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2008年12月

2008.12.31

年越し

 京都から友人家族が年越しに。1年ぶりに会っても、まるで昨日からしゃべっていたかのような気安さで、一緒にいてとても楽しい友人たち。2人の子どもたちは、うちの3人より少し小さいので、みなかわいがりまくり、特に一番小さい4歳男児は人気者。今年小学校にあがる、その4歳児の兄7歳児は、クールで素直でかっこいい男の子。年の近いちびちゃんときゃーきゃー言いながら走り回り、見ているこちらも楽しくなるほどだった。

 ハレの料理係のつれあいは、昨夜からの出汁をふるに使いながら、こづゆを仕上げ、ひたし豆をつくり、にしんと竹の子の煮物をつくり、食卓をにぎやかにしてくれた。天ぷらもたくさんあげ、年越しそば用に最後はエビの天ぷら。

 子どもたちは大興奮でだれも静かにならず、大人たちはおしゃべりに興じ、時間がぴゅーんとすぎる年越し。

2008.12.30

今年がおわってゆく

 昼間と夕方、2回にわけて年越しの食材を買いに出かける。夕方は人が少なかった。メモしていったもの以外で、買おうと思っていたものはことごとく買い忘れる。

 ゆっくり座る時間はさすがにないので、雑誌をぱらぱら読みながら気分転換。先月号の「芸術新潮」にのっていた、ラーメン屋さんのマティーニ、飲んでみたい。

 昨日読んだ『子ども兵士』を子どもたちも読み始める。わからない言葉がでてくるたびに聞かれるが答えるのも苦しい言葉ばかり。そして伝えても、理解はできていないようだ。言っていることがわからないと上の子が言う。

 食事を終えてからは、ひたすら出汁とりをしているつれあい。昆布、あご、厚けずりぶし、それぞれにとっては冷まして、明日に備える。あごの出汁のにおいがすばらしくよい。

 子どもが仲良くしている親御さんの訃報があり明日は葬儀に行く。ご冥福を心から祈ります。

2008.12.29

雑誌雑感

 「考える人」の特集は須賀敦子さん。少し前の「芸術新潮」でもとりあげられていて、どちらも同じ編集人。写真はひたすら美しかったけれど、読み物としての手応えは期待以上のものはなく、今回はどうだろうと思っていたのだけれど、「考える人」の特集はとてもよかった。妹、良子さんのインタビューは身内ならではの話が、内々にとどまらず読ませる内容になっていた。引き出し方がよいのだろう。

 この号では、黒川創氏の連載に楽しみが見いだされ、3号前から読み返している。連載はなかなか最初から読むことがない。おもしろかったら、次が出るまで悶々としそうで、特に「考える人」は季刊なので間があいてしまうこともある。とはいえ、話はまったく変わるが「asta*」で連載している方波見氏の作品は一度読み始めると、もったいなくて、新しい号が届くと、古い号のをようやく安心して読んでいる。月刊だからできること。

 今年読んだ今年の創作小説では黒川氏の『かもめの日』がとてもとてもよかった。「思想の科学」以来、この方の文章は読んでいるのだ。「考える人」の連載も心待ちになってきて、こうしてまた定期的に買う雑誌が増える。

 最新号の「エスクァイア」では様々な人の本棚が公開されているのだが、こういうのを見ると、来年もがんばって働いて本をおけるスペースをつくろうと目標ができる。

 今年もあと2日、か。

2008.12.28

今年の本

 あと数日で今年が終わる。前半はあまり本読みしていなかったのだけれど、後半は読書管理ツールの「読書メーター」のおかげもあり、どんどん読んでいた。
 なので、今年の本をここしばらく考えている。
 むつかしい。

 翻訳絵本では『あかいはな さいた』がとにもかくのもよかった。
 翻訳児童書の読み物では「トビー・ロルネス」シリーズ。全4巻のうち2巻まで刊行されているのもので、フランスのファンタジー。
 翻訳YAはどうだろう。『四人の兵士』はとにかくすばらしかった。

 一冊に限定する必要はないので、まだまだどれがよかったのか思案中。

 新刊ではないけれど、今年読んだ本の中で強い印象を残した翻訳小説にジェフ・ライマンの『夢の終わりに』(古沢嘉通訳)を。いま新刊で『エア』がでていて、こちらは未読。いまや入手困難な『夢の終わりに』、とにかく読んでよかった、読めてよかった。紹介してくださった方に深く感謝。“もうひとつの『オズの魔法使い』”に戦慄を覚えた。

2008.12.27

青春スポーツ小説

 自転車小説の『サクリファイス』(近藤文恵/新潮社)はすばらしかった。
 そして、現在進行形の自転車青春スポーツ小説「セカンドウィンド」(こちらの著者は川西蘭/ジャイブ・ピュアフル文庫)の待望の二巻がでました。やったぁ! 年末のうれしいプレゼント。すぐ読みたいけれど、もったいような。ああ、うれしい。



2008.12.26

火を熾す

 ごくたまに、つれあいに本を読むことがあります。つれあいの手だけが動かす必要がある場合で、それにまとまった時間がかかる時、ですね。ですから、本当にまれなのですが。何年も前に、庭に、石釜をつくっていた時に読んだのは、アルスから出ていた『源平盛衰記物語』。これはその横で遊んでいた子どもたちも耳にしていて、わりあいきちんと耳だけでひろって聞いていましたっけ。で、今回は、『火を熾す』をば。表題作を読んだのですが、ある男が厳寒の中、火を熾す。まとめてしまうと、ひとことでも言えるのですが、これがすごい迫力で、読んでいる私も、聞いているつれあいも、だんだん緊張感が高まってきて、途中でとうとう一回休憩をいれたほど。いやはや、ジャック・ロンドンもすごいけれど、これを訳しだしてくださった柴田氏のお仕事に深く感謝。この一作にうちのめされて、まだ続きを読んでいません。そろそろ読んでみようか。

火を熾す (柴田元幸翻訳叢書) (柴田元幸翻訳叢書―ジャック・ロンドン)

2008.12.25

ハレの料理

 

12241_2  わが家ではハレの料理担当はつれあいです。昨夜は、子どもたちのために、大きなフライドチキンをつくってくれました。大人はいつもの唐揚げカットのフライドチキン。大きなお肉にニコニコの子どもたち。これ以外に、オムライス、ポテトサラダ、マカロニサラダ、プチヴェールはチキンに添えて。フルーツのもりあわせ。はじめてつくった豆腐レアチーズケーキ(これは私です)は、形がうまくできなかったのですが、味はまあまあ。今度はがんばるぞ。

 お父さんの料理はおいしいねえと、子どもたちはとってもうれしそうでした。

2008.12.24

赤い絵本

 ちびちゃんはピンク色がとっても好きなのですが、赤い色も大好きです。3年前に刊行された『あかが いちばん』はそれはちびちゃんの好みで、いまも取り出して読んでいます。3年前にはひとりで読めなかったのですが、いまでは自分で読めます。『あかが いちばん』はタイトルどおり、あかいいろがいちばん好きな女の子が主人公。どんなにあかが素敵な色なのかを、簡潔な文章で綴られています。

わたしは あかい えのぐが いちばん すき。

なのに おかあさんは「あら、もう あかは ほとんど ないわね。
かわりに オレンジを つかったら?」って いうの。

だけど あかい えのぐを つかうと、 うたが きこえて くるんだよ。

わたしは あかい えのぐが いちばん すき。

 原書はカナダのロングセラー絵本。翻訳は伏見操さん。ほるぷ出版から出ています。

 今年出た赤い本は、ずばりのタイトル『THE RED BOOK レッド・ブック』(評論社)です。文字なし絵本で、2005年のコールデコット賞オナー作品。当時、原書で購入していたので、今回は図書館で借りて読みました。本の大きさも雰囲気も原書とおなじ。ちびちゃんは、すべてのページでこまかく赤い色を探し出して楽しんでいました。

 こちらも今年出た絵本、『てぶくろがいっぱい』。スロボドキンの作品です。文章はフローレンス・スロボドキン。『百まいのドレス』を描いたルイス・スロボドキンのおつれあいです。絵はルイス・スロボドキン。『てぶくろがいっぱい』は、ふたりの孫である双子の男の子をモデルにした作品だそうです。
 赤いてぶくろがいっぱい出てくる絵本で、この絵本を読んだあと、スーパーで買い物に一緒に出かけたちびちゃん。赤い軍手手ぶくろを見つけて「おねがい、これ買って。あの絵本のように赤いてぶくろがほしいの」の、ツボをおさえたおねだり。はい、買いました。終業式の日にしっかりはめて行き、毎日愛用しています。


 

あかがいちばん レッド・ブック (児童図書館・絵本の部屋) てぶくろがいっぱい

2008.12.23

塩りんご

 蜜のいっぱい入ったりんごをいただきました。
 なぜか昼間じゃなくて、子どもたちが寝静まったあとに、甘いものをことことつくりたくなります。今晩はこのいただきもののりんごをスライスして塩りんごづくり。何回かこちらにも書いていますが、スライスしたりんごに、塩をふりかけて少し時間をおきます。表面がしっとりしてきたら、火にかけ、好みのやわらかさになるまで煮るのです。素材がよければよいほど、塩は甘みをひきだしてくれるようです。

 クリスマスイブということで、明日の朝食はこの塩りんごで小さいアップルパイをつくってみようかなと考えています。

2008.12.22

PWより

 ヴァージニア・ユウワー・ウルフ(『レモネードを作ろう』(こだまともこ訳/徳間書店)につづく三部作の最終巻(原書)が来年2月に出るようです。"The Full House"とともに、二作目の"True Believer"も邦訳されないかしら。

冬至

 昨日は冬至。昼がこれから少しずつ長くなっていく日ですね。
 1222 ゆずを買ってきてお風呂にうかし、夕ご飯に、小豆とかぼちゃのグラタンをつくりました。辰巳芳子さんの『ことことふっくら豆料理』(農文協)のレシピを参考に、ホワイトソースは、いつものオルチョと塩と玉葱、そして牛乳でつくります。もどした小豆をことこと煮て(少々の塩入り)、できたホワイトソースにまぜあわせます。それをバターを少々ぬったお皿にいれ、素揚げしたかぼちゃのスライスをいれていき、パン粉と粉チーズ、少々のちぎったバターをいれてオーブンで焼きます。

 塩がちょうどいいあんばいの味になり、つれあいにも好評でした。

2008.12.21

おかゆさん

 昨夜は、友だち家族とクリスマスパーティ。おいしいワインを飲んでたっぷりおしゃべり。お気に入りのお弁当やさんのオードブルもおいしく(とくに生春巻き!)、子どもも大人も楽しんできました。
 最終のバス(19:54)で帰宅。
 お風呂にゆっくり入って就寝。

 朝ものんびり起きて、おかゆさんを炊きました。トッピング(?)に、先日のちょっと塩味のきいたかぶのポタージュと、ウィンナを焼いたもの、乾燥桜エビ、青のりをぱらっと。ポタージュの塩味がおかゆさんになじんでおいしかったー。

 さあ、今日は天気がいいので、障子の張り替えだ!

2008.12.20

おいしい食卓をゆめみて

いつも、ふたりで ばーさんがじーさんに作る食卓

 2年前に刊行された本で、いつか読みたいな思っていたのです。ちょうど図書館で見かけたので借りてきて読みました。
 刊行当時68歳のご夫婦がブログをはじめて、日々の料理を記録したもの。ハイカラ料理がいっぱい! そしてどれもおいしそう。オリジナルレシピではなく、ほとんどが、本から入ってつくったものを、ふたりにあうようにアレンジされたもの。写真もきれい。
 つれあいにも見せて、こんな風になりたいねえと願望を語り合ってみました。

 ■ばーさんがじーさんに作る食卓blog[Link]

2008.12.19

かぶのポタージュ

 

1219アサクラレシピをまねて、夕ご飯はかぶのポタージュ。
 レシピはだいたいこれの2倍でつくりました。[blog記事より引用]

 【作り方】
かぶ 3個
玉ねぎ 1/3個
オルチョ 大さじ2
塩  小匙1
水  350-400cc

①かぶと玉ねぎは小さく薄くスライスする
②鍋(なるべく厚手の鍋)にオルチョを入れかぶも玉ねぎも入れる
③塩も入れて弱火でじっくり炒める
④かぶが半量ぐらいまでになったら水を入れて蓋をして15~20分煮る
⑤塩味を見て丁度良く調整する
⑥ミキサーでとろとろにする
⑦温めてお皿に注ぐ
⑧パセリのみじん切りやオルチョをかけて出来あがり

 くつくつ煮ただけでもおいしいのですが、これを、ミキサーやフードプレッサーでとろとろにすると、まっしろのきれいなポタージュができます。パセリは庭のをちょいちょいと取ってきたものを。最後の塩味の調整でちょっぴり塩がきつくなったのが反省材料。家族はしっかりした味でおいしいよと言ってくれましたが。

 それにしても、かぶがこんなにどっしりと味わいになるなんて。子どもたちは最初、かぶとすぐにはわからず、おいも? と言っていたのです。またつくらなくては。

 おかずには、オルチョでささみのクロッカンティーノと、キャベツ、人参、ゆで卵のケッパー入りサラダ。かぶをくつくつ煮るのに時間がかかりますが、それ以外はどれもシンプルにできるものばかり。今日もおいしかった~。

2008.12.18

気になる新刊

                                                                                          

2008.12.17

大粒の塩漬けケッパー

 

12172  長らく待っていた、野生のオレガノを入手しなくてはと思っていたやさきに、塩漬けケッパー(大粒14mm)[アサクラブログ記事Link]も入ったと聞き、今年使いおさめのオルチョ注文と共にお願いしていたものが今日届きました。オススメされた塩も一袋使い終わったので、追加注文。粗塩ばかり使っていたので、この「海のしずく」という塩をなかなかうまく使えませんでしたが、一袋使い、すこしコツがつかめてきた感じ。

 さて、いろいろ届いたので、アサクラさん一押しの「キャベツとケッパーのスパゲティ」をつくりました。フライパンに水を入れ、塩漬けケッパーをそのままいれ、ざく切りしたキャベツもいれます。そこにオルチョをたっぷりいれて、蒸し煮にしてソースをつくります。キャベツが好みのやわらかさになったらできあがり。その間にパスタをゆでます。今回は贅沢にも、パスタもアサクラオリジナル古代小麦カムットのロングパスタを使います。講習会に出た方は、ゆでる時は1%という数字を覚えたかと思いますが、このアサクラ・カムットは塩分0.5%でOK。たっぷりの寸胴鍋でお湯をわかし、塩をいれてゆでます。できあがりに野生のオレガノをふって完成! おいしかったです~。家族にも好評。つれあいも、ケッパーに興味津々。今回は塩漬けのまま使ったので、ソースにあらたに塩はいっさい加えてません。それでもしっかりした味のソースができました。パスタそのものも、おいしかった。かむほどに味がするんですよ。しあわせ~~。

 ケッパーのレシピもこれから紹介されていくようなので、使い方をもっと覚えたいと思っているところです。試行錯誤しながら調味料とつきあうのも楽しいな♪

 

2008.12.16

PWより

2008.12.15

NYTimes 2008年ベスト

■小説部門(5冊) 【The 10 Best of Books 2008[記事Link]】

2666 Unaccustomed Earth
Netherland A Mercy
Dangerous Laughter: Thirteen Stories
Amazy

おいしいオリーブオイル

 オルチョ[サイトLink]のおいしさはよく書いてきたのですが、アサクラオイルもすごいです。自然栽培でつくられた力強い味、去年は予約で完売だったため口にしていないのですが、一昨年のものは、野生味たっぷりの力強さを感じました。2008年産は年明け早々に入ってくるようです。味わえるのが楽しみ。

 昨日付の朝日新聞の地方版記事にそのアサクラオイルの記事が載りました。
 現在はネットでも読めます。[記事Link]

 それから、いま店頭に並んでいる「クロワッサン別冊ビオ」でも、食のギャラリー612[サイトLink]を主宰されている、たなかれいこさんが、アサクラオイルとアサクラパスタを推しています。オイルもおいしいのですが、このパスタも、かめばかむほど味がでる美味なパスタなのです。

クロワッサン特別編集 ビオ・マクロビオティツクライフ Vol.7 オーガニック大研究 (マガジンハウスムック)

2008.12.14

NYTimes 2008年注目児童書

2008.12.13

ごはん

 

1213  朝ごはんは、まんなかの子のリクエストで、おにぎりと番茶。梅かつおと、海苔つくだにの一人2つ。番茶すすっておいしくいただきました。

 昼ごはんは、塩ラーメン。生活クラブので。こちらはつれあい担当。もやしたっぷりとイカを焼いたのをのっけました。美味。

 夕ごはんは、ぶり大根! 白菜の大きいのを3つもいただいたので、白菜料理にする予定だったのですが、スーパーでぶりのアラが安かったので変更。大根もいただいていたのですもの。豆腐とキャベツのおみそ汁、五分づきごはん、マカロニサラダ(たまごとツナ入り)。
 ぶり大根が味がしみてておいしくておいしくて、ぱくぱく食べました。つくったのは、つれあい。サンキュー!

気になる新刊

2008.12.12

冬眠中のカエルをおこしてしまった

最初みた時には3匹いたのですが、カメラをとってくる間に2匹はささっと別の場所へ。
3匹にぎろっとにらまれたようで、びっくりした。ごめんね。

1212


2008.12.11

ヘンリー・ブラウンの誕生日

ヘンリー・ブラウンの誕生日
エレン レヴァイン カディール ネルソン
鈴木出版

 原題は"Henry's Freedom Box"。翻訳は千葉茂樹さん。
 2008年コールデコット賞のオナー作品。読者をじっと見つめるようなまなざし、表紙の中心にいる少年、ヘンリー・ブラウンの存在感は、コールデコット賞受賞作、オナー作品の中でも強烈な存在感があった。
 来年には、アメリカの大統領はオバマ氏になる。オバマ氏の出自の説明でよく見かけたのが、奴隷の先祖をもたないという記述だった。いまも色濃く残るといわれている人種差別だが、この絵本は、まさにその奴隷制の話だ。

 奴隷は誕生日をもたない。自分の年も正確にわからない。家族とも、いつ離ればなれになってもおかしくない状態におかれ、物のように扱われ、人として大事にされない。

 ヘンリー・ブラウンもそういう奴隷のひとり。小さい時に、親から離れた所で働かされる。けれど、小さな幸せを手に入れることができた。しかし、その幸せすらも……。

 厳しい実話。帯には「ほんとうにあったお話」と大きな文字で書かれている。
 上の子は物語を読むと、それが自分の心に響くものであれば必ずといっていいほど、「これ、本当にあった話?」と聞いてくる。その彼がこの絵本を読み、「本当の話なんだ。ひどい話だ」と重たい顔で最初の声を出した。

 版元紹介には「これは、わたしたち人間が決して忘れてはならない歴史であり、人間らしく生きる希望と誇りを持ちつづけたひとりの人間と、自由の重みを伝える実話です」とある。そう、確かに「自由の重みを伝える実話」絵本。ぜひご一読を。

2008.12.10

本、ほん

 月末に届くPR誌の楽しみがひとだんらくしたら、月初の楽しみは「本が好き!」(光文社)と「asta*」(ポプラ社)です。

 月末の「ちくま」では、水村美苗さんの、『日本語が亡びるとき』の「あとがき」の後日談みたいな感じの文章が載っていて、おもしろく読みました。この本の影響は今月発売されている文芸誌にも重なっていて、「新潮」では梅田さんとの対談が、「文学界」では鴻巣さんとの対談がそれぞれ違う切り口で載っています。ちなみに、メインの主題ではないですが、「新潮」では、蓮實さんの記事でもこの本についてふれられていました。

 「図書」では、いよいよ(!)ル=グィンのゲド戦記が少年文庫入り情報が。訳者あとがきも入るようです。まずは1月に2冊刊行予定。少年文庫もどんどん充実していくので、ラインナップが楽しみです。11月に刊行された新刊『カレワラ物語 フィンランドの神々』(小泉保編訳)もよかった。

 「みすず」では、服部文祥さんの「狩猟山行記・前編」が読めます。ちくまの新書で出た、服部さんの新刊『サバイバル!』も買わなくちゃ。

 月初、「本が好き!」では豊崎由美さんの「ガター&スタンプ屋ですが、なにか? わたしの書評術」がどんどんおもしろくなってます。今月号では、“同一作品の複数書評紹介”で、ネタバラシ問題について考えていくもので勉強になります。あと、テーマエッセイの「今年読んだ「最高の一冊」も読みごたえあります。内澤旬子さんの最高の一冊はぜひ読まねば。

 「asta*」は小川糸さんの連載が佳境です。単行本でまとめて読むのが楽しみ。方波見さんの連載も楽しみになってきたので、ちょっとあとのお楽しみにとってあります。

 

2008.12.09

PWより

2008.12.08

精神のランニング

新川和江さんの「詩が生まれるとき 10」のタイトルが“精神のランニング”でした。月刊「みすず」12月号に掲載されています。

詩のタイトルは「詩作」。一部、最初の方を引用します。


はじめに混沌(どろどろ)があった
それから光がきた
古い書物は世のはじまりをそう記している
光がくるまで
どれほどの闇が必要であったか
混沌は混沌であることのせつなさに
どれほど耐えねばならなかったか
そのようにして詩の第一行」が
わたくしの中の混沌にも
射してくる一瞬がある

2008.12.07

ミスター・ベンの絵本


 くぅ。見逃してました。こんなおもしろい絵本が出ていたなんて。
エルマーシリーズで定評のある、デビッド・マッキーの絵本です。イギリスのテレビ局でアニメ化した人気シリーズとか。なんと、1970年代からの人気者。

 主人公はミスター・ベン。着替え部屋がファンタジーの入り口となり、ミスター・ベンはちょっと違う世界に足を踏み入れます。まったくの異世界というよりは、近しみを感じるくらいの異世界。1冊めでは、ドラゴンがまだ日常の生活にとってもなじんでいた時。あら? やっぱり少し異世界かしら。
 ストーリーもおもしろいので、続きは読んでいただくとして、絵がすっごくいいです。この時代の絵本にあるように、カラーとモノクロが交互になっていて、モノクロのページはペン画です。カラーのページは、とっぷりとした色がしみこんだような美しい水彩画。筆運びもぽってりとしていて、趣があります。おおらかな色と、細密のペン画、交互に展開されることで絵もストーリーも深みがでてくるのです。  話の運びとしては、「はいいろ~」の方がよりおもしろくなります。しましまの服を着る場所の経験は可能な限りしない方がいいですものね。けれど、どんな世界なのかは気になるところなので、わが家の子どもたちも興味津々で聞いていました。

 読了後、「この続きもあるよね?」と子どもたち。「もちろん!」と私。

 2冊を読んで、ミスター・ベンの魅力にはまったみなさん、ご安心ください。あらたに2冊、あたらしい次の年に刊行されます。

2008.12.06

晴れのち雪

1206 昨日はじゃんじゃん雨が降り、今日は時折、写真のように青空がみえたのですが、夜10時、雪がしんしんと降ってます。

 子どもたちは、月に一度の遊び広場day。クリスマスの月なので、鶏をダッチオーブンで焼いたり、バターライスを食べたりと、充実したお昼をつくって食べてきたようです。紙のシェードづくりも楽しかったようで、ちびちゃんは帰ってから、何種類もつくっています。

 週末は子どもたちが持ち帰るたくさんの洗濯物を洗いながら、つれあいと新聞読んでおしゃべりしたり。

 子どもたちに夜読んだのはデビッド・マッキーの絵本2冊。とってもよくて、後日あらためて感想をば。ナンシー・ヒューストンの『時のかさなり』はドキドキしながら読んでます。

 しんしん、しんしん。

2008.12.05

月刊誌たくさんのふしぎとかがくのとも

 いま発売されている2009年1月号の「たくさんのふしぎ」は、ジャワの影絵芝居のことが描かれています。「ノントン・ワヤン!」、実際の影絵芝居、ワヤンの様子は写真で、挿入されているワヤン好きの少年の話は淡い水彩画です。
 はじめて知る、ワヤンの美しさ。精巧なつくりの人形はじっくりじっくり見る楽しさがあります。付録はワヤン人形の写真ポスター。福音館の月刊誌は、2年ほどで入手しづらくなりますので、興味をもたれた方はお早めに。

 もう1冊、同じく1月号の「かがくのとも」は、田中清代さんの絵による「うおいちば」。文章は安江リエさん。絵本の主人公はきよちゃん。きよちゃんのお父さん、お母さん、おじいちゃんは、魚市場で働いています。おばあちゃんのお誕生日に、きよちゃんは魚市場に行くことになり、好物の金目鯛を市場で探すことになり……。
 たくさんの魚、働く人たち、セリ、どれもいきいきと描かれています。410円也。このお値段で読ませていただくのがもったいないほどオススメの月刊誌です。

2008.12.04

気になる新刊

                                                                                          

2008.12.03

うかたま 乾物エブリデー☆

Ukatama1203 農文協から出ている雑誌「うかたま」の最新号が届きました。特集は乾物。
 山の乾物(切り干し大根、干し椎茸、かんぴょう、干しずいき、干しぜんまい、高野豆腐に干し柿)、海の乾物(ひじき、昆布、干しエビ、干しホタテ、身欠きニシン、干しダラ、寒天)を使った料理。中島デコさんが作る乾物おやつもおいしそうでお洒落。高野豆腐のパイ生地に入れたさつまいもとりんごのタルト、切り干し大根ガレットにそそられます。

 おもしろい特集は「りんごが一箱届いたら」。届く予定はないけれど、届くと大変そうなんて想像するけれど、この記事を読んだら、届くといいのにと思ってきてしまいます。ケイクタタン、マシュマロ、りんご羹、ミンフ、キャラメルクリーム。つくって食べたらしあわせそう。

 この号は台所の近くに置いてくださいとあったけれど、確かに確かに。「登場した乾物は50種以上、料理・食べ方は120品以上あります」ですもの。
 農文協の本や雑誌は、ながーく楽しめるものが多くて、この「うかたま」もそのひとつ。

2008.12.02

ムーン・ランナー ほんとの友だちのしるし

ムーン・ランナー ほんとの友だちのしるし

キャロリン・マーズデン・作 宮坂 宏美・訳 丹地 陽子・絵
ポプラ社 1260円 (2008.12)

 『シルクの花』(代田亜香子訳/鈴木出版)の作者による、日本で紹介される2冊目の読み物です。『シルクの花』も150ページほどでしたが、本書も、130ページちょっとで、低学年の子どもでも手にとるのに負担感のない厚みです。とはいえ、なかみは濃くて読みごたえはしっかりしています。

 主人公のミーナは小学校4年生の時に、いまの学校に転校してきました。さいわい、仲のよい友だちもすぐできて、学校生活は楽しいものでした。
 ある日、ミーナは体育の時間におもしろい体験をします。ランニングをしている時に、カメのような気分で走っていると、のそのそはっているようだったのに、ミチバシリをイメージしたところ、体が軽くなり足がすっすっと前に出るようになったのです。そう、まるでミチバシリのように。ミチバシリ(Greater Roadrunner:道走)は、とても早く走れる鳥なのです。Googleで検索するとこのページが写真付きで説明していました[サイトLink]。この本のカバー見返しにも白い鳥が描かれていますが、それがミチバシリです。

 こうして自分が速く走れることに気づいたミーナは、仲良しグループのひとり、ルースとの関係を気にするようになります。ルースはもともと走るのが速く、近くにせまっている陸上大会でも、活躍を約束されているような子でした。ミーナはルースとの友情を考えると、速く走ることがいいことなのかわからなくなってきて……。

 好きなものに目覚めたとたん、友情の悩みもできてしまったミーナ。小さなエピソードがつみかさねて、ミーナの悩みがどう着地するかを丁寧に描いています。結論を急ぐことなく見守る図書館司書のお母さん。ミーナに寄り添って読んで迎えるラストに納得です。

 わが家の上の子もまんなかの子も読んだのですが、ふたりとも、ミーナとルースの友情の行く先にハラハラしたと言っていました。上の子はミチバシリってどんな鳥?と、検索し、気にしないで読み終わっていたまんなかの子も、「こういう鳥なんだ」とあらためて見入ってました。

 丹地さんの表紙、挿絵、どれもすばらしいです。
 訳者あとがきによると、原書の表紙写真[Moon Runner]は、作者の上の娘さんだそうです。本書は、この上の娘さんの経験を元に書かれたとのことで、別の作品では、もうひとりの下の娘さんをモデルにして、そのおじょうさんの写真が原書表紙につかわれているようで、その話も読んでみたいです。

クレソン

 スーパーでクレソン買いたいなと思っても、ちょこっとで380円くらいの値段なので、また今度と思っていたら、地元産のクレソンがたっぷり入って148円。やったと思い、ほくほくと購入。こういうほろ苦系の緑もの大好きなのです。
 昨夜はそれで、クレソンのコールスローをつくる。食べたかった味でうれしい。他はシュウマイ、アボカドを刺身風に、かぶとかぶの葉のおみそ汁、五分づきごはん。今朝は残ったコールスローをいれた卵焼きにしました。クレソンのしあわせ。

PWより

2008.12.01

韓国の童話シリーズ(2)

ぼくのすてきなお兄ちゃん (韓国人気童話シリーズ5) (韓国人気童話シリーズ)
ぼくのすてきなお兄ちゃん (韓国人気童話シリーズ5) (韓国人気童話シリーズ)
コ・ジョンウク文 ソン・ジンホン絵 吉田昌喜訳

 小学3年生のジョンミンはずっと一人っ子でした。ところが、遠い親戚のおばあさんが亡くなり、両親が出かけて戻ってきた時は、お兄ちゃんが一緒でした。突然お兄ちゃんだよと言われても、とまどうジョンミン。お兄ちゃんは脳性麻痺のため、おばあさんが育てていたのでした。両親に裏切られたように思うジョンミンは、なかなか兄の存在を受け入れられず……。

 韓国人気童話シリーズの5冊目(前4冊の紹介はこちら[Link]は、脳性麻痺のお兄ちゃんのお話。障害に対してあからさまな偏見を向ける周囲の人々など、読んでいて、その率直な語り口に正直、びっくりするほどなのですが、読み進めていくと、作者の「どんな人でも、幸せになれる権利をもっているんだ」という気持ちがまっすぐ伝わってきます。

世界で一番小さないもうと (韓国人気童話シリーズ6) (韓国人気童話シリーズ)
世界で一番小さないもうと (韓国人気童話シリーズ6) (韓国人気童話シリーズ)
コ・スザンナ文 イ・ジンウ絵 榊原咲月訳

 お母さんに赤ちゃんができた! 喜んでいたお父さんと娘のスアでしたが、生まれてきた赤ちゃんは、830gの低体重の早生児。その日から、家族で小さく生まれてきた赤ちゃんを見守る生活がはじまりました……。

 作者のまえがきによると、韓国では早生児として生まれてくる赤ちゃんが年々増えているそうです。治療するためには、高額なお金も必要となり、多くの親が赤ちゃんを守るためにがんばっていると。本書でも、小さく生まれてきたゆえの経済的負担で苦しむ親の姿が描かれています。その負担に押しつぶされそうになっている大人の横で、妹の心の声をキャッチする姉の姿があり、読んでいてこちらまで励ましてもらっているような気持ちになりました。上記にあげた「お兄ちゃん」の本同様、細かいところまで率直に書かれていて、気持ちが揺さぶられました。読んだら、誰かと話しをしたくなる物語です。

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