歳のガールフレンド

2006.02.03

タナ・ホーバン

 

▼タナ・ホーバンは子ども向けの50冊以上の写真絵本をつくってきた。その彼女が今年の1月27日、パリで亡くなった。享年88歳。

▼小さい子どもたちに向けて、なじみ深いどうぶつの子どもたちの成長、周りにある造形物の美しさを、写真で伝えてきてくれた。邦訳されていないものに、ハッとするようなすてきできれいな絵本がいっぱいある。そのうち出ますように。合掌。

2006.02.02

夕ご飯

▼昨晩は中華丼。白菜も今年は寒波でなかなか手頃な値段のものがありません。少し小玉のものを買ってきて、白菜たっぷりにしめじ、豚肉をいれてあんかけをつくり、ごはんにかけます。おみそ汁は長芋のせんぎりと青のり。寒い日のあんかけご飯は体がぽかぽかしておいしい。大人豆板醤もまぜて食しました。

▼今晩は、豚肉とごぼうの炊き込みご飯、おみそ汁(長芋のすったもの、もずく、青のり)、白菜と豚肉の梅びしおあえ、ひじきとにんじんの煮物。もずくと長芋のすったものの相性がよくて、今回はじめてつくったのですが、またつくってみようっと。梅びしおあえも、すっぱい、すっぱいと言いながらも子どもたちもぱくぱく。炊き込みご飯も滋味でまんぞく、まんぞくでした。

2006.02.01

漁師とおかみさん

ryoushi グリム童話のよく知られているもののひとつ、『漁師とおかみさん』。現在、流通しているものもあるが、私のいちばん好きなのは、ツェマック画のもの。1995年に童話館から刊行され、1997年に増刷りになったもののその後はずっと品切れ・重版未定状態。今回、表紙掲載の確認をとった時にも聞いてみたのだが、重版の予定はないそう、残念。

 ツェマックは大大だーい好きで、『はんじさん』もいつか手元にと願いながら、いまは原書を手元に置いている。『ありがたいこってす!』は子どもたちともども愛読絵本で、何度も何度も読んでいた。

『漁師とおかみさん』の話そのものが好きなので、ほるぷ出版から刊行されていた(こちらも品切れ・重版未定)のモニカ・レイムグルーバー画の絵本は以前、古書店で求めた。点描のすてきな絵で、こちらも素敵。

でも、やっぱりツェマックの魅力に惹かれ、先日ふっと検索した時にリアル書店での在庫発見できた。よくよく検索すると、アマゾンでもユーズドで安価にでていたことがわかったけれど、新本で入手できたのはやっぱりうれしい。

夜の絵本はもちろんコレ。何度か図書館から借りて読んでいるものの、子どもたちはおもしろがって聞いていた。「これ、『ありがたいこってす!』のひとだ!」と発見して喜ぶまんなかの子。読んで楽しんで、やっぱりツェマックの『漁師とおかみさん』がいいなぁとしみじみうれしかった。欲深なおかみさんと、それでもそのおかみさんにつ連れ添うだんながいい。あー、ツェマックだーいすき。

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