ミケランジェロ
桜がどんどん開花している。
『ミケランジェロの生涯』(ロマン・ロラン)の冒頭に、著者が「勝利者」(ミケランジェロ作の大理石像)について語っている。勝利者の像は、勝利を望んでいない――。
悩みは数限りなくあり、その形もさまざまである。貧困、病気、不当な運命、人間の悪意、などというものの、抗い難い暴力によって与えられることもある。また、人自身の実体の中にその源を持っていることもある。その場合にも悩みは少しも痛ましさに変わりはなく、避け難いことにも変わりはない。なぜなら人は自分の実体を自ら選びとったのでもなく、自ら生み出ようと望んだのでもなく、また今在るような者になりたいと望んだのでもなかったからである。
時々、書物からいまの自分を見透かされているような気持ちになる。
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