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2004年2月

2004.02.29

ティオぺぺ

週末に飲むお酒を買いに店に入った。いつもはコンビニで買うことも多いのだが、久しぶりに行ったお店では、スピリッツの棚が充実していて、思わず魅入ってしまう。透明なお酒はきれいだ。シェリーのティオぺぺもあり、ほしいなぁと眺めるが、今回ぱやめておいた。春になったら買って飲もう。けっきょく、ふつうの黒ビールなどを買ってレジへ。たくさんのお酒をみているだけで楽しいですねと声をかけると、その店で一番高いお酒を見せてくれた。70万円のウィスキー。世界で900本しかないものらしい。うーん、飲みたいというと、お店の人とつれあいが声をそろえて「買ったとしても、もったいなくて飲めない!」そうかなあ。

2004.02.27

やきめし

3月号の「きょうの料理」にのっているおいしそうなレシピの数々。でもやっぱり最初につくってみたくなるのは、〈小林カツ代の料理にドラマあり〉。3月号では“ケンの葱ゴマやきめし”が紹介されていた。材料は葱と白いりごまとしょうゆとごま油。塩、こしょう少々。あとはもちろんご飯。我が家は一番下の2歳児ふくめ5人家族。葱はどのくらいきざもうかなと少々迷い、2本ひたすらきざむ。最初にごはん、つぎに葱とごま。そのあいまに調味料をふって、しょうゆがちょっと多いかなと思うくらいでよかったみたい。おいしかったぁ!!!!ご飯は3合半炊いたのだけど、ぺろりとなくなりました。こんなシンプルな材料で、とても豊かな味に感動。――幸福。

2004.02.23

だいくとおにろく

日本の昔話絵本でこれというのは、なかなか少ないと思う。
その数少ない1冊が『だいくとおにろく』
きりっとした文体、場面にあう絵、読んでいてもリズムがあって楽しくなる。
子どもたちが、鈴の音がなるようにコロコロ笑う。
シューヘーが「保育園の頃はこのおもしろさがそれほどわかってなかったなぁ。いまの方がおもしろいよ」と、笑っていっていた。

恋の話、続

『パスカルの恋』読了。駒井れんさんは、石井睦美さんだということを、読後、見返しをみて知る。いつもは、見返しや作者紹介をみてから読むことも多いのだが、今回は一気に読んだので最後に知った。
小説の新人賞をとっているのだが、内容は川上弘美の『センセイの鞄』のようだった。

『ガールズ・イン・ティアーズ』を読み始める。こちらはタイトル通りティーンのドキドキが書かれている世界。明日には読み終わるかな。訳文が読みやすく言葉が自然に入ってくる。

『恋に死す』は、読んでいる途中。アルテミジア・ジェンティレスキという女性の画家の恋話は迫力がある。15歳の時から何度も陵辱された相手を訴える様が書かれている。〈償い婚〉を望んだアルテミジアは、結局、仕事の上で相手に勝利(?)した。「ホルフェルネスの首を切るユディット」の画は、壮絶だ。

2004.02.21

恋の話

『森有正先生のこと』(栃折久美子著)も恋の話。
『恋に死す』(中野京子著)は、古今東西の恋の話。
『パスカルの恋』(駒井れん著)も、タイトルの通り。
『号泣する準備はできていた』(江國香織著)も恋の短編集。

と、恋の話づいている。
読了しているのは、『森有正先生のこと』と『号泣する準備はできていた』。残り2冊は併読中。
恋愛は非日常だものね。たまらない魅力はある。ふむ。
中野京子さんはずっとミリアム・プレスラーの翻訳者の方という認識だったのだが、切れ味のいい文章も書かれることを最近知った。この『恋に死す』もほぉと思わせる語り口。
14歳の二条がどんな恋をし、どんな人生を送ったかが数ページ書かれているのだが、昔もいまも変わらない情の濃さを感じさせる。恋のアンソロジー集のような感じというと軽くなってしまうのだけど、とりあえずまだ読み始めたばかり。

2004.02.19

パンやのくまさん

フィービとセルビ・ウォージントンのコンビでつくられた、はたらきもののくまさんシリーズ。
なかでも『パンやのくまさん』は子どもも私も一番のお気に入り。
朝はやく起きてかまどに火をいれる。その火をいれる間にお茶をのみ、それからパンの生地をつくる。
パン生地をねかしている間に、本式の朝ごはん。
パンをつくる道具にかこまれながら、朝食をとっているくまさん。店とパンをうる車、この2つがくまさんのはたらき場所。
定まった場所と動く場所――なんてすてきなはたらき場所だろう。
仕事が終わると、食事をとり、一日の稼ぎを数え、ぐっすり眠る。
健全で整った生活は、まるで小さい人たちの生活のよう。
だからこそ、子どもたちはこの仕事と生活が描かれた小さな絵本が大好きなのだと読むたびに思う。
そして、パンやケーキがでてくるページでは、「いっこたべる、これたべる」とぱくりぱくり口にはこび、絵も味も堪能しているのだ。

2004.02.18

装丁

カバー染色画 制作 栃折久美子
     用紙 ルミナホワイトRC
     染料 ネオザポン(ドイツBASF社)
     溶剤 アセトン・ラッカーシンナー・エタノール
    補助剤 天然ゴム糊
『森有正先生のこと』栃折久美子著 筑摩書房

装画 瀧口修造
装丁 緒方修一

使用文字 ニュー精興社タイプ9.5ポイント
本文用紙 オペラクリーム・A版T目43kg
挿図写真 リサイクルマット100・菊判T目62.5kg
  カバー OKミューズガリバーエクストラ・ナチュラル・四六判Y目135kg
   表紙 グムンドカシミア・白・T目62.5kg
 別丁扉 こもん・白・菊判T目62.5kg
  見返し グムンドナチュラル・樹皮・T目80kg
    帯 OKミューズガリバーエクストラ・アイボリー・四六判Y目110kg
『本は生まれる。そして、それから』小尾俊人著 幻戯書房

2004.02.17

松浦弥太郎

この人の名前をはじめてみたのは、ロイス・ローリーの『サイレント・ボーイ
表紙に松浦さんの言葉が印刷されていたのだ。帯のない本でその言葉が印刷されていることに、潔さを感じた。
『最低で最高の本屋』は、今日図書館で見かけて借りてきた。いま読了。
晶文社の『就職しないで生きるには』に啓発され、「生活と仕事のライブラリー」という地に足のついたシリーズ名でだす1冊め。編集やデザインの仕事を数多くこなされてきた方らしく、シンプルでセンスある装丁。高校中退の自分がどうやって好きな仕事を仕事にするために生きてきたかが、重苦しくなく静かに書かれている。私もこれからのことに少しヒントをもらった気分。

2004.02.14

あしながおじさん

坪井郁美さんの訳の『あしながおじさん』をいつか読みたいと思っていた。
今日、福音館古典童話シリーズをまとめて入手し、そのなかの1冊であるこの本を読了。

個人的嗜好で、手紙の物語がすごく好き。自分自身が手紙を書くことが好きなせいもあるのだろう。いきいきとした文章で語りかける手紙文は読んでいて心がくすぐられる。坪井さんの訳文は、あしながおじさん宛に書く手紙にぴったり。ラストは知っているけれど、最後の最後まで手紙だったんだとあらためて知った。孤児院の生活から一転して、大学生活をおくれることになった喜び。いままで何も知らずにすごしていた18年間をとりもどすかのように、読書をし学び、そして小説を書き、手紙を書くジュディ。私も一緒に彼女の生活をぞんぶんに楽しんだ。
つれあいが、たくさん入手したので、どれから読むのと聞いてきて、『あしながおじさん』からとこたえると、「らしい選択だね」と納得していた。私が手紙を書くことが好きなのを、彼はよく知っているのだ。

2004.02.13

アイルランドの民話

青土社からでていた『アイルランドの民話』(ヘンリー・グラッシー編・大澤正佳・大澤薫訳)を、月にいちど、読んでいただいている。耳から入る民話は心地よく、時に「ん?」と思うようなものもありながらも、おもしろいものが大半を占めている。今月は2つ読んでいただき、そのひとつが「足を洗った水」。出だしはこんな風に。

むかし、田舎ではどこの家でもみんな必ず足を洗ったもんです。今でもそうですがね。それで、足を洗った水は必ず捨てなければならない。汚れ水を家の中に置いといてはいかんのです。年寄りはよく行ってましたよ。足を洗った汚れ水を捨てずに家の中に置いとくと、災いが家の中に入り込んで来るとね。

残念ながらこの本は現在品切れ・重版未定。次から次へと続く語りの民話を楽しめるこの本が、いつか復刊しますよう。

ファブリック・コレクション

いま一番惚れ込んでいる本。
大英博物館に所蔵されいているものからセレクトしたもの。
いまのところ全6タイトル。いまのところというのは、新刊を作成中らしいのだが、なかなか仕上がらないらしく、1年以上のびているらしい。「むこうの人はゆっくりで……」と編集の方がおっしゃられていたが、いえいえ、こんな上等な本をつくられるのですもの、時間はかかるでしょう。
当初予定していたのは、ファブリック・シリーズだけなのだが、「こちらもいいですよ」と『1000PATERNS』を紹介された。どちらも原書は英国。
paternsの本は、手仕事から工業ワークになっていく過程もみえてくる。
いずれの本もため息がでる美しさ。至福。

2004.02.07

すべてのものに季節がある

The Every Thing There Is A Season (1977)
『冬の犬』アリステア・マクラウドの最初におさめられた短編。

聖書の言葉を思わせるタイトル。あらゆる形容詞をのぞいて、簡単にいうと冬、クリスマスを過ごす家族の話だ。父親が病気で一家の精神的柱は外で生活している兄。その兄がクリスマスに帰省した。「私」の語りで、物語はすすむ。なにをもってして、いや、どんなきっかけで成長を感じるのかはさまざまで、「私」にはサンタ・クロースだった……。

気持ちやまなざしをなぞるだけのように見えて、ぎゅっと人生を凝縮している。
具合のよくない父親が言う。

人生の「よいこと」をできるかぎり手放さないようにしっかりつかんでおきなさい。

2004.02.06

湯たんぽ

ちぃちゃんを自宅で産むことになったとき、私もつれあいも、子どもが生まれたらお湯とかわかすのかしらと思ったのです。助産婦さんにお聞きすると、いまのお産では、生まれたばかりの赤ちゃん自身も疲れているので、産湯に入るのも一日たってからの方がいいと。お湯をわかしたりする必要はありませんよ、と。
なるほどと納得。
出産が11月だったので肌寒く、私たちは湯たんぽの準備だけはしました。寒くならないように、産まれてから、やっぱりお湯はわかしたのです。産まれたのはお昼。夜、ねむる時には、枕もとには、まだおっぱいが開通していないために、白湯と漆のスプーンを置いて。

今日は寒いから湯たんぽつくろうと、つれあいの言葉で思い出したこと。
そのちぃちゃんも2歳をすぎ、湯たんぽをみて、「なにこれ?」と言っています。

2004.02.05

本の景色

今日届いた、「月刊みすず」の表紙写真がすごくよかった。
潮田登久子さんの写真。
本の景色と題されたそれぞれの写真は、ただただ本なのだが、表紙だけだったり、虫喰いのような紙だけだったり、そっと1冊だけの背表紙だったり。ものいわぬ本たちの存在がリアルに感じられ、いまにもそこから出てきそうだった。やぁ、などと言いながら。
この写真がまとめられて、本になりますように。

ヘレン・ピアスの写真絵本

童話屋からでている、「ねずみのほん」。
写真絵本で、『よかったねねずみさん』、『ねずみのともだちさがし』、『ねずみのいえさがし』の3冊がある。

この絵本も一番上の子が小さい時から読んでいるので、かなり読み込んでいる。
今晩もこれを読んだ。ねずみが、住む場所をさがしてここはどうかな、ここはどうかなと動いている。ともだちがほしくて、この動物はどうかな、どうかなと動いている。そのともだちと、今度は新しい家へ。小さいねずみが愛らしく、テンポよくすすむこの小さい絵本を、我が家の3人、みな大好き。3冊読んだのは、すこしだけ久しぶり。やっぱりいいなぁと思いながら、4人みんなで楽しんだ。

2004.02.04

2冊

今日読了するとは思わなかった本。

日常の地平から』長谷川宏著 作品社 装幀・桂川潤
 予備知識なしに読んだ本。読んだあとに、偶然リンク先の紹介を読んだ。エッセイ。哲学者であり、塾で小学生の子どもたちに勉強を教え、ヘーゲルの原書を翻訳するという。夏には長い合宿も開催し、その話がおもしろかった。夜更かしをする中学生にどう規律を伝えるかという、子どもたちだけの会議。前の年に夜更かしした中学生は、次の年に反省した、さて、その反省はいかされたか、などなど。
 
 古典読みには挫折はつきものというエッセイでは、こう書いている。

重ったるく、うっとうしく思えるのは、古典とゆったりつきあえるだけの精神のゆとりがこちらにないからだ。そんなときは古典に近づかないのがよい。古典を敬遠するに如くはない。古典を棚上げして、必要なことや日常の雑事や気がかりなことをしかるべく処理するのがよい。

七人の魔法使い
 今回図書館への返却期限がせまり、次に予約も入っているのでどうしようと思い、読み始めたら一気に読了した。力量ある作家だと思う。原書で読むと、言葉遊びやこめられた意味がもっと楽しめるのだろうと思わせる。人がよくかき分けられているなぁ。なるほど、と裏切りのあるラスト。amazonに読者レビューは★5つ。いまのところbk1には書評0。この差はどこからか。amazonのレビューで、壮大な兄弟げんかとあり、納得しきり。大げんかなのだ、これがまた。

2004.02.03

ナナカマド Rowan 山の淑女

くったくたに疲れている時は、詩集、画集、写真集。

ケルトの木の知恵』は、ケルトの木の暦にそって、美しい樹木が写真で紹介されている。今日は2月3日、1月21日--2月17日は第2の月とよばれる。ケルト人の木のアルファベット(オガム文字)から個々の樹木をみていく。この月はナナカマド。赤いナナカマドをみたことはあるけれど、白くふっくらとした花は、この写真集ではじめてみた。やさしい感じのする花だ。北欧やアイルランドの神話では、最初の女性はナナカマドから生まれたとされているという。木の神秘や、癒しなど、「木の知恵」が語られている本でもある。

豚レバーのマリネ

いつものごとく「きょうの料理」から。これは2004年1月号のレシピより
レバー大好き、マリネ大好きなので、きっとこれは私は好き。しかし子どもはどうかなぁと思いながら、ためしに、数週間前に少しだけ買ってつくったら大好評。そこで今晩も。
豚レバーを塩少々ふりかけ、牛乳につけ、小麦粉、カレー粉でソテー。その後、スライスした玉ねぎ、人参を千切りしたものを炒めて、レバーとあわせ、レモン汁、塩、粒マスタード、しょうゆであえる。
んー、美味。
ちぃちゃんもぱくぱく。

2004.02.01

ノルウェーの昔話

なんどもなんどもくり返し読んでも飽きないものが、昔話。
そのなかでも、北欧の昔話はとびっきりおもしろいものが多い。
『太陽の東 月の西』もそう。福音館からでた『ノルウェーの昔話』も、新刊でうれしい昔話集。
やはりアスビョルンセンとモーが編纂したものから34話はいっている。
先日書いた絵本と同じものが「ふとろうと山に行く三匹のヤギのドンガラン」
昔話は再話した人によって、もっている雰囲気がかなり変わる。
大塚勇三さんの訳した「ドンガラン」は、「がらがらどん」より、少しゆったり。
最後は「ちょきん ぱちん すとん」で慣れ親しんできたのだが、こちらは、「トントン、カラリ、トンカラリ」
うん、これもいいなぁ。

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