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2006.07.03

抜き書き

オンライン書店ビーケーワン:翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった

『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』 金原瑞人 牧野出版

遅ればせながら読了。おもしろかったところを抜き書きしてみる。

リーディングの時代より ウェストールの『かかし』が出版されたときの事をこう書いている。

 (中略)『かかし』が出版されたときには、図書館や文庫(*)でちょっと評判になった。やっぱり児童書のなかでは珍しかったんだと思う。
 (*)岩波文庫とかの「文庫」じゃなく、全国に無数にある(と思いたい)、個人や団体のミニ図書館活動のこと。

えっと、私のツボは「文庫」の説明のところです。岩波文庫とかの「文庫」じゃないという説明に、そうかーと思いました。家庭文庫とすぐ想像つかないことがなるほどだったのです。思わず吹き出してしまいました。

アイルランドの本屋より

 じつはまったく知らない場所でいい本屋を見つけるというのは、けっこう大変なのである。そんなの、だれかにきけばいいだろうといわれそうだが、そもそも本好きの人間なんて、そんなにいるわけはない。ホテルできいたって、ろくな返事が返ってこない。

赤木かん子さんも「ユリイカ」の高野悦子特集で、本好きな人が子どもの頃は周りにいなかったということを書いていたけれど、なかなかいないというのがデフォルトなんだよなぁ、と。私もネットで本好きな人と会えるのがうれしかったりします。

マジック・リアリズムの魅力より イギリスの小説の流れをまとめるくだりで

小説の言葉はあくまでも「リアルに写すための道具」なのだ。言葉がこのような役割を負うようになるのは、もちろん近代以降である。
 だからその意味でいえば、一九六〇年代の後半から世界的なブームになるファンタジーもリアリズム小説の一種である。描く対象がナルニア国であれ、中つ国であれ、アースシーであれ、そういった作本の言葉は作者の想像した世界を写すための道具なのだから。

「書く」ためにすべきこと   どうやったら、そこそこの文章が書けるようになるのか

 「書きなさい」、それだけ。
 世界のほとんどの人は、書くというのがどいうことなのかを知らない。なぜなら、それほど書いていないからだ。

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コメント

ぶなの木さん

ポストの数ほど、家庭文庫が欲しいと言ったのは石井桃子さんでしたよね。いまや、ポストの数すらも減りつつありますが、家庭文庫の様子も変わってきているのでしょうか。

フローベルの言葉、いいですね。確かにひとつの文章に入る動詞や形容詞はふんだんではない、だからこそ選ぶ。そして、それでいて、こぼれ落ちるものがあるのも言葉であり、なんと奥の深いものかと思います。

この言葉については、前にも書いたのですが、「これは教育学ではない」という冬弓舎から出ている鈴木晶子編のものをよく読み返します。教育について、人に伝えることについて、そして言葉について、刺激を受けます。フローベルの言葉を読みながら、この本をまたパラパラと読み返しました。

「言葉によって拓かれる世界は、言葉のみにも拠らず、かといって言葉にならないものにも拠らず、言葉でも言葉にならないものでもないものを含めて、自ら他にも己にも語りかけてくる重奏する世界です。」

文章という概念を語るところから少し離れてしまいますが、この本では、こぼれ落ちつつある言葉を意識して、教育に対するまなざしを語ってます。

さかなさん、こんばんは。
私も細々と家庭文庫をしていますが、説明するのに大変です。もうすでに忘れられてる文化なんだなあとつくづく思います。
それから、最近川端康成の「新文章読本」に文章の中の言葉について、フローベルの言葉を引用してあるところが、とても心に残りました。「われわれの言おうとする事が、例え何であっても、それを現すためには一つの言葉しかない。それを生かすためには、一つの動詞しかない。それを形容するためには、一つの形容詞しかない。さればわれわれはその言葉を、その動詞を、その形容詞を見つけるまでは捜さなければならない。決して困難を避けるために良い加減なもので満足したり、たとえ巧みに行っても、ごまかしたり、言葉の手品を使ってすりかえたりしてはならぬ。」
その言葉がたとえ素朴で、平易なものでも、物事の本質をついた言葉は心を動かしますものね。そういう文章にたくさん出会いたいし、自分も書けたらなあ、と思います。

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