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2008.07.07

読書

 『読書教育』読了。高校生ゴンクール賞のなりたちの他、フランスにおけるユニークな文学賞がいくつか紹介されている。最近邦訳されている本に「高校生ゴンクール賞受賞作」という文字をみるようになり、『マグヌス』を読んだ時に、これを高校生が選んだのかと正直びっくりした。すらすら読めるようなエンタメ作品ではなく、戦争を熱かった骨太の物語。腰をすえて読む内容だ。この賞はどのような過程でつくられたのだろうかと興味をもっていたところ、『マグヌス』の訳者である辻由美さんによる本書が刊行された。

 候補作は、本家のゴンクール賞候補作品から高校生が独自に受賞作を選ぶもので、特徴は、「教育省という公的機関とフナック書店という私企業とのパートーナーシップで成り立っている」こと。参加校を募り、全国に分散された高校が選ばれる。次にフナック書店が本家ゴンクール賞候補作の第一次選考作品を参加校に無料で提供する。候補作品数は決まっておらず、その年によって若干変動はあるものの、おおむね12作から15作くらい。とはいえ、長編は1作品というカウントでもかなりのボリューム。参加校の高校生がまず不安に思うことのひとつが「読めるのだろうか」ということらしい。
「高校生を読書にいざなう」「読むことの喜びを発見させる」という目的のために、書店と教育省が時にぶつかりながらもこの賞をだいじに育み、2007年に20回を数えた。

 他にも老いをテーマにした「クロノス賞」、町の書店がたちあげた「アンコリュプティブル賞」というおもしろい文学賞についても書かれ、「読書アクション」や「プレス週間」のような読書教育を紹介していて興味が尽きない。

読書教育―フランスの活気ある現場から

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