ごんごん
『怪物ガーゴンと、ぼく』、よかった。怪物ガーゴンはぼくの叔母、ほんとの名前はアニー。引きこもりがちのぼくの教育係になってくれた。両親がほとんど本をよまない家庭の中、アニーおばさんは、詩を読み、会話の中でシェイクスピアを引いた。作者自伝のこの作品の中では「ぼく」の創作話を織り交ぜながら、アニーおばさんが語られる。挿入された物語もシャーロック・ホームズがでてきたり、登場人物も親しみ深い(?)。ほんとうの意味での大人に愛情をそそがれ、成長していく「ぼく」。そして大人になった「ぼく」は作家になった。『マイがいた夏』はいまの季節に読むのにぴったりの青春小説。この青春時代という顔を赤らめたくなる言葉が似合う時には戻りたくない、とばかり思ってしまう。『アグリーガール』はごりごりした女の子と、雰囲気ある少年の物語。ごりごりした女の子の外側をアグリーガールと自分で自分をそう呼ぶことで鎧にしている。この言葉を発する時、わたしはアグリーガール、というように。この鎧の感じがよく伝わってきた。こうやって周りとやりすごす時、確かにある。『それゆけ、フェルディナント号』ヤーノッシュの初期の絵はバーニンガムの初期の絵のように色がきれいだ。『二羽のツグミ』ヴィルコン氏の最愛の妻マウゴジャータさんに捧げられた絵本。短い解説で、この献辞の説明がされている。これがないとどうだったろう。『ちいさな赤いとうだい』リンド・ウォードといえば、『おおきくなりすぎたくま』をすぐさま思い浮かべるが、さまざまな手法でさまざまな本を描いている。でも好みは『おおきくなりすぎたくま』。
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