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2006.11.08

書簡

親愛なるE
ダイアン・コールター・トーマス著 / 小竹 由美子訳
ポプラ社 (2006.11)
ISBN : 4591095061
¥1,680




エルヴィス・プレスリーという名前を聞くと、かの国の元なんとかさんを思い出してしまうのを、しばしこらえつつ。

この小説は記録に基づいたフィクションで、書簡形式綴られています。私は書簡フェチなので、親愛なるではじまるともう心つかまれてしまいました。文法もめちゃくちゃで、ひそかにそのことにコンプレックスをもっていたデビュー直後のエルヴィスは、スターという華やかな階段をのぼる、まだまだ手前の時期でした。そこへ、アクサという少女が、もともとファンレターを書くタイプではないのですがどうしてもお知らせしたいことがありと、直球のファンレターをエルヴィスに送ります。たちまちのうちに意気投合するふたりは、文通で言葉を介して、音楽について、芸術について、家族について、そして誰にもいえない秘密を手紙の上で交わし合うようになるのです。

自分の口からリアルタイムに発する電話と違い、手紙には時差があります。相手方の住所が予告もなしに変わるとなると、その時差は宙に浮くこともあり。
紙の上で展開される言葉のやりとりは、それはそれは若さというエッセンスのみずみずしさを差し引いても、芸術を磨くふたりのそれはピカピカ光ってます。

すぐに返ってこない時差があるからこそのやりとりに、ふたりの凝縮された思いが鮮やかに反映され、読んでいてなんと胸のうずくことでしょう。

フィクションとはいえ、歴史的背景は史実に基づき、リアリティは損なっていません。どうぞ読んでみてください。後ろをふりかえり、若き日を少しながめたくなります。

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コメント

上野さん

フェチだからこその見る目もありますわ(笑)。

でもでもあの方に献本したら感想くださるかもとか思いません?もっかのお仕事は講演を断ることでスケジュールも白紙状態を保っているとのことですし。

さかなさん、早速すてきなレビューをありがとうございます!
そうか、書簡フェチだったのですね、もともと、、、。

そうなのですよ、この作者のHP,わたしも読んで、思わずぶほっと、、、。なんかすっかりこれでイメージできちゃいましたよね、あの方。ま、もう引退なさったからいいようなもんですが。あれで、「日本人はエルヴィスが好き」と思われてもねえ、、、。

蒼子さん

作者サイトのご紹介ありがとうございます~。ほんとだ。やっぱり最初にこの方なのね(^^;; これを献本したら販促用コメントをいただけるかもーとつい思ってしまいました。

コメント整理しましたー。スパム防止の文字を入力して送信したら複数になりませんか? 私も別のブログで3つ送信されて非常にあせりました。蒼子さんと同じように、きゃー!というコメントを書いて整理してもらったんです。なので、いまコメント書くのに非常に慎重になってます。

ということで、本題にもどると。この本オススメです。なんだかとっても熱いんだけど、暑苦しくないのです!

さかなさん

 わー、読んでみたいです。作者さんのページの日本語訳のニュースのところにも元なんとかさんがでてきますね(^^;)
http://www.dianecoulterthomas.com/index.htm

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