よい子ウサギは、いつもいいつけを守ります
「オンリー・コネクト」Iより。ジェイソン・エプスタイン、1963年の論文タイトルが”Good Bunnies Always Obey"。
「幼児の要求にあうように語彙、表現に考慮を特別に編集した」『ピーター・ラビット』のある新版では、パイはあらわれず、ピーターのベッドの上に、「よい子ウサギは、いつもいいつけを守ります」といういましめがかかげられている。(論文翻訳:渡辺茂男)
エプスタインは、本の商売は繁盛しているが、子どもたちは、専門家のすすめるものを読まない傾向にあるのではという意見を引用しながら、では、どこで一線を画すべきなのかと問う。つまり、上記にあげたように、ピーター・ラビットの新版と同じレベルで読むようにしたらいいのだろうか、と。
これは熟考すれば悲しく難しい問題である。そしてそれには、こんなことをしていたら子どもたちは成長することなく、ただ年をとるだけに終るかもしれないという危険性が含まれている。なぜなら、文学の鑑賞は成長の過程と似ているからだ。両者共に、自己と世界の間に存在する確たる相違点を発見することにかかわるものなのである。両者共にその目的は、自己の性格の特徴を具体的に認識し、成長させることにある。それだからこそ文学は人を興奮させ、そしてそれだからこそ究極的には人生と不可分なものである。
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■アーシュラ・ウィリアムズ「ジョニー・タイガースキン」読了(「子どもと本」1号-11号掲載)
すごくおもしろかった、満足。
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