ルピナスさん
子どもたちの通う園には小さい人たちが世話をするには、大きすぎるほどの畑がある。その脇に細長い紫や赤っぽいピンクの花が咲いていた。その隣の家からこぼれた種だろうか。そこの庭は細長い花がいちめんに咲いていた。毒がある花かな? なんで? いや毒じゃない、たけのこみたいだから、たけのこの花だよ――という会話を交わしているうちに、私もその花の名を知りたくなった。ピンぼけになってしまった小さい写真を、BlueBoxさんにみてもらうと、すぐさま教えてくださった。「ルピナスだと思いますよ」 きゃあ、これがそうなんだ! とあらためて「ルピナス」で検索していくつかのサムネイルをみてみると、そうです、これです。ありがとうございます、BlueBoxさん。この方のサイトにはいつも美しい花が飾られていて、きっと教えてくださるに違いないと思っていたのだ。うれしい! さて次は子どもたちと、「これはたけのこの花ではありません、ルピナスです!」とおもむろに絵本『ルピナスさん』を読む。子どもたちはお話はもとより、花の絵に夢中。あぁ、これだぁと何度も見入っていた。話の筋そのものは、大人の方がすっと入ってくるのかもしれない。ミス・ランフィアスの背筋がぴんとのびたような人生が描かれ、世の中を美しくするために何かすることという、自分もおじいさんとした約束を、今度は姪っ子という次の時代に伝えていく。子どもたちは美しく描かれた花をみながら、ミス・ランスフィアスの話を聞いていた。この絵本の原題は"Miss Rumphins"ペーパーバックスの方はまた違う表紙)日本でルピナスはノボリフジ(昇り藤)ともよばれているそうで、私も実際に畑のそばに咲いている花をみると、こちらの呼び名の方がしっくりする。
コメント