ブドー酒の日々
ブドー酒の日々
ブドー酒はねむる。
ねむりにねむる。一千日がきて去って、
朱夏もまたきて去るけれども、ブドー酒はねむる。
壜のなかに日のかたち、年のなかに自分の時代、
もちこたえてねむる。何のためでもなく、
ローソクとわずかなわれらの日々の食事のためだ。
ハイホーブドー酒はねむる。
われらはただ一本空壜をのこすだけ。『食卓一期一会』(長田弘/晶文社)より
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