近刊
配本予定日 2004/11/04
『ガンプ 魔法への扉』エヴァ・イボットソン 三辺律子訳 The Secret of Platform 13 by Eva Ibbotson (偕成社)
ガンプの扉は9年に1度、9日間だけ開く。むかし、ガンプというのはどこの国にもあった。地面がもりあがって草のはえた場所のことで、そこにある扉が上の世界へと通じる秘密の扉なのだ。〈島〉に住む人たちは、そのガンプの扉から上の世界へ時々出かけていた。平和な島、やさしくかしこい王様と女王様、そして赤ん坊。ガンプの扉が9年ぶりに開いた時、乳母たちは小さい王子をつれて上の世界へ行った……。
物語が耕されたよい畑のように、ふかふかと気持ちよく横たわっている。そしてそこに実っているひとつひとつに愛着がわいてくる。人のきれいな心と邪悪なものが対極的に描かれているのではなく、きれいな心がよりきれいにひきたつように描かれていた。9章の魔法ショーは何回か読み返したほど。コクのあるイギリスファンタジーです。
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