ながいながい旅

ながいながい旅 エストニアからのがれた少女
イロン・ヴィークランド 絵
ローセ・ラーゲルクランツ 文
石井 登志子 訳
税込¥1,995 (本体 : ¥1,900)
岩波書店 ISBN978-4-00-111209-2
この絵本の画家、イロン・ヴィークランドといえば、リンドグレーンとの名コンビで知っている方も多いでしょう。本作は、そのヴィークランド自身の幼年時代をもとに描かれた絵本です。
両親が離婚し、母方の祖母と暮らしていた少女は、戦争がはじまったことにより、今度は父方の祖母の家があるエストニアに移り住みます。戦争の地から少し離れた地で、少女は美しい夏を過ごします。しかし、遠かった戦争がひたひたと近づいてきました。エストニアを離れなくてはならなくなり、少女は漁船に乗り込みます。そしてその船が……。
美しいエストニアの自然のあとに、どこまでも暗い戦争が描かれはじめ、少女の顔からもだんだん生気が失われていくのは、読んでいてつらいものがありました。最初は私ひとりで読み、次に子どもたちに読みました。上の子は「なんてことだ」と戦争のページをみて言葉を出していました。けれど、ラストの旅の到着したシーンは、ほっとするものがあります。「これは本当にあったことなんだね」と子どもが言います。少女の名前は途中からはっきりするのですが、それが、この画家の名前を一致する時、その後の年月を経て、このような美しい絵本を描いてくださったことに、読者のひとりとして感謝します。
翻訳をされた石井登志子さんによるあとがきも余韻を深めます。
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そしてこの本を読んだら番外編もどうぞ。ポプラ社のPR誌「

















民子さんという、いまどき古風な名前の少女は母親を癌で亡くし、父親とふたり暮らしをしていました。それから二年後、父親は会社の同僚と再婚します。宏子さんという女性は、よくいえば天真爛漫、ひねたいいかたをすれば、人の気持ちをくむのが下手です。民子さんは、おばあさんから厳しく躾けられたことこもあり、宏子さんのおおざっぱさについていけない時もあります。けれど、宏子さんが気持ちのよい人だとも気づいていくのです。