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2004年3月

2004.03.26

詩集

数年前に「なにかオススメの詩集はありませんか」と、とある人に聞いて教えていただいたのが『モー将軍』。
税別2200円という詩集を何かでもらった図書券と現金で買い求め、つれあいにもみせると「いい買い物だね」と言ってくれた。帯にもあるように「あとがき」で詩人はこう言っている。

司馬遼太郎さんがどこかで、幕末までの日本には「絶望」という言葉がなかった。だからひとびとは「絶望」というかわりに、「困った」と言っていたと書いています。

詩人は、この詩集を読んで「困った」という呟きを聴きとってほしいと願っているようです。が、しごくまっとうな正当派の詩集を読むと、「困った」よりは「うーん、いい」という呟きが読み手の私やつれあいからこぼれでます。

モー将軍 まず始めに記しておきたいのは
あなたが草を食むときのあんなに優雅な顎のこなし
首筋に一本優れた幹のような頸動脈があらわになって
あなたがゆっくりゆっくりと咀嚼するたびにぼくたちは
地球が回っていることの確かな手応えを感じたものです

『モー将軍』より「モー将軍」一部引用

2004.03.24

お味噌汁

子ども春休みが今日からはじまった。
さっそく運動靴を忘れてきたので、朝から学校に行ったりしながら、お昼は日本そばにしようと思っていたのに、スパゲティがいいという。インスタントのポタージュと、バジリコスパゲティをつくる。オリーブオイルはここでも活躍。
夜はひじきとにんじんの酢飯と、大根とツナサラダ。そして小松菜のお味噌汁。
スーパーの小松菜売り場で、「みそ汁をつくる時は、必ず小松菜を固めにゆで、汁椀にいれ、そこにみそ汁をいれてください。うまいです。」と書いてあった。ほぼその通りにすると確かにうまい。ということで、それ以来、先にゆでるようにしている。このスーパーが品物に書いている一口レシピは本当にどれもこれもうまいので信頼は大。

ロマン・ロラン

『本は生まれる。そして、それから』に『ロマン・ロラン全集』の出発の頃という章がある。これによると、第一回配本として準備していたものは、検閲により出版不許可になったという。現在、みすず書房からこの全集すべてが入手できるようにはなっていない。一部は可能だ。そこで図書館で全集第1巻の『ジャン・クリストフ』、伝記でミケランジェロとガンジー、書簡集を1冊借りてきた。ロマン・ロランをはじめて読んだのは『魅せられたる魂』。今江祥智氏から、若い時はこういう長編を読んだらいいとすすめられ、全巻岩波文庫で購入して読んだのだ。あれは高校生の時。同級生にもすすめて、親しい友人の間で『魅せられたる魂』を熱く語りあった。まずは、ガンジーから読んでみようと思う。

2004.03.22

くも

いつか欲しい本"Spiders"
きっと子どもが喜ぶだろうと思う。私は見せてもらったのだが、それはそれは大きく写された蜘蛛にちょっと引いたりもする。でも、やっぱりきれいと思う気持ちが勝り、いまや欲しい本リストのトップ。

今日インストールしたソフト:
CMN。これにココログを巡回できるエクステンションを組み込むと、表ではリンクしていないけれど、いつもみる所も見逃さずにすむ。新しいソフトは使えるまで少々時間がかかるけれど、できると快感。

絵はがき

つれあいが無料DNSの設定をした。
そこからきたメールがとてもよくて、うれしくなった。つれあいは、「さて、気に入ったら何を送れと言ってるでしょう」とクイズで私に聞いてきた。いくら言っても当たらない。
答え:
「お願い」の一文に、このサービスが気に入ったら「絵はがき」を送ってくださいとあるのだ。絵はがきですよ、絵はがき。この答えに意表をつかれた。いま、どれを送ろうかと思案中。

2004.03.21

ピッピ

こんにちは 長くつ下のピッピ』は、縦書きで、ピッピが生まれた国オリジナルの絵本。あったかい午後、狭い我が家の縁側で、子どもたちに読んだ。「おもしろーい!」「髪の毛の卵がついているところがおもしろかった」などなど言っていた。

庭で穴掘りにせいを出して疲れた子どもを夕方寝かせた。ついでに私も一緒に寝た。
寝ている間に、つれあいが夕食をせっせとつくってくれた。
しめ鯖はいつもながらの絶品。つくりたては本当に美味。ありがとう、つくってくれて。
ほかのおかずは野菜いため、庭に芽吹いたふきのとうの天ぷら。春の味だった。ホームセンターで買ったふきのとうがようやく増えてきて、はじめての収穫。ひろごもあさつきも葱もみえてきた。パセリは今年も健在の様子。

2004.03.20

ギルガメシュ

読んでみたい

2004.03.18

オリーブオイル

昨年、美味しいオリーブオイルを教えていただいた。
オルチョサンニータがそれ。
刺身にとろっとかけても、ドレッシングにしても、炒め物につかっても美味しい。
先日1本を使い切り、購入した。
今日はおみそ汁(豆腐と油あげ)に、オリーブオイルで炒めた長ネギをいれてみた。んー、美味。
おかずは、ほっけの干物になすの炒め物、きゅうりと大根の浅漬け。

2004.03.17

会議

今晩は子ども会の総会。これでひとつ役員の任期が終わる。新旧役員以外で総会に出席したのは、半年前に引越されてきたという子どもさんのおじいさん。子どもさんの名前をきいても、「おらはよくわかんねえなあ」とニコニコ。総会に来ていた小さい子どもを「めごいなあ」とニコニコ。決まったことがらは「すまんけど、帰ったら息子(子どもの父親)にみせるで、書いてくれ」と隣の人に頼んでいた。総会の最後に何か質問はという問いに「なんも文句はねえけど、誰かおらの顔、今まで見たことあっか?」と聞いていた。うーん、実はその場の人みなはじめて会う人だったのだ。
年度末、こうしてひとつずつ会議が終わっていき、とにもかくにもほっとする。

本は生まれる。そして、それから

とうとう読み終えてしまった。
ここでも何度か引用したりでふれてきたを読了。
みすず書房を創業された方で1962年から2000年にかけて、書かれたり話をされたものを集め、編集されたもので、ふるえるような文章が随所にあった。
著者自身の言葉、引用されている言葉、いずれも深い示唆に富む。
丸山眞男氏の言葉が特に多いのだが、氏が福沢諭吉研究に引用したスピノザの言葉。

「平和とは闘争から免れていることではなくして、性格の強さから生まれる一種の徳性である。ただ奉仕することに汲々として家畜のように導かれるままになっている臣下の無気力によって静穏が保たれているような国家は、一般に国家というよりは荒地と呼んだ方が正しい」

2004.03.15

甘い味

引き続き、だるさが続く。のどが乾く。ふぅ。
疲れも抜けず、甘いものが食べたくて、夕食がぜんぶ甘い味になってしまった。
大豆と豆腐の親子炊きも、甘い。手羽中も唐揚げも甘辛のたれをつけ。おみそ汁の具もさつまいもとわかめ。
子どもたちは、おいしいなあとパクパク食べていた。
大豆と豆腐の親子炊きは、はじめてつくったので「これ、またつくって」とリクエスト。了解。

最近届いた美術書:
アトリエから戸外へ』ほか2冊
ぱらっと見ただけなので、じっくり読むのが楽しみ。どの本も表紙、色が美しい。
ジェイムズ・アンソール作《仮面にかこまれた自画像》が印象に残る。

2004.03.14

アボガドとひじき

風邪をひいてしまった。だるさもつのり、熱もあり頭がぼうっとする。こういう時は、物事もあまりうまくいかないなあ。
夕食は、後かたづけが楽なようにミートスパゲティと、サラダ。ポタージュスープはクノールのインスタント。
いつもの「きょうの料理」よりアボガドとひじきのサラダをつくる。他の材料は玉ねぎスライスと豆。ドレッシングはオリーブオイルとワインビネガーなど。風邪のおかげで味覚があまりないので、とにかくレシピ通りにつくる。アボガドもひじきも好きなのでつくってみたかったのだ。ドレッシングの味はよくわからなかったが、食感はよかった。玉ねぎのしゃりしゃりとアボガドのクリーム感がよくあっていた。

今日、図書館で借りた本:
完訳マザーグース』ほかもろもろ。
マザーグースは、楽しいものももちろんたくさんあるのだが、時折ぞくっとするのがある。

2004.03.13

干ししいたけ

奥薗壽子さんは、常々干ししいたけは戻さず使うというのが持論。いつか試そうと思いつつ、ついついもどしてしまう。ようやく、筑前煮レシピで試してみたのだが、すごくおいしくできた。手間をかけておいしくつくるのもひとつ。こうしてちょっと工夫してつかうのもひとつ。料理は楽しいな。

読了本

ペーターという名のオオカミ
予想外によかった。

『指を切る女』
『図書館の神様』

2004.03.12

メール

平日、つれあいの帰宅が遅いので互いに伝える必要のあることをメールするようにしている。覚え書きとして。今日読んでいた本で、伝えたい引用があったので、「ひとやすみの時にでも」とメールした。

詩はリルケもいうように、経験の産物でなくてはならない。1行の句のなかにも、詩人が見たいくつかの憂い、生活体験の結晶が岩塩のようににじみ出る。魂が一つのものとして静かに語るのだ。詩が詩でありうるのは、この象徴性によってである。
いま読んでいる『本は生まれる。 そして、それから』より

返信:
共感があるのは、既にその事を知っていたから。
まさしく、経験の産物として内にあるのだね。

2004.03.11

鈴木三重吉

『アンデルセン童話集』(アルス)には鈴木三重吉による「アンデルセンのこと、なぞ」という文章が冒頭におさめられている。
アンデルセンの生涯などにふれたあと、自身の翻訳について、12話中半分は、翻訳というより再話だとことわっている。
そして、こう最後をしめた。

ほんやくも、子供に分る言葉のみを使つて、しかも原作の感触をまで出すことは、しょせん、むつかしい一つの芸術でなければなりません。

読了本

『木曜日に生まれた子ども』
『(ふつうじゃない人をめざした)シーダー・B・ハートリーのまるきり嘘ではない話』
『アンデルセン童話集』(アルス)
・母・秘密・一本足の兵隊・天使・あひるの子・かがり針・まっち売りの少女・鴻の鳥・マイアの冒険・五十銭銀貨・赤井お馬・「年」の話
『ママは行ってしまった』
『ヴァーチャルウォー』

2004.03.10

今日の夕食

ねぎと豆腐のスープ
細葱が大好きなのだけど、ずっと高かった。1束200円くらいしていたのだ。それが先週から78円とか98円になり、ほくほくと買い物カゴにいれた。
そこで、つくってみたかったねぎと豆腐のスープ。ねぎはふつうの長ネギとしょうがとにんにくをみじんぎりにし、ごま油でいため、絹豆腐も手でくずしていためる、次に、お湯やらお酒やら鳥がらスープの素などをいれて、最後に細葱をじゃかじゃかっとかける。「きょうの料理」の2月号より。美味でした。
参考献立として載っていたのは、大根と豚肉の煮物。ということで、こちらは圧力鍋で中華風につくり、ホウレンソウのごま酢あえとあったのは、高かったので、昨日つくったポエム奈のおかか醤油味に、ゆで卵とツナをいれてサラダに。水曜日はつれあいが早く帰宅するので、家族で食べる。スープは大好評でおおめにつくったけれど、子どもたちみなおかわりし、大人のおかわりはなし。またつくろうっと。

2004.03.09

アルス

北原白秋が編集にかかわったアルスの日本児童文庫。
図書館にもないので、ごくわずかしか読んだことがないのだが、日本語がほれぼれするほど美しい。
昨日は『西洋冒険小説集』と『アンデルセン童話』の2冊を読んだ。
『西洋冒険小説集』には、全250ページに5作も掲載されている。むろん、40から50ページに縮めているのだ。完訳を読んだことのあるのは、ドン・キホーテだけなのだが、岩波文庫で全6巻のこの大著がわずかこのページにおさめ、薄まっていないことはすごい! ほかに「ゼラールの冒険」(コナン・ドイル)、「フロリゼル殿下の冒険」(ロバート・ルイス・スチーブンスン)、「寶窟探検記」(ライダー・ハガード)、「ロビンスン・クルーソオ漂流記」(ダニエル・デフォー)。
どれもほんとうに「冒険」だった。ハガードの作品は『ソロモン王の洞窟』としていまも文庫で簡単に入手できる。かくいう私ももっているが未読だったのでさっそく読もうと思っている。この本のあとがきによると、ハガードは、スティブンスンの『宝島』に対抗意識をもやして6週間で書き上げ、売り上げも『宝島』をしのいだという。当時文学界話題の『宝島』を、いまから120年ほど前の話。そして、コナン・ドイルは、「ハガードをしのぐような歴史小説を書きたい」とはげしい意欲を見せたという。

2004.03.06

木曜日

木曜日に生まれた子ども』を読み始めた。
私は木曜日生まれ。つれあいにも何曜日生まれか聞いてみると知らないという。
では、と調べるとなんと日曜日。いいなあ。
マザーグースによると、日曜日に生まれるのがとても幸福そうなのだもの。いえ、木曜日生まれでも幸福ですが。

2004.03.05

常備する食材

ふと考えてみた。常備している食材を。
じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、ねぎ、しょうが、にんにく、卵、牛乳、納豆、豆腐、油あげ。
冷凍庫にないと不安なもの。
ひき肉(主に豚)、鶏肉(主にむね肉)、豚肉の小間切れ、鮭の切り身。

3月は年度末で子どもがらみの役員会(今年度所属組織が5つあるので)が毎週数回ある。昨晩はとうとう夕食をつくる時間がなくお茶漬け。
しかし、彼らはとても喜んでいた。シチューをつくる予定だったのだが、そんなことはすっかり忘れてくれてほっとした。
なので、今晩こそシチューが夕食メニュー予定。今日も役員会だが……。

2004.03.03

ひな祭り

ローオイルパエリア
根野菜スープ
ポテトツナサラダ
鯛のお刺身
はまぐりの酒蒸し
うどときゅうりのサラダ

ケイちゃんは毛糸に大きなビーズを通したネックレスをつくってくれました。
ちぃちゃんは、鯛のお刺身が気に入り自分の分をすぐに食べ終わり、誰かのをもらおうとずっとねだっていました。
シュウちゃんはバクリバクリときれいに食べました。
つれあいはパチパチと写真を30枚くらい撮っていました。

熱い書評本

bk1でレビューを書いたことがきっかけで、この本の企画に参加させていただきました
さて、私はどの本を書いたでしょう。発売は4月12日
熱い書評から親しむ感動の名著』(すばる舎

2004.03.02

新聞

昭和10年代に、京都で1年あまり続いた小新聞(隔週刊)に「土曜日」というのがあったそうです。(月刊「みすず」3月号・長田弘〈憩ひと想ひの午后〉より)
巻頭言がすてきです。

「『土曜日』は人々が自分達の中に何が失はれてゐるかを想出す午後であり、まじめな夢が瞼に描かれ、本当の智慧がお互に語合はれ、明日のスケジュールが計劃される夕である。」

この「土曜日」には28歳の淀川長治の文章も掲載されていたとあり、「失はれた地平線」がいかに楽しかったかを彼が書いています。日中戦争が本格化し、発行人が検挙され、「土曜日」は停刊に。
第一号が二千部、次第に評判になり平均四千部、多い時には七千部、八千部までいき赤字なしの新聞――すごい。新聞がでる日には、「本日『土曜日』出来」と街の喫茶店に貼り出しがでるようになったとも。すごい、すごい。

いいな、こういう新聞。「自分達の中に何が失われているかを想い出す午後」を求めての新聞。
ちぃちゃんが生まれてずっと休んでいた家族新聞をまた出さなくちゃ、書かなくちゃ。

2004.03.01

気持ちのひきだし

きちんと説明を添えていないのだが、ブログにリンクさせてもらっている方々はみな読書家。みなネットで知り合った人で10年以上のつきあいの人もいる。そのリンクさせていただいてる、Blue Boxを読んで気になった本、光原百合さんの2冊を読了。あらすじは、Blue Boxをば。
アマゾンでこの作家の作品は、北村薫や加納朋子が好きならばはまるであろうというレビューがついていた。なるほどと納得。『時計を忘れて森へいこう』は、まさに北村薫の女子大生の「わたし」と円紫師匠の名コンビを彷彿させる。そしてどちらも、人の悲しみの核をミステリというものに覆わせて気持ちをほぐしてくれる。小学生の思いで話をする護さん。クラスのひとりが「大きくなったら大人になりたい」と言ったエピソードを翠さんに伝える。笑顔がこぼれた翠さんに、その「大人になる」ことを望んだ小学生の背景を語る。なにげない言葉のみえないところにある物語は、ちょっと切ない。私にもそんな話を聞いたことがある――読んでいくと、そうやって気持ちのひきだしがどんどん開けられていくようだった。『遠い約束』も、『時計を忘れて森へいこう』と同じ空気が流れている。関連性のない2冊だが、登場人物の語るトーンが静かなのだ。大事なことも、ささいなことも声高ではない。『遠い約束』にでてくるひとりが言う「本格推理小説っていうものにはな、綺麗な解決が何より大切なんだ」
ほぐされている気持ちのやり場に少々とまどいながら、綺麗な解決をたっぷり楽しんだ。

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