灰色の輝ける贈り物
アリステア・マクラウド著、中野恵津子訳 新潮社クレストブックの1冊。
スコットランド高地からの移民の島、カナダ・ケープ・ブレイトンが舞台。マクラウド自身が育った島だ。きこりや漁師、坑夫などをして学資を稼ぎ、博士号を取得したと作者紹介にある。そういう自分の人生を投下させたような短編なのかもしれない。体をはる仕事をしながら、苛酷な自然の中で暮らす人々の生活がそのどれもに描かれている。生きることが、文字通り、生活の糧を得るための仕事に多くさかれ、黙々とこなす。きりっとした緊張感に、ふだんの日常が横たわる。この短編集の続編が今月末に刊行される。マクラウドの全短編集"Island"の前半8篇がこれで、次が残りの8篇の短編が入る。『冬の光』の刊行はもうすぐ。
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