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2004年11月

2004.11.30

昨晩はしんしんと冷え、お風呂に入って体ぽかぽかのはずなのに、すぐ冷え込んでさむーいと思って朝を迎え、カーテンをあけたら、雪景色でした。うそ、早くない!というのが第一声。子どもたちに、「雪だよ、雪だよ」と起こすと、「ひゃあー」「着替えたら、外で遊んでもいい?」とはいえ、雪合戦や雪だるまをつくるほどではさすがにないので、外に行ってもいいけど、まだ雪では遊べないのではと声をかけた。7時半くらいまで、ここらはしんしんと降っていたが、8時頃にはやみ、いまはほとんどとけている、ほっ。冬タイヤにかえなくちゃ。灯油の補充はこれからもっと必要になるぞ、と、冬に向けて、心の準備。今年は雪が多いか少ないかは、この時期、話題になりますが、カメムシが少なかったから雪は少ない、カマキリの卵も下の方にあったという人と、カマキリの卵が上の方にあったから雪が多いという意見とに分かれている。カマキリよりカメムシの方が当たるという話もあり、さて、どうでしょう。我が家のけいてぃー(家庭用除雪機)を買って以来、それほどの大雪にはあたっていないのだけど。買う前年の雪がすごかったのだ、つれあいと2人で8時間くらい除雪したことがあり、それにこりて除雪機を買ったのだけど。あ、そうだ、けいてぃーも点検しなくては。

2004.11.29

なにもかも話してあげる

なにもかも話してあげる』(ドロシー・アリスン 小竹由美子訳/晶文社) 『ろくでなしボーン』で自伝的長編を書いた著者が、「現実の体験とを明確に区別しておきたいというアリスンの思いが契機となって書かれた。」(訳者あとがきより) 苦しくすさまじい体験を、朗読パフォーマンス用に書いたものを下敷きした言葉で、アリスンの声がよりまっすぐ読者の心に入ってくる。家という閉鎖された中で繰り返される暴力の中で、アリスンが成長し物語を語らねばならなくなる姿に、ベタな言い方だが励まされる。

二つか三つ、知ってることがある。二つか三つ、たしかに知ってることがある。そのうちの一つはこういうこと。生きていくために、わたしは物語を語らねばならない。物語は私が知るたった一つたしかな、心にうったえて世の中を変える方法なのだ。

2004.11.28

おわりの雪

はじめて知る作家の本を開くときは、ほんとうに楽しみだ。今日、ポストに入っていたのは『おわりの雪』(ユベール・マンガレリ 田久保麻里訳/白水社)。まっしろくつもった雪の上をさくさく歩いてついた足音が言葉になったような、静かな小説。帯にも書かれている出だしはこんなふうに始まる。

トビを買いたいと思ったのは、雪がたくさんふった年のことだ。そう、ぼくは、その鳥がどうしても欲しかった。
この物語の中でトビの存在感はとても大きい。トビは、タカ科の大型鳥だ。この大きな鳥を少年は欲しくて欲しくて毎日店の近くでトビのそばにいる時間をつくる。父親は病気で家にふせっており、母親と3人で暮らす生活は、父の年金と少年が養老院で散歩の付き添いをすることにより得られるわずかなお金だけで、トビとその鳥かごを含めたお金を稼ぐにはそうとうの時間が必要でたやすいことではなかった。トビを売っている店の主人とはいい関係がつくれず、そのトビをどこで捕まえてきたかという、少年にとって聞きたい大事なことを、ひたすら自分の頭で想像する。父親は息子のトビの話を楽しみにしており、ひょんなことから、少年は自分でトビを捕る男の物語を語りきかせる……。
 さくさく歩いていく足音も時には止まり、時には深い穴に落ちるような錯覚を覚えるような描写がある。日本の作家でいうと、少しだけ堀江敏幸を連想した。このマンガレリはデビューしてからずっと児童書を書いていて、小説は10年たってから書き始めたという。この作家の書く児童文学もいつの日か読めるだろうか。

2004.11.27

絵本をいくつか

昨晩子どもたちと読んだ絵本、数冊について。

ミミズのふしぎ』(皆越ようせい 写真・文/ポプラ社)
 表紙のミミズの顔がすごいです。子どもたちと、わぁー、すごいー、などなどにぎやかに読みました。写真ってほんとすごい。ミミズの顔をまじまじこんなアップで見ることなんてないですもの。こんな顔してるんですね。あっちこっちにいるけれど、あっというまにするっとどこかにいっちゃうか、もうひからびてしまったのを見るくらい。うんちまみれのミミズがどっさり登場。卵を産むところはとっても美しくて、感動。ミミズの赤ちゃんもかわいいです。以前、複数の出版社がダンゴムシを題材におもしろい写真絵本をつくっていたけれど、この写真家もダンゴムシを撮っていたことを思い出しました。こういう写真絵本は何度読んでもあきません。

いいおかお』(文・さえぐさ ひろこ/アリス館)
 アリス館の編集部では、本ができたら必ず作者に読みきかせをするんだそうですが、これもその1冊なのでしょうか。こちらはいろんな写真家が撮った写真を編集して、さえぐささんが言葉をつけている写真絵本。どの動物もタイトル通り、「いい顔」してます。子どもたちはみながら、おんなじ顔をまねしてました。

『ベルベットうさぎのなみだ』(原作:マージェリィ・ウィリアムズ/文:ルー・ファンチャー/絵:スティーブ・ジョンソン&ルー・ファンチャー/訳:成沢栄里子/BL出版)
 石井桃子さんが訳された『ビロードうさぎ』(岩波書店/童話館)を短くまとめなおしたもの。はじめ、なぜ、すでに2冊もでているこの絵本を出すのだろうと思ったのですが、小さい子どもにもこの名作を読んでもらいたいという思いからきたものだということを、あとがきで知りました。元の言葉を残すようにもしたが小さな変更もしてあるとのこと。この絵本を好きになった子どもたちが大きくなったときに原作を手にとってくれると嬉しいと結んでありました。上の子どもは、もとの話は童話館版で読んでいるのですが、絵も物語も違うので、また別の話と思って聞いていたようでした。

最後に絵本ではなくノンフィクション
『100の美しい脳 アルツハイマー病解明に手をさしのべた修道女たち』 (デヴィッド・スノウドン 藤井留美訳/DHC出版)
 届くのを楽しみにしていた1冊。すえもりブックスのサイトで知りました。今年南アフリカで行われたIBBY(国際児童図書評議会)世界大会の総会で、末盛さんがお話された時に引用された本だという。

678人の修道女の人生と脳を対象に、老化を多角的に研究する――。1986年にはじまり現在も進行中の「ナン・スタディ」はアルツハイマー病研究に多くの成果をもたらした。若年期のすごし方が老年期にどう影響するのか、アルツハイマー病の発病と発症の不意一致の原因、さまざな老化を防止する要素。(見返し紹介より)
シスターたちは、そのほとんどが高学歴であり、生活形態もシスターゆえに皆、共通要素を多く含んでいる。過去の記録も整備されていることが多い、そういうことが、疫学的研究にはとても大事らしい。すべて結論がでていることが書かれているのではなく、研究途上ではあるのだが、少しずつわかってきたことが、丁寧に書かれ、加齢に対する示唆がいろいろあった。末盛さんがお話されたのは、子ども時代の読み聞かせは、後天的に学習する能力の中の2種類、語彙力と読解力を高めることに効果があるとというくだりのよう。実は、これを読んでからこの本の書評をいろいろネットで読んだのだが、そこにふれているものは見あたらなかった。どういう風に読みきかせについて書かれているのだろうかという興味が、この本を求めた一つなのだが、やはり子どもの本に関わる人が読んだからこそ、目に留まったところなのだろう。本全体では、疫学的研究方法、明らかになっていくわずかな事柄、シスターたちのかいまみれる人生が柱になっており、その部分はごくわずかなのだ。シスターたちは平均22歳で自伝を書いているのだが、その内容が前向きで、その意味する密度が高ければ高いほど、長寿を予見しているというのだ。「成人してまもないころの文章が、60年以上もたったあと健在かどうかを知る協力な手がかりとなっているのである。」
 読後、つれあいに、語彙力と読解力と前向きが大事らしいというと、ずいぶん簡単にいうねぇと言っていた。前向きというのもなかなか大変な時もあり、ですが。

2004.11.25

夕ごはん

みなみストアー、おすすめのサトイモを料理することに昨晩から決めていたので、いろいろ料理本みながら鶏もも肉、大根、こんにゃくとあわせて煮物だ!と思っていたのですが、もも肉がきれていたので、そぼろあんかけに変更。ほかに、冷蔵庫に残っていた、わずかのふくしん漬けときゅうりをあわせて簡単つけもの。ゆで卵とマカロニと人参のサラダ、納豆とじゃこのおやき。おみそ汁は小松菜(99円也)、五分づきごはん。つくる時間に対して、食べる時間はあっというま。納豆とじゃこのおやき(他に梅干し、青のりもはいる)は以前もつくって好評だったので、今回は前の倍つくるが、それでもすぐになくなった。茶碗洗いを終えて、子どもたちに絵本を1冊『ちゃぼのバンタム』を読み、さて、ほうじ茶のんで眠ります。

独楽吟

子どもが小学校に入学した時、夏休みの宿題に「俳句」が出た。ちっとも素養がない上に、懇談会で確認すると、学校で俳句はまだ教えていないとのこと。でも、17文字のふれあい、というキャッチフレーズでぜひ書いてきてくださいと先生が熱心に言うのだ。その時、「子どもと本」で橘曙覧(たちばなのあけみ)の「独楽吟」をひいて「たのしみは……のこと」という俳句をつくったことが紹介されているのを思い出した。これならできるかな、と息子に提案したのだが、すぐにはできず、なんとかかんとかひねりだした。それ以来いつか、「独楽吟」を読みたいと思っていたら、福井市の歴史をつくるまちづくりのサイトで、入手できることを知り、さっそく取り寄せを。おもしろいです。楽しいことを考える、そのことじたいが楽しみだということに、共感。では、一句ご紹介をば。読みたい本をひろげる時の楽しみは、いつの時代の本好きにも通じる。

たのしみは珍(めづら)しき書(ふみ)人にかり
 始め一ひらひろげたる時

2004.11.24

更新情報

みなみストアーにもブログを設定しました。こちらは、あんちゃんのオススメ野菜や果物を画像付きでご紹介していく予定です。あんちゃん自らによる、お店紹介やご挨拶をいただきました。明日のちらしもup!

みなみストアー

読了本

狂気』を読了。天安門事件がでてくると聞き、『待ち暮らし』の作者がどう書くのか興味をもっていた1冊だった。淡々とした描写の中にも、皮肉があったりして笑えたところもあったのだが、後半は話をひっぱる重みがずしりときた。教授が病気で伏せって、錯乱しさまざまな言葉を真剣に聞いている、看護者である若者の気持ちの波にひきずられながらページを繰った。後半の描写、そしてラストへ。次の作品は朝鮮戦争について書くそうだ。

2004.11.23

遅めの朝食

今日は久しぶりに目覚まし時計で起こされない休日。子どもが「明日は起こされないで、自分の好きな時間に起きられるんでしょ」とうれしそうにしたが、それは私も同じ。とはいえ、7時少し過ぎには目は覚め、洗濯だけ先に済ます。キムチの材料として求めたニラやセリが残っていたので、遅めの朝食として、『みうたさんの野菜たっぷりおやつ』より「にら焼き」を。ニラがレシピの分量に足りなかったので、それをセリで補い、じゃこと桜えびをいれ、小麦を水と塩でとかしたものとあわせて焼く。これまた久しぶりに休日に気持ちのよい晴れ間だったので、庭のテーブルで食べることに。飲み物を準備し、「にら&せり焼き」を子どもはケチャップで、大人は酢醤油にラー油をたらり。ちなみに、このにら焼きは、オルチョ、ごま油、なたね油の3種類で焼いてみた。どれも美味! 

モンゴルの昔話

モンゴルの昔話』は、こぐま社の刊行する「子どもに語る」シリーズの最新刊。1年と少し前に出ている『イタリアの昔話』以来のもの。版型も装幀もすっきりしてきれいです。15の話が収録され、我が家の子どもたちに「北斗七星の話」を読みました。一番上の子が「これ、『空とぶ船と世界一のばか』とおんなじだ!」と発見した喜びを口にしていましたが、昔話はほんとうに、あちこちでよく似た話があります。子どもたちは、聞くと、これと同じだと発見しては喜んでいるんです。あとがきで、モンゴルの昔話の背景として狩猟と牧畜の説明がされているのを読み、91年に旅した外モンゴルのことを思い出しました。個人ではなかなか便利な航空路がなかった時で、団体でチャーターされた飛行機の片隅にまぜてもらい、ウランバートルへ行ったのです。ナーダム祭を見るのがひとつの目的で、モンゴル相撲や草競馬を見てきました。ウランバートルではホームステイし、ゴビ砂漠でもガイドさんの友人ゲルに一晩お世話になってきました。ゴビ砂漠の思い出はやはり強烈で、飲んべえのお客様好きのモンゴルの人たちと、何を話をしたんだかたっぷり夜遊びし、太陽さんを拝もうと思っていた目的はあっけなく挫折。あの楽しかった旅の空気を思い出しながら、この昔話を楽しみました。

2004.11.21

キムチ

「きょうの料理」12月号に白菜キムチのつくりかたが載っていた。キムチヤンニョムの材料が、手に入りやすいものだったので、つれあいをそそのかす。「これ、きっとおいしいよねぇ」 しばらく読みふけっていたつれあいは「白菜、買ってくる」とさっそく準備。やった! 昨晩は私たちが寝静まったあと、下漬けをし、今日は、ヤンニョム(薬念=合わせ調味料)づくり。塩、しょうが、粉とうがらし、にんにく、いかの塩から、ねぎ、細ネギ、せり、にら、大根、りんご、甘エビ(殻ごと)、帆立。寒いくらいの日なのに、つれあいは額から大粒の汗をたらたらしながらつくっていた。とうがらしなどをさわっているだけで、ぷはーっと体が辛みによる汗がでてくるのだそう。いま、6袋つくって、発酵中。発酵そのものは、冷蔵庫(野菜室)で10日ほど、冷暗所で2~3日かかり、その後2日ほど冷蔵庫で味がなじませるそう。楽しみ♪ 私もヤンニョムを仕込む時点で味見をしたのですが、ほんとにぷふぁーーっと辛さが体にしみました。どんな味でできるかしら。(これを書いていたら、横からのぞいてはここが正しくないとだめだししてくれた、つれあいである)

蔵書管理

巡回しているCOULDのブログで、おもしろいサイト(Delicious Library)が紹介されていました。蔵書管理のためにiSightがバーコードリーダーとして活躍するとのこと、Macが欲しくなりました、いいなぁ。これを見ていると、バーコードリーダーっていいかも、と、Windowsでできることを探してみると、
 
 ◎私本管理Plus

 が、さくさく動いて気持ちよかったです。つれあいが、バーコードリーダーは壊れやすいし、我が家のように子どもが走り回り、ほころがもうもうとたつところ(^^;)では不向きだろうと。でも、このソフトはバーコードリーダーがなくても、使い勝手は気持ちいいです。でもあるともっとおもしろいだろうなぁ。1万円前後で入手できるようなので、いつか手に入れてみようとは思ってます。

 他に、検討したのが、

 ◎蔵書管理Personal

 ですが、我が家では上の「私本管理Plus」で充分かなぁ。

 Web上での本棚といえば、ブクログですが、これはちょっと重い。もう少しさくさくするものでは、G-toolsみたいで、少しひかれてます。まだ試してはいないのですけれど。でも、これらすべてamazonと結びつくのですね。ふむ。

2004.11.20

ジュディ・モードはごきげんななめ

ジュディ・モードとなかまたち1 ジュディ・モードはごきげんななめ』(メーガン・マクドナルド作/ピーター・レイノルズ絵/宮坂宏美訳)はとっても楽しい物語。3年生に進級したばかりの朝、ジュディ・モードはふきげん・モードでした。小さないろんな気にいらないことが積み重なり、なかなかふきげん・モードから、ごきげん・モードにならなかったのですが、担任の先生から、進級記念に特別なことをしようと、「自己紹介コラージュ」を提案されてから、少しずつほぐれていきます。元気なジュディの気持ちモードの切り替わりや、弟のスティンクがお姉ちゃん(ジュディ)についていこうとする様子、親友のロッキーのおもしろさ、変わり者のフランクはジュディ大好きで仲良くなりたいといつも近くにいて……と、この4人のやりとりが細かくおもしろい。ジュディのお父さん、お母さんもなかなか味があって、だからこそジュディがジュディなのね、と変なところにも納得。個人的には「オモディクラブ」の命名にすっごくリアリティを感じ、この章と最後の章がお気に入りです。手にじわっとくる感覚が本から伝わってきて、たまりません。さてさて、どうしてかは読んでのお楽しみです。

2004.11.19

みなみストアー

じゃじゃじゃーん!
みなみストアーのちらしについては、ここで何度も書いていますが、思いきって(?)、某編集Aさんに背中を押していただき、アイディアをいただき、みなみストアーさまから了承をいただき、HPを作成しました。幸い、minamistore.comのドメインも空いていて、無事みられるようになりました。まだ、昨日のちらししか入っていませんが、これから少しずつ、あんちゃんおすすめ品物やうんちくなどコンテンツを増やしていく予定です。バナーづくりをしだすと、あれこれはまってしまい、3つもトップに置いていたら、つれあいに、これはうるさすぎると言われたので、いまは1つにしてあります。
みなさん、みてくださいませ!

 ◎みなみストアー

2004.11.17

たのしみは

たのしみは友と飲むこと話すこと

ここのところ、楽しいことが続いていてたくさんたくさん笑って、ほがらかな日常を過ごしていた。るるん。娘の保育参観はつれあいと行ったのだが、父ちゃん子の彼女は「とーちゃんがいい。とーちゃんがいい」と、思い出した時だけ「かーちゃんでもいいよ」と寄ってきた。わらべうた遊びも、写真をとろうとする父ちゃんによじのぼり、私はひとりで遊んだ、ちぇ。そして彼女の誕生日。今年も迷い、家にあるおもちゃと重ならないもの、いま夢中になっている遊びなどを考慮しながら、決定したのは、お医者さんセット。たいそう気に入って、ごはんを食べる時も眠る時も近くにおいている。上2人のお兄ちゃんたちも、一緒に遊んでいるので、よかった、よかった。しかし、すぐにクリスマスも控えている。また考えなくては。

そして、久しぶりの1泊外出。父ちゃん子の彼らは「いってらっしゃーい」とさわやか。まぁ、時には母ちゃん子にもなるのですが。。。午前中の勉強を終え、次は楽しみ! アルバイト代の美味お酒をいただきに、某宅へ電車を乗り継ぐ。教えていただいた道順ですっすっと到着。準備中のホストさんがいそがしく働く中、すばらしい屋上を探索し、おもしろそうな本が山積みの部屋でひとりマンガを読みふける。中野シズカさんのマンガがすっごくおもしろかった。「アックス」を買おうかな。お客さまたちが次々とピンポーンと到着していくなか、ホストさまは、着々とうんまいものを美しくセッティングされたテーブルに置いていく。いしいしんじ日記であこがれをいだいていた「まるいち」の美しい魚たちが次々とおいしそうな刺身になっていく。うっとり。だんだんそろったところで、シャンパンがそそがれ、鶏ササミのオルチョ和えや、大根葉と桜エビ(?)の煮びたし、大根皮と油揚げのきんぴらをつまみ、まるいちの刺身に舌鼓をうつ。ゆずこしょうとお醤油(玄蕃蔵)で食べる、カレイ、カンパチ、アジ、ヤガラに幸福を感じ、カマスを塩レモンで食べると箸をおけなくなり、ずっと食べ続ける。シャンパンはあっというまになくなり、アルバイト日本酒3位から1位までに順に飲む。確かに1位はかくべつに美味でした。その後、すばらしい泡盛(久米仙)があけられ、国産のこれまたおいしいレモンをしぼったりしながら、ぐいぐい飲む。その間も、ふかふかのカマスの塩焼きをふはふは食べ、かいわりの塩焼きもしっかりつまむ。さりげなくでたカニの外子の酒と醤油漬けは、どのお酒にもあって旨い。わさび漬けや野沢菜や笹かもぼこもつまみながら、豚肩肉のハーブ焼きやチキンの丸焼きも食べます。ひんやり小さなアイスもおいしいし、某にせジェパイとよばれるおいしいデザートもでました。ホストさま友人のところでつくられたという新米のおにぎりはシンプルにゆかりでかけられ、あっというまに皆のおなかに入り、おみそ汁もほっこりする美味。パンに鶏ササミのオルチョやカマンベール、生ハム大根巻きをのっけても食べたのでした。このパンもおいしかったなぁ。話題は「電車男」の魅力から、駅伝、マンゾー先生、愛犬のお話と、どの話もおもしろく、時にじーんとしつつ、耳も口もいそがしく楽しかった。中学の頃だけ陸上をしていた私は、久々に走る時の感触を思い出しました。みなさまが帰られたあとに、ホストさまの結婚式の写真や新婚旅行の写真を見せていただき、ビールで長話。お風呂に入ってこてんと眠り、朝ご飯をまた豪華に、カンパチのお刺身、かいわりの塩焼き(でしたよね?)、おみそ汁、白いご飯、きゅうりにしそ、梅をあえたもの、そしてデザートにりんごをいただき、いってくださったお茶でひとごこちつく。みなみストアーちらし返しで、いろいろなチラシをおみやげにいただき、「四季の味」という食いしん坊にはたまらない雑誌を教えていただき、帰りの書店で手に入れる。おなかぽんぽんの私は荷物をまとめ、よぶと5秒で到着するタクシーで駅へ。そしてまた別の用事をすませて食べて(こんどはタイ料理。トムヤムクンがおいしかった!)、またもやおなかぽんぽんになる。帰りの新幹線でひとねむりしたあと、「四季の味」を読み出す、これは定期購読しようと決める。次に『星と呼ばれた少年』にぐーんと引き込まれる。ヘンリー・スマートと名付けられて生を受けた少年。最初は名前も呼ばれない。その彼が20世紀初頭のアイルランド独立運動に14歳にして入り込んでいく。歴史と少年、双方が豊かな物語を構築している。よかった。

2004.11.10

ディナモ

ディナモ ナチスに消されたフットボーラー』読了。プロローグは静かに、そして本編では、丹念に検証された出来事が整った文章で著されている。戦争がはじまり、静かなプロローグから一転してそれからの無惨な日々もまた、声をださない本から地にねむっている人々の屍が見えるかのように、形容詞の少ない文章が続く。ウクライナ・サッカーがどのようにはじまったか、ディナモ・キエフがどのように名声を勝ち得ていったか。選手らのすばらしい活躍のあとに続く、戦争という拷問には息をつめて読んだ。かつての名選手たちは、いまやパン工場で働く強制労働者となり、それでも中庭で練習することは許された。ヒトラー政権下の生活の質の向上の例として(本文より)ドイツ軍はスポーツの世界に干渉しはじめた。パン工場で働く元ディナモ・キエフのメンバーはFCスタートというチーム名で、チャンピオンシップに参加することになる。ドイツ側が栄養たっぷりの若くて壮健な選手ばかりなのに対して、FCスタートは24時間シフトに組み込まれて働いている労働者ばかり、栄養とて充分には取っていない選手たち。チャンピオンシップの初試合は、FCスタートの圧勝だった。肉体的なコンディションの不利を、FCスタートは圧倒的な能力で退けた。そしてその試合後、ドイツ側は「真の愛国者は戦争の捕虜との交流を望まないという理由」で、スタジアムの立ち入りを禁じる。それでもその後のどの試合においても、FCスタートは勝ち続けた。ドイツが喜ぶはずはない。こうして「死の試合」へと刻々と近づいていった。「フィツカルト・ウラー」と宣誓した試合がはじまり、「許されざる勝利」を得たFCスタート。選手たちはそれぞれの拷問の場にじわりじわりと送り込まれていった。キエフ奪還されたその後までも、「死の試合」伝説がおさまったわけではないのだ。

2004.11.09

夕ごはん

たらこ、最後の一腹が冷蔵庫にあったので、炊き込み用に。
伝統野菜でいただきものの加賀太きゅうりがあったので、サラダ用に。
大豆が食べたかったので、みうたさんレシピの大豆料理用に。
ということで、夕ご飯メニュー。
たらこご飯(お酒と油とたらこをいれて炊き、最後に塩でもんだ蕪の葉を小口切りしたものをいれる。レシピは「きょうの料理」より)
おみそ汁(わかめ、お豆腐、ネギ)
ゆで卵とツナと加賀太きゅうりのサラダ(じゅうねんドレッシング)
大豆の簡単うま煮(玉ねぎ、にんじん、ウィンナーをオルチョで炒めて、水で煮て、ケチャップと塩で味をととのえる)
家族みなぱくぱく食べて、なにひとつ残るものがないお皿をみるのは、いい気持ち。

2004.11.08

スピリット島の少女

天然痘により島に住む人々がほとんど死んでしまった中で、生き残ったのは赤ん坊ひとり。恐ろしい伝染病をものともせずに、赤ん坊を救い、彼女は新しい部族に入る。はじめて歩いた時に、ぴょんと飛び跳ねたので、オマーカヤズ(小さなカエル)と名付けられた。そのオマーカヤズの視点で、日々が語られる。家族の中にいる赤ちゃんをことのほかかわいがる、オマーカヤズの愛情たっぷりの描写はなんど読んでも心があったかくなる。赤ちゃんの顔がどれだけ美しく、かわいく、寝息が甘いにおいのすること、その愛らしさを堪能しながらおもりをしているオマーカヤズ。美しい姉から少し意地悪なことをいわれると、大きく失望する様、その深い失望の感情がまたなんとも子どもらしく、少女の感情をたどりながら、先住民部族の生活をみられるのは、なんとも豊かな読書だった。

2004.11.07

ペンギンの憂鬱

本読み達人の翻訳者の方から「この本、おすすめ!」と教えていただいた。そして確かにおもしろかった。『ペンギンの憂鬱』の時代設定は1990年代。ソビエト連邦が崩壊し、マフィアが暗躍している物騒な世の中が舞台。主人公は小説家ヴィクトル、エサを満足にやれないので欲しい人には譲るという動物園から、皇帝ペンギンをもらってきて、一緒に暮らしている。ドアはどれも開けっ放しにしてある部屋で、不眠のペンギンがぺたぺた歩き、夜中にその音を聞くと、ペンギンのため息が聞こえてきそうだとヴィクトルは思う。ヴィクトルは新聞の死亡記事を書いて暮らしている。編集長から情報をもらい、それらを組み立てて記事をつくる。ペンネームは「友人一同」。本名は決して明かされず、書いた記事もいつ掲載されるのか常に未定だ。それでも、きちんとその記事が生かされてくると、ヴィクトルの日常が少しずつ変化がでてきて……。ミーシャと名付けられているペンギンは、擬人化されたりせず、出す音といえば、ぺたぺたという足音くらい。本来、南極に住むべく体が小さな部屋で暮らしているのだから憂鬱にもなるし、心臓も弱くなるだろう。ヴィクトルの物騒な日常に、ぺたぺたと歩きまわるミーシャの存在感がどのページにもはりついていて、それがおもしろい空気をつくっている。

牡蠣と帆立

今日もまた出かけてイロイロ食べようと思っていたところに、届いたのが親類からの牡蠣と帆立。親類がときどき宮城の知り合いを通して、海の物を送ってくださるのだ。多謝!殻付きのものばかりが、どさっと届いたので、お昼は庭で炭をおこして焼いて食べることに。風も適度にあるので、炭も順調におき、ぷりぷりの帆立がぱりんと殻をあけ、いいにおいがしてきた。こちらもいただきものの美味しい「玄蕃蔵」をたらーりとかけ、ほおばる。美味!!牡蠣は、最初に殻をあけてから焼き始める。いい感じになったところで、国産レモンをぎゅっとしぼり、「玄蕃蔵」をたらす。おいしいなぁ。海の濃厚な味は、これだけでおなかいっぱいになるかなと思っていた私たち家族のおなかをたっぷり満足させてくれた。厚揚げもちょこっとあぶって、昨日、求めたじゅうねんドレッシングをかけて食べたがこちらもおいしかった。
満たされた体をほぐすため(?)に、またてくてくと出かける。今日は、伝統工芸を中心に。全国から集まった諸工芸(織、染、陶磁器、漆器、木と竹、金工、仏壇、和紙、文具)の製作実演が見られる。子どもたちは目の前で工芸がつくられていく様をみて、くいいるように見ていた。地場産品として、全国の伝統野菜も展示され、いくつかは試食もできた。「おもいのほか」(食用菊・新潟)のおひたし、「舘岩の赤かぶ」(会津若松)のクリームスープなどを食べてみた。その後、子どもたちは、昨日からほしがっていたクレープや水あめを食べ、大人はちぢみをつまみに、生ビールで休憩。2日ともいい天気でおいしい週末だった。

2004.11.06

太平燕

近くで工芸展や物産展の大きなイベントが行われてる。私は早朝、小学校の朝清掃で一汗かき、お昼少しすぎにてくてくと家族で見物&食べ歩きへ。日本酒の試飲もたくさんあり、徒歩の私とつれあいは心おきなく試飲を楽しみ(隣町のお酒がおいしかった!)、じゅうねんドレッシングのスパゲティを食べ、地鶏の焼き鳥を食べ、フランクフルト、しいたけみそをつけたこんにゃくを食べ、かに汁を飲み、かまぼこを試食し、キムチを購入。青のりラーメン(北寄貝入り)を食べ、おいしいお弁当をつまみに、生ビールを飲み、子どもたちは隣接された運動公園で走り回りとたっぷり食べ歩きを堪能。それでもすべてをまわることはできなかったので、明日も行く予定。新そばもあちこちにあったけれど、私たちは、先々週、おいしい新そばを一杯200円で堪能したばかり(これも別の隣町のお祭り)なので、ひやかすだけ。そして、最後に購入したのが、熊本名物をいわれる「太平燕(タイピーエン)」。ちらしによると、春雨をメインに、炒めた野菜や豚肉、エビ、タケノコ、かまぼこ、椎茸などを入れた具だくさんの中華風春雨スープのこと。その上にはゆで卵を揚げたものがのっている、とあった。ので、夕食はこれ。揚げ卵はつくらなかったけれど、とっても美味だった。今度は家でつくってみよう!とつれあいが誓ってくれたので期待大。おいしい一日だった。

2004.11.05

読了本

『女船長、ロブスターの島に帰る』
故郷の小さな島にもどってきたリンダ。マグロ漁の次はロブスター漁だ。父親と共に日々トラップを仕掛けてロブスターの漁に一喜一憂する。小さな共同体で生活することの、小さな生きにくさと、大好きな故郷で暮らす幸せをいったりきたりしながらの日々に共感した。

『猫に名前はいらない』
絵本といっても物語がかなり占めている『ねこのタビサ』を読まれたことがあるだろうか? そのタビサのとうさん猫の物語がこれ。伝記作家としての力量たっぷりのA.N.ウィルソンが猫から聞き書きしたかのような、さすらい猫の自叙伝(?)。『ねこのタビサ』もこちらも、読後に残る幸福感がなんともいい。

『ノリーのおわらない物語』
あのニコルソン・ベイカーが自分の子どもが9歳の時の姿を観察、そしてたくさん会話を交わしてできたといわれる物語。岸本さんの訳文がすごい。「ひかひかするミイラ」なんて、ほんとミイラってひかひかしているよなぁと。子どもの言い間違いもなるほどの日本語になっていて、ベイカーと岸本さんの見事なコラボレーション!

『魚だって恋をする』
今江さんは食べ物の描写がすごくうまい。自身も食いしん坊だから、おいしいものをおいしく描いてくれるのでうれしくなる。長さんによる装画もきれい。魚がゆらりゆらり泳いでいる質感がよくでていた。

『祈祷師の娘』
よかった。時代設定は少し前?と思ってしまう冒頭から、いえいえしっかり現代の話。表面はいたってきれいに、でも、そのきれいな下にはどろりとした澱もあり。春永ちゃん、和歌ちゃんもおかあさんもおとうさんも、出てくる人たちみんな丁寧に描かれていて、ハルちゃんのあのせりふは泣けました。

2004.11.04

おいしい

雑誌「ku:nel」2号の見出しは「コーヒーはいかが?」だった。この号は好きで、いまも階段の隅っこに置いては時々読み返している。コーヒー好きな人やそれを職業にしている人のインタビューが最初に掲載されていて、中でも、焙煎業の方の言葉がよく残った。

「(コーヒーの)いれ方の基本ラインはもちろんあるけど、ほんとは、ぼくら豆屋がちゃんとした仕事をして、あっついお湯でどぼどぼ落としてもおいしいっていうぐらいの豆を焼かなアカンと思ってます。そしてそれを安く売る。じゃないと、おいしいコーヒーはいつまでたっても日本で日常化せえへん」
おいしいものってそうなんだろうと思う、コーヒーだけではなく。オリーブオイルのオルチョもそう。おいしいから、どぼどぼ使って料理するだけで、ぐんと素材が生きてくる。オルチョを使うと料理するのが楽しくなるのだ。

2004.11.03

読むのは早いほうなのだけど、いま読んでいる本はそれほど早く読めない。それもまた楽し。あちこち、並読しているうちに、ふと、手にとったのが『風たんてい日記』。杉田さんの線画と、手書き文字、印刷文字のバランスがとてもよく、それこそ気持ちのよい風にあたっている感じだ。ミナミカゼワタルさんという風に関する探偵(?)さんが主人公。さまざまな風のご注文に日々こたえていくのだ。「せかいじゅうの風フェア」の一番人気はきき風コンテスト。風のソムリエまで登場し、「これはバラ園の風を3年ねかせたものです」とか「コーヒー豆、ガソリンかすかに こむぎとほこりのにおい 毛糸のにおいも」なんて。さて、これはどこの風でしょう? その様子が描かれた次ページには、淡い色づけされた風の瓶がずらーり。ふたが開いて空っぽの瓶をみて、子どもが「これにはなんの風が入るかなぁ」なんて言っていた。絵でだいたいどんな風かわかるので、文字がまだ読めない子どもは「あ、これ、雨の風じゃない」「アタリ!」「へへへ」と喜んでいた。楽しかったなあ。

2004.11.02

夕ごはん

つくりたいと思っていた、大根と牡蠣のソテーを。野菜は高値がつづいているのだけど、土の中にあるものは、まぁまぁのお値段。今回の大根は、市民農園で野菜をつくっているお友だちからいただいた。一緒に水菜も入っていたので、こちらはサラダに。みなみストアーに牡蠣を買い出し。賞味期限が昨日のものしかなかったので、値引きして200gで400円也。大根を固めにゆでてから、牡蠣をバターと油でソテーし、ゆでた大根をいれて、オイスターソースと醤油で味付け、美味。水菜は軽くゆでて、ちりめんじゃこをどばどばっとかける。おみそ汁は豆腐とわかめ。明日は休日なので、ゆっくりとご飯。つれあいも早く帰ってきたので、家族みんなで食卓を囲めた。みんなで「いただきます!」を言うのが大好きな娘の音頭取り。「いただかれ、するよ」ということで「いただきます」、この言葉を聞いてみんな頭の中で、いただきますに変換するのがおもしろい。

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