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2009年3月

2009.03.31

デバ! ハダカデバネズミの魅力

ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係 (岩波科学ライブラリー 生きもの)

 新聞のコラムで小川洋子さんが紹介されていて気になっていた、ハダカデバネズミ。数日前に読んだのですが、期待していたとおり、とってもキュートな生き物!
 岩波科学ライブラリーは、以前にもクマムシというおもしろい生き物の本を出していましたが、個人的にはこちらのハダカデバネズミに、より惹かれます。

 なんといっても名前が強烈です。ハダカデバネズミ。その名のしめすとおり、毛のない体に出っ歯のネズミ。小さい生き物にもかかわらず、女王になると40年近く生きるという。

 愛称デバは、大勢の仲間とともに地下にトンネルを掘り、秩序だって暮らしている。働きデバ、兵隊デバ、王様、女王というデバの階級において、働きデバは、女王が子どもを産み育てている時は、自らの体を肉ぶとんとして提供する。肉ぶとん階級! 
 兵隊デバは、天敵がおそってきた時には、なんと、自らヘビの口に入っていく。これは遺伝子共有率が高いので自己犠牲的な行動があらわれるそうだが、埼玉県こども動物自然公園には、この自己犠牲のリアルな生態展示もされているようで、本書では展示写真も掲載されている。ああ、実物をみてみたい。

 ということで、版元の岩波書店サイトでは、デバの動画や声が紹介されています。ぜひぜひ、かわいらしいハダカデバネズミと出合ってください。[Link]

2009.03.30

気になる新刊

                                                                                                                       

2009.03.29

昨日も今日も

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 昨日も今日も雪景色の朝。
 今朝も雪を踏みしめて、子供会の廃品回収へ。春のこの時に雪があるのは、初めて?なんて声をかけあいながら、安全祈願祭、引き続きの廃品回収に。寒い、寒い。足の指がまたしもやけでかゆいこと、かゆいこと。子どもたちは、しもやけになった指をみると、「足の指、ふとったねえ」と言います。早くやせたいものです。

 ちびちゃんは、タミフルがきいてすっかり平熱、食欲ももどってきました。

 新刊絵本『オルガ』を読みました。ストロングボーイTシャツ、私も欲しい。シュールな子どもたちの表情は、なかなかに惹きつけられます。

オルガ ストロングボーイTシャツのはなし (講談社の翻訳絵本)

2009.03.28

13の理由

13の理由

13の理由
ジェイ・アッシャー
武富博子訳
講談社
ISBN978-4-06-215322-5
定価 本体1600円(税別)

 

 テープが送られてきた。それも7本。
 差出人はわからない。
 聞いてみると、流れてきた声は2週間前に錠剤ひとつかみのみこんだ、ハンナ・ベーカーの声だった。
 彼女はこういう。

 心の準備はいい? これから、わたしの人生について話します。もっと正確に言うと、どうしてわたしの人生が終わったのかっていう話。このテープを聴いているあなたは、その理由のひとつです。

 テープを聞いているクレイのみならず、読者、この場合は私なのだが、覚悟をさせられる気分になる。この本を読むことは、ひとりの人生に関わることなんだ――と。

 賢く美しいハンナの言葉は、自分の人生を終わらせるにいたる経緯を、誰がどのように事態を転がしていったのかを、ゆっくりとじわりじわりと語る。その語り口は、非常にサスペンスに満ちていて、ハンナの気持ちを知りたいという欲求と共に、いや知らなくてもいいのでは、とも思わせる。次に何が起こるのだろうというハラハラさとは別の種類の緊張感が常にはらんでいて、ページを繰るのが怖かった。

 ナイーブな感性に、繊細すぎるのではと感じたことは正直あった。だがそれは、私がもう大人になったからだ。高校3年生の女子(男子でも)に、余裕などないのが、この年代なのではないか。自分の価値観と周りとの折り合いなど、つくはずもないこの時期。だからこそ危うく、生きながらえるのに苦労する。

 テープはまわる。
 ハンナにとって、2週間前につながる2年前の話から、ひとり、またひとりと、テープに個人の名前がきざまれていく。

 声が聞こえるわけでもないのに、ハンナが別の個人名をあげるたびに、読み手の私はびくんとした。どんな風に人とつながっているのか、すべての人とのつながりを覚えていることは可能なのだろうか。

 追いつめられていくように聞き入るクレイに、自分も重なっていく怖さ。
 ハンナは決して声高に誰かを責めていない。
 苦しみを垂れ流してもいない。
 ただ、最初にテープに吹き込んだように、人生について話している。

 半分読んでも、ハンナの声はもちろん続き、読み進めるのが怖かった。
 けれど、後半にいくにつれ、少し違う空気がみえだし、最後の言葉に染みた。
 それは決してセンチメンタルなものではなく、感情過多のものではなく。
 結局はそれはハンナの願いでもあったのではないだろうか。
 そう思えるラストだった。

2009.03.27

福寿草

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2009.03.26

雪、すこし

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 今朝起きたら、雪がうっすらつもってました。そして隣で寝ていたちびちゃんの息が荒い。インフルエンザ!? 39.5度の発熱で、かかりつかの小児科医へ。インフルエンザの反応が出ないので、解熱剤のみ処方していただき帰宅したのだが、うーん。

 明日の朝、もう一回病院に行くことになりそうな感じです。
 今日は青空が時折見られたのですが、吹雪のような空模様の時もあり、とにかく寒かった。

 夕ご飯は豆腐バーグに、かぶと鶏肉の煮物をつくりました。昨日まで、誰よりもおかわりしていたちびちゃんの食欲はすっかりありません。早く元気になるといいね。


2009.03.25

英語をもっと勉強したい! という気持ちになる本

越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 (ディスカヴァー携書)

 刺激的なタイトルですが、新書サイズ(版元ディスカヴァー・トゥエンティワンでは携書)なので気軽に読んでみようという気持ちになります。
 すいすいと読まずに、ここはひとつ、じっくりじっくり読みます。時々書き出したりなんかして、すっかり勉強モードスイッチも入るのです。英語の好きな高校生あたりから、参考になる内容。わが家の子どもたちには、まだ早いのですが、内容にもりこまれている、越前さんのエッセイ「わたしは英語をこうして勉強した」が、子どものこれからの勉強方針にも役立つんです。たとえば、これは英語に限らずですが、下記に引用した部分は、なるほどと思いました。

英検にかぎりませんが、資格試験というものは満点に近い点数をとれる実力をつけてから受けるべきですね。ギリギリで受かるぐらいなら、むしろ受からないほうがいい。子供たちがいま、漢字検定を受けているんだけど、じゅうぶんに力をつけてから受けるという方針で準備させてます。

 来月半ばには、本書の講演会もあるとのこと。お近くの方はぜひぜひ。きっと得るものがあると思います。

第129回新宿セミナー@Kinokuniya

『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文』刊行記念
 越前敏弥講演会
「英語と日本語のはざまで」

日時 4月13日(月) 19:00開演(18:30開場)
講演と質疑応答は8時半ごろまで。(多少延びる可能性あり)
その後、サイン会が9時ごろまで。
会場 新宿・紀伊國屋ホール(紀伊國屋書店新宿本店4F)
料金 1,000円(全席指定・税込)
チケット
販売
3月17日(火)より
前売 キノチケットカウンター(紀伊國屋書店新宿本店5F/受付時間 10:00~18:30)
電話予約 紀伊國屋ホール 03-3354-0141(受付時間10:00~18:30)
主催 紀伊國屋書店
協力 ディスカヴァー・トゥエンティワン
問合せ先 紀伊国屋書店 新宿セミナー[Link]

2008 オルチョあらしぼり

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 3年前からオルチョヌーボー、あらしぼりが出ているのですが、毎年味が微妙に違い、最初に口にするのが楽しみになっています。

 その楽しみが昨日到着。ひゃっほー!
 アサクラオイルが届いた時のように、今回もシンプルバケットを焼き、さっそくの味見です。バケットにつけて食べてみると、うまい! つーんとくるフレッシュさ。青々としていて、それでいて、さほどとんがった味ではないのです。夜に味見したのですが、起きていた上の子とふたりで、「これは、うまい!」と何度も感動してバゲットをついパクパク食べてしまいました。
 ちょうど、まだ少しだけ残っていたアサクラオイル、ふだん使いのオルチョの3種類もつけて比べたのですが、さすがのアサクラオイルは、リッチ感がしっかり残る。それに対して、ヌーボーオルチョは、もっとフレッシュでやわらかい。ふだん使いは、いつもの安定した味わい。それぞれに、きちんと味わいが違い、いずれもおいしい。

 それにしても、アサクラオイルをあけた時の感動をまた思い出しましたが、ヌーボーオルチョも、最初のあけた一口目の鮮烈さは長く残る。頭の中で、「おいしい! おいしい!」というのがエコーしている感じ。しあわせになるおいしさです。

03251 ←通常のデカンタ工程(果肉の自然分離)を早めに切り上げ、多少果肉が残った状態でボトリングされた、ヌーボーオルチョ。

 オルチョサンニータのサイトはここ[Link]

  と、いまサイトをあらためてみたら、本日25日(水)から31日(火)まで、伊勢丹・浦和の地下食品売り場でプロモーション販売しているようです。お近くの方はぜひ味見に行かれては~。古代小麦のパスタも試食できるようです。

2009.03.24

PWより

★絵本

The Secret CircusRoawr!
My GoldfishDuck! Rabbit!
The Curious GardenAesop's Fables
Farley Follows His NosePony Island
Prudence and Moxie
Amazy

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2009.03.23

気になる新刊

                                                                                          

2009.03.22

サンマ

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 リニューアルでしばらく休むスーパーでサンマが18円でした。
 なので、今日の夕飯はサンマです。

 昨日のポカポカ陽気から一転して、今日は雨、肌寒い一日でした。
 お昼のラーメンがあったかくておいかった。

 YAダークシリーズ5冊読了しました。ウェストールから読み始め、ドナ・ジョー・ナポリの話にぞわっとし、セジウィックではハラハラし、マコックランの話では、スケールの大きさに唸りました。

2009.03.21

朝ごはんにりんごのフライパンケーキ

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 「天然生活」特集、しあわせな朝ごはんレシピのひとつを試してみました。なかしましほさんの「りんごのフライパンケーキ」。材料のアーモンドパウダーがないので、家にあったクルミをすってパウダー状にしたものを利用。あと、すりおろした生姜もいれると、シナモン風味にもなりました。

 スライスしたりんごたっぷりの、ざっくりしたケーキ。レシピでは2枚(15cm)だったので2回つくり、子どもたちと私が食べました。つれあいは惰眠をむさぼり、ひとかけら食べただけですが、シナモンの味がするな、うまいと言ってくれました。子どもたちも、うまい、うまい!と牛乳と一緒の朝ごはんを堪能。

天然生活 2009年 05月号 [雑誌]

2009.03.20

13歳

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 児童書ではキーとなる年齢の13歳。思春期の扉を開けつつある彼です。

 あかね書房のYAダークシリーズ5冊どどんと届く。13歳の彼にどの表紙に一番惹かれるか、読んでみたいか聞いてみると、ロバート・ウェストールの『ゴーストアビー』とのこと。では、この本から読み始めてみようっと。


2009.03.19

春の陽気

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 朝はうっすらもやが見えたのですが、日中はポカポカでした。
 写真は朝のもの。ひんやりしていました。

 ちびちゃん、今日は登校。ようやく3食、すべて食べられるようになり、体力も戻ってきたかな。一昨日まではまだおかゆで、昨日ようやく、ふつうのご飯が食べられたのです。本人は学校に行きたくてしかたがなく、だだをこねていましたけれど。まんなかの子は口唇ヘルペスが出ているので、今日もお休み。体力は戻ってきているのですが、口が思うようにあかないので、食べることにストレスがありそうです。ゆっくり食べていいんだよと、時間をかけるよう声をかけています。お昼の素麺はおいしそうに食べていました。夜はリクエストでお刺身。あと、もう少しで、よくなるよ。

 『ぼくだけの山の家』(ジーン・クレイグヘッド・ジョージ/茅野美ど里訳/偕成社)を読了。『サバイバル登山家』や『ぼくは猟師になった』に通じる、50年前の児童書です。ひとりの少年が家出して、森の中でサバイバルな生活を送る。喜びと寂しさを織り交ぜながらの物語は、実用書でもあります。よかった。

 夜はヘミングウェイの『移動祝祭日』(新潮文庫)を読み始めました。パリのまぶしい日差しをあびているような、活気ある文体。読み進めるのが楽しみです。

ぼくだけの山の家 移動祝祭日 (新潮文庫)
Amazy

2009.03.18

春、庭の花

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PWより

★絵本
City I LoveChicken and Cat Clean Up
Ok GoThree Little Kittens and Other Favorite Nursery Rhymes
No!Leaf
The Fantastic Undersea Life of Jacques Cousteau
Amazy

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2009.03.17

気になる新刊

                                                             

2009.03.16

季節のたより

春嵐井伏鱒二の詩集繰る

              朝倉晴美

今日の新聞に載っていた「季節のたより」で紹介されていたもの。
選者は坪内稔典氏です。
氏はこの句と共に井伏鱒二の漢詩翻訳も紹介しています。

井伏鱒二の『厄除け詩集』を開こう。

ハナニアラシノタトヘモアルゾ
『サヨナラ』ダケガ人生ダ。

漢詩「勧酒」の翻訳。

これを読んだら、詩集を読みたくなるではありませんか。

井伏鱒二全詩集 (岩波文庫) 厄除け詩集 (講談社文芸文庫)
Amazy

2009.03.15

くたくた

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 昨日、まんなかの子がインフルエンザB型を発症。つづけて、今日はちびちゃんが、急性感染性胃腸炎を発症。ちびちゃんが、頭痛を訴えた時、インフルエンザがうつったかと思い観察していると、発熱はまったくなく、嘔吐症状だったので、これは胃腸だなと。わが家でインフルエンザは初めてだったので、上の子は「かなり苦しいんでしょう」と心配+好奇心まるだし。昨日までは兄とふたりでまんなかの子を「だいじょうぶ? 苦しい?」とこれまた心配+好奇心で見守っていたちびちゃんも、今度は布団に入ることになったのです。
 親もマスクして必死に手洗いとうがいしながら看病です。

 薬でちょっと気分がよくなると、本読んでとリクエストされ、来月に新装復刊される『アーサー・ランサムのロシア昔話』(神宮輝夫訳 白水社)から「兵隊と死神」を読みました。前から持っていたのですが、これ、すごくおもしろいんです。昨夜まんなかの子に布団の中で読んで、今日は上の子たちに読んだのですが、何回読んでもおもしろい。これ、来月復刊されたらおすすめです。フェイス・ジャックスの絵もいいんです。ランサムによる昔話の再話はいずれもとてもよくて、『ピーターおじいさんの昔話』(神宮輝夫 パピルス)も手元においてソンな気持ちはさせません。
 他に読んだのは、到着したばかりのラングの『ちゃいろの童話集』(東京創元社)から「ぶつぶつ父さん」(吉井知代子訳)。これまたおもしろくて、具合が悪い子も、いい子も、夢中になって聞いて、アー、ダメだ、ぶつぶつ父さんは!なんて言いながら楽しんでいたようです。

 早くよくなりますように。明日は何を読みながら看病しようかな。写真は今日の夕日。

福音館の復刻絵本20選

★福音館の復刻絵本20選[Link]

オンライン書店でも24時間以内発送になっていますね。限定なので、早めに決断をせまられるわけです。『おばけのジョージー』もずっと品切れだったんですね。ジョージーの他の絵本は、いま徳間書店から出ています。井上洋介さんの北欧民話もどんな感じかしら。未読絵本です。この他、限定復刊ではなく、ベーメルマンスのマドレーヌシリーズが2冊『マドレーヌといたずらっこ』『マドレーヌとジプシー』が5月中旬に出るようです。

三コ』 齋藤隆介 作 滝平二郎 絵
かめさんのさんぽ』 中谷千代子 作・絵
もりのまつり』 中谷千代子 作・画
トーマスのもくば』 小風さち 作 長新太 絵
わからんちんのココ』 はたたかし 文 長新太 絵
絵本 きりなしばなし』 梶山俊夫 作
だれかがよんだ』 せがわやすお 文・絵
ほしのサーカス』 小沢良吉 作・画
まのいいりょうし』 瀬田貞二 再話  赤羽末吉 画
あかりの花』 君島久子 再話 赤羽末吉 画
いしになったかりゅうど』 大塚勇三 再話 赤羽末吉 画
カーニバルのおくりもの』 シャーリップ&サプリー 作 内田莉莎子 訳
おばけのジョージー』 ブライト 作 光吉夏弥 訳
どろにんぎょう』 内田莉莎子 文 井上洋介 画
金のりんご』 ブルノフスキー 文・画 内田莉莎子 訳
くさはらのこびと』 クライドルフ 文・絵 大塚勇三 訳
ふゆのはなし』 クライドルフ 文・絵 大塚勇三 訳 山内清子 訳
リーベとおばあちゃん』 テンフィヨール 作 ノールベルグ 絵
おやゆびトム』 ポストマ 文 ・絵 矢川澄子 訳
太陽と月になった兄弟』 秋野靭子 再話・絵

2009.03.14

風景

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ベルおばさんが消えた朝

Bel 『ベルおばさんが消えた朝

 ルース・ホワイト作
 光野多恵子訳
 徳間書店

 ★1997年ニューベリー賞オナー作品
 ★1996年ボストングローブ・ホーンブックオナー作品

 児童書を読んでいて、時々、ガツンとなる本に出合うと、雑誌「飛ぶ教室」(※1)で連載されていた《成長物語のくびきをのがれて》(石井直人)を思い出す。当時、リアルタイムでこれを読んだ時、自分にとって読み続ける意味を確認できたのだと思う。だからこそ、ここにもどってくる。

 わたしたちは、成長の過程で、たとえ挫折とよばれるほどの劇的な体験がなかったとしても、たくさんの経験の細部をその場におきざりにしてきた。だれがわるいとか、なにがまちがっていたということではない。ただたんに成長するということそのものが、その場その場にこぼしていってしまう小さな砂礫のような経験の細部があるのだ。


 この、おきざりにした、もしくは思い出さないようにしている経験が、本を読むことでよみがえってくることがある。この『ベルおばさんさんが消えた朝』で、私は久しぶりに形容しがたい感情と向き合うことになった。

 現代に書かれた作品だが、作品の時代背景は50年代。舞台はアメリカの山間にある小さな町で、ジプシーと彼女のいとこ、ウッドローの物語だ。
 ベルおばさんというのは、ウッドローのお母さんで、ジプシーのお母さんの妹。10月のある朝、ベルおばさんが消えた。朝、家を出たきり戻ってこなくなったのだ。突然のできごとに、父親は対応しきれなくなり、ウッドローはジプシーの家に引き取られることになった。ジプシーは、どうしてベルおばさんがいなくなったのか、きっと息子のウッドローなら知っているのではないかと、あれこれ探りはじめる。知っていそうな秘密を確かに持っていそうで、隠しているわけでもないのだが、ジプシーには結局のところわからない。ベルおばさんはどうしていなくなったのだろう、生きているのだろうか。なぜ、家族をおいてひとりで出て行ったのか……。

 家族というのは得難いものであることは否定しないが、家族だからこその感情で大事なことを伝えられないこともままある。ベルおばさんの失踪は、ジプシーの家族もまきこむ。飲んだくれで、子どもを育てるのには適さないと周囲に思われる父親から離れたウッドローは、ジプシーと同じ学校に通い出した。ジプシーもひとりっ子なので、ふたりは「いとこ」という血縁関係をきっかけに、ぐんと近しくなり、いろんな話をする。本当に仲良くなると感情のぶつかりあり、ぶつかってまた近づく。
 ベルおばさんの秘密を知りたいジプシーだが、彼女もまた親に関して重たいものをもっていた。はたして、その感情があふれる時、家族それぞれが向き合うものがある。

 人は助けてくれることで、生きながらえる。12歳という同じ年齢のふたりは、互いに助け合い、大人になる前の高いハードルに向かっていく。読みながら、何度も私も思い出していた、あの時助けてくれた人、話を聞いてくれた人、気持ちに寄り添ってくれた人、その人たちの存在があって、いまの私がある。当事者にとって、何かを乗り越えることは簡単じゃない。だからこそ、物語を読んでいて苦しかったのも事実。子どもがつらいのであれば、親もつらい。大人も子どももつらいその気持ちを、傷をなめあうだけの描写にとどまっていないからこそ、心に残る。丁寧に的確に気持ちの機微を描いたこの物語は、これから先も折にふれて思い出し、読み返すだろう。物語を大事にしている訳文もまたすばらしく、大事な一冊がまた増えた。

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※1 「飛ぶ教室」39号(楡出版/1991年)

2009.03.13

ビスト児童図書賞 2008-2009

Childrens Books Ireland - Bisto Awards Shortlist 2009[Link]

3月11日、ビスト児童図書賞のショートリストが発表されました。
賞の発表は5月20日。
ケイト・トンプソン(あのおもしろーい『プ-カと最後の大王(ハイキング)』(時間のない国で2)(渡辺庸子訳/東京創元社)を書いてます!)がよく候補にあがり、受賞もしているビスト児童図書賞。今回も候補作にあがってますね。
この賞は、アイルランド出身もしくは、在住の作家/画家の作品が対象です。書影はamazonにあるものだけ載せてみました。

Eoin Colfer - Airman
R O'Laighlis, Susan Edwards & Emily Colenso - An Phleist Mhr
Mary Finn - Anila's Journey
Siobhan Dowd - Bog Child
ine N Ghlinn & Carol Betera - Brionglid
Kate Thompson - Creature of the Night
Roddy Doyle - Her Mother's Face
Kate Thompson - Highway Robbery
PJ Lynch (illustrator) - The Gift of the Magi
Oliver Jeffers - The Great Paper Caper

Airman Anila's Journey
Bog Child Creature of the Night
Her Mother's Face Highway Robbery
The Great Paper Caper The Gift of the Magi
Amazy

気になる新刊

                                                                                          

2009.03.12

この絵本が好き! 2009年版


この絵本が好き!  2009年版

今年も回答させていただきました。
国内版の絵本1位は予想通り。
海外版の絵本は、おー! 好みですがまさか1位になるとは。

「絵本作家って何ですか?」という、もとしたいづみさんのエッセイでは、やまねこ翻訳クラブ[Link]主催の08年やまねこ賞のことにもふれています。

「2008年の児童書について」赤木かん子さんの2008年児童文学総括は、お気持ちがビシバシと伝わってきました。

「北欧のグラフィカルな絵本たち」(ほそえさちよさん)は、『ハリネズミかあさんのふゆじたく』など、エヴァ・ビロウを発見(!)した、佐伯愛子さんのお話も紹介されています。

いろんな方々のアンケートに寄せたコメントは、また新しい絵本との出合いをもたらせてくれ、こちらはじっくりゆっくり楽しみながら読みまする。

2009.03.11

さむい一日

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 今日は雪でした。
 あっというまに白い世界。
 ぐっと冷え込んだ一日です。

 ちびちゃんは帰宅してから、持ち帰った粘土で、せっせといろいろつくっていました。
 あと少しで春休みなので、少しずつ持ち帰っているのです。

 トビー・ロルネスの最終巻が届きました。
 胸があつくなります。本当にすばらしい作品。

 夜にひとつ送信。ほっ。

2009.03.10

あつめる

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 先週末は、子どもらの月一回の遊び広場があったのに。すっかり何もない週末だと心おきなく朝寝、惰眠をむさぼり、ようやく目覚めた時に「今日は来ないのですか?」という電話があり、きゃー!と急いで準備して、本来は電車とバスで行くべき目的地へ送っていきました。

 そこで、まつぼっくりのまだ開いていないのがたくさん落ちていたので、一緒に行った花炭づくりが趣味のつれあいが、「こういうきれいなのは、なかなかない」と拾い始めました。風の冷たい日だったのですが、私も強制的(?)にお手伝い。写真はあつめたそれです。

 思いもかけない家族ドライブができたのでよしとしたのですが、ちぃちゃんには、さっそく宿題の作文で、忘れていたことを書かれました。ちぃちゃん曰く「おかあさんが、電話であまりにびっくりした声を出したので、私は火事がおきたのかと思いました」とのこと。火事じゃなくて、よかったね。

2009.03.09

PWより

★絵本

"Hat"の表紙に惹かれます。

Just Like a Baby Maybelle, Bunny of the North
The Pied Pipers Magic Hat
Budgie & Boo Math Attack!
Amazy

★読み物

Horrid Henryシリーズはイギリスで人気のあるもので、アメリカでも刊行になったようですね。

Ava Tree and the Wishes Three
Horrid Henry and Other Stories (Horrid Henry)
Baseball Great
Jolted: Newton Starker's Rules for Survival
Because I Am Furniture
A Templar's Apprentice (The Book of Tormod)
Amazy

★ノンフィクション

Redwoods
Amazy

★詩集

2009.03.08

ひとつひとつ

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 昨夜読んだ『ハサウェイ・ジョウンズの恋』、とてもよかった。血なまぐさい時代に、自分の時間の中で恋をするハサウェイ・ジョウンズ。気持ちにふりまさわれながらも、とめられない熱い気持ち。周りのドンパチで命を落とす物騒なところで、それでも、人の気持ちは通い合う。あたりまえの気持ちだもの。

 写真は、ちぃちゃんが、影で遊んでいるところ。
 和室の一角にちょうどいい影をつくれる光が入っていたのです。

 夜は子供会の総会。次年度がはじまります。

2009.03.07

気になる新刊

                                                                                          

2009.03.06

落とし物

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田んぼに落ちていた赤いもの。忍びなくて、家の〒受けのところに置いてみました。
今日は、今年度最後の子どもたちの参観日、奉仕活動、学年懇親会、学級懇談会、PTA役員会ともりだくさん。くたびれましたが、この赤いものみると、すこしおもしろい気持ちに。がんばろー! おー!


2009.03.05

天井に星の輝く

天井に星の輝く

概要と部分訳を読ませていただいてから2年。
美しい装丁の、一冊の本になりました。

スウェーデンのリアリズムYA。
『天井に星の輝く』は13歳のイェンナという少女が主人公。母との二人暮らしは、イェンナにとって居心地のよいものではない。隠したいことがあり、隠したい自分にも嫌気がさし、毎日が楽しいというものからは、ちょっと距離のある日々。

 おぎゃあと生まれた小さな赤ちゃんが成長して、思春期に入る。なにもかも親に依存していた時は案外に短いのかもしれない。あの小さな子どもがいまやオトナになるステージを歩む、それが13歳。
 13歳という年齢は実にやっかいだ。個人差はあるけれど、児童文学において、よく描かれる“キー”となる年代でもある、この時期。過ぎ去ってしまったいま、思い返しても、やはり、やっかいとしかいいようがない。

 イェンナはいい子であることを拒否している。いい子でいたい、とも思う、願っている。けれど、そうすることはむつかしい。

 イェンナはもう、つま先立って歩いたりはしない。あたたかいおかゆのまわりをうろつく猫のように、こそこそしたりもしない。いいたいことを遠回しにいうのもやめだ。気持ちが爆発するのを、イェンナはとめようとはしなかった。言葉が、ただふき出してくる。イェンナは火山だった。その言葉は焼けるように熱く、とめることなどできない。

 火山のようになるのが楽になることではないのに、それでも、そうせずにはいられない。痛いほどのリアルさが伝わってくる。イェンナの率直な言動は、時に逸脱しすぎると思えるだろうか。私には、思い当たることだらけで、共感という言葉があてはまらないほどだった。

 本書は、デビュー作でアウグスト賞を受賞。映画化もされていて、ベルリン映画祭の14歳以上向けの作品部門にも出品された。残念ながら賞は逃したけれど、ぜひ日本での公開を望みたい。

 映画の公式サイト[Link]

 最後に、翻訳者のあとがきより

 若者の言葉づかいを多用しながら、大事な場面は散文詩のようにつづるなど、さまざまな手法を用いながら、作品全体がもう一文字も動かせないところまで研ぎ澄まされています。そして、それによって最後に残るメッセージは、生きることへの希望です。

2009.03.04

PWより

★絵本

Bad Frogs Funny Farm
Mighty Casey This Little Bunny Can Bake
Amazy

★ポップアップ絵本

Stuff and Nonsense: A Touch-and-feel Book With a Pop-up Surprise! Cat
The Very Hungry Caterpillar Pop-Up Book (Very Hungry Caterpillar) Blood and Goo and Boogers Too!
Amazy

★音楽の本

Mozart: The Wonder Child: A Puppet Play in Three Acts When Louis Armstrong Taught Me Scat
Amazy

★読み物

The Silver Horse Switch (Horse Crazy)
Same Difference
The Season
Fate
If I Stay
This Is What I Want to Tell You
Amazy

2009.03.03

おひなさま

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今日は本がたっぷりと箱で届き、その中には楽しい付録も。

そのひとつが、バスフラワーソープ。泡風呂になるもののようで、ちびちゃん、さっそくこれから入ります。「今日はおひなさまの日だから特別ね」というと、「おひなさまっていい日」とニコニコです。

昨日のおもしろかった話・ふたつ。
 髪の毛がのびてきたので、時々、おだんごにしているのですが、昨日のちぃちゃんは、その「だんご」という言葉がでてこなくて、「あれ、なんだっけ?、そうだ、おかあさん、もちつくって!」
餅って、確かにだんごに似ているかもしれないけれど、と大爆笑してしまいました。

 まんなかの子もおもしろいことを言っていて、学校から帰宅して帽子をとると、頭の上からぽろっと小さいお菓子がひとつ落ちてきたのですが。「どうして、帽子からお菓子が?」と聞くと、「これは、四次元の帽子なのさ」ですって。四次元って??ですけれど、ニヤリと得意げな顔をしていたので、これまた笑ってしまいました。おもしろいなあ。

2009.03.02

一転して

03021
 すごーく寒い朝。子どもたちが登校する時はぼうぼう降ってました。
 その後は降ったりやんだり。乾いていた田んぼの上にさーーっと雪がおおいました。

 この天気の激しさ、体がついていかなくてあたりまえなくらいです。ふぅ。

 『チェラブ』最新刊到着! 子どもが読む前に私が読むんだ。
 でも、その前に『あまりに野蛮な』も読みたい。積ん読いろいろ。うーん、チェラブから読むか迷う。

 「波」届く。『極北で』の書評はいしいしんじさん「ふたつの北極」。

 読者にもトマス・ケイヴのなにかが伝染する。鯨のような巨大な影が自分のなかをゆっくりとよぎっていくのを私は感じる。

 

2009.03.01

晴天

03013  
 朝は起きてから地区の総会へ。今回は役員じゃないので、気楽に参加してきました。報告することがいろいろあるもので、1時間では終わりません。帰りにあんパンと珈琲牛乳をもらって帰宅。

 家族で買い物いろいろしながら、まったく予定のないリフォームのためのリモデルもいろいろ見てみる。まんなかの子とちびちゃんは、お風呂が気に入った様子。わが家の木風呂とちがって、ぴかぴか光るユニットバス。「なんとか1000円くらいだったら買えるのにね」と、なごりおしそうに後にしていました。キッチンも、進化していておもしろかった。掃除が楽そうです。とはいえ、リフォームなんて、はるか先の夢ですが。

 一日よい天気で、「あっついよ!」と子どもたちが言うほど。
 3月の青空です。

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