スピリット島の少女
天然痘により島に住む人々がほとんど死んでしまった中で、生き残ったのは赤ん坊ひとり。恐ろしい伝染病をものともせずに、赤ん坊を救い、彼女は新しい部族に入る。はじめて歩いた時に、ぴょんと飛び跳ねたので、オマーカヤズ(小さなカエル)と名付けられた。そのオマーカヤズの視点で、日々が語られる。家族の中にいる赤ちゃんをことのほかかわいがる、オマーカヤズの愛情たっぷりの描写はなんど読んでも心があったかくなる。赤ちゃんの顔がどれだけ美しく、かわいく、寝息が甘いにおいのすること、その愛らしさを堪能しながらおもりをしているオマーカヤズ。美しい姉から少し意地悪なことをいわれると、大きく失望する様、その深い失望の感情がまたなんとも子どもらしく、少女の感情をたどりながら、先住民部族の生活をみられるのは、なんとも豊かな読書だった。
私も『大きな森の小さな家』の先住民バージョンという言葉に惹かれたひとりです。でも、ほんとうにもっと古い時代の話なんですよね。表紙のビーズ刺繍、美しいですね。この時代のものなのかしら。
そしてなるほど、エイラ。こちらはいま、あらたに刊行されているんですよね。前の出版社は児童書向けではないと、性的描写を削って刊行していたけれど、作者が全訳を望み、それで版権が取れなかったらしいですね。
投稿: さかな | 2004.11.09 20:09
わぁ、偶然です。
私もこの本をおとといぐらいから少しずつ読んでいて、あと60ページぐらいを残すというところです。
『大きな森の小さな家』の先住民バージョン――という惹き文句に吸い寄せられましたが、読んでいると大地の子エイラのような太古の物語のようにも思えてきます。
投稿: 中村びわ | 2004.11.09 17:12