モンゴルの昔話
『モンゴルの昔話』は、こぐま社の刊行する「子どもに語る」シリーズの最新刊。1年と少し前に出ている『イタリアの昔話』以来のもの。版型も装幀もすっきりしてきれいです。15の話が収録され、我が家の子どもたちに「北斗七星の話」を読みました。一番上の子が「これ、『空とぶ船と世界一のばか』とおんなじだ!」と発見した喜びを口にしていましたが、昔話はほんとうに、あちこちでよく似た話があります。子どもたちは、聞くと、これと同じだと発見しては喜んでいるんです。あとがきで、モンゴルの昔話の背景として狩猟と牧畜の説明がされているのを読み、91年に旅した外モンゴルのことを思い出しました。個人ではなかなか便利な航空路がなかった時で、団体でチャーターされた飛行機の片隅にまぜてもらい、ウランバートルへ行ったのです。ナーダム祭を見るのがひとつの目的で、モンゴル相撲や草競馬を見てきました。ウランバートルではホームステイし、ゴビ砂漠でもガイドさんの友人ゲルに一晩お世話になってきました。ゴビ砂漠の思い出はやはり強烈で、飲んべえのお客様好きのモンゴルの人たちと、何を話をしたんだかたっぷり夜遊びし、太陽さんを拝もうと思っていた目的はあっけなく挫折。あの楽しかった旅の空気を思い出しながら、この昔話を楽しみました。
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