スモールさん
ロイス・レンスキーのスモールさんシリーズは最初の子どもが生まれた8年前からずっと我が家の人気絵本。運良く、復刊された時期もあり、そして『スモールさんはおとうさん』が久しぶりに復刊(福音館から童話館へ版元変更)して、手元にそろった。(残念ながらいまはまた入手できない本もある。)レンスキーが4歳になる息子とその遊び仲間のやりとりからスモールさんシリーズは生まれた。小さい人たちはスモールさんに同化しながらこの絵本を楽しむ。我が家でも、『スモールさんはおとうさん』を読みはじめると、これちーちゃんね、あぁ、この女の子が男の子だったらうちとまったく同じなのになぁと言いながら。人形遊びをしていると、「うちと同じだね」畑仕事をしていると、「あ、これできる!」と声があがる。シリーズで、スモールさんはヨットを操ったり、飛行機を操縦したり、多彩な活躍をみせるので、つれあいがよく「たくさんのスモールさんがいるんだなぁ」とおもしろがって聞いていた。レンスキーは、自分自身の子どもが自動車ごっこをする時に、本気で自動車を運転しているつもりになっている姿から、その興味にこたえる技術的な知識も盛り込んだ本をつくろうと思ったという。できあがったのが『ちいさいじどうしゃ』だ。そうして、スモールさんが初登場したこの絵本は1934年、いまから70年前に誕生した。邦訳されたのは1971年。彼女のつくった絵本への思いは我が家の子どもたちにもしっかり伝わっている。自動車や消防自動車、機関車の本はもうぼろぼろになるほど読んで楽しみ、いままた「おとうさん」の世界も楽しんでいる。
レンスキーの作品では"I Like Winter"、"I Like Fall"の2冊が、近くあすなろ書房よりさくまゆみこさんの訳で出るようだ。
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