随筆随談
小沢昭一――百景が刊行中。ラジオを聞いている方なら、一度ならずとも「小沢昭一的こころ」を聞いたことがあるだろう。その軽妙な語りを文字にしたものがこの選集。日常的に使用している私の車にはカセットテープとラジオしか聞けず、フルタイムで働いていた時はもっぱらラジオを流していた。チャンチャチャン♪といつもの音楽がなり、小沢昭一の声が流れてくると、耳がぴくりとした。いつも同じ人を題材にしているので不思議に思ったところ、つれあいがあっさり「知らないの?あれは創作だよ」と教えてくれた。なんだ、前から知っていたのね。ラジオの時間帯が変更になってからご無沙汰していたが、この本を開いて久しぶりに声を聞いた気分。随筆という言葉は知っていたが随談というのもあるのだなぁ。ただしゃべるだけでは人は耳をそばだてない。そこに物語や人間がいるから楽しくなるのだろう。ごちゃごちゃもしゃもしゃ、そしてスケベだから人間はおもしろい。
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