発見
ココログで『ばしん! ばん! どかん!』(ピーター・スピア作 わたなべしげお訳)が現在は入手できないとなげいたのは4月。そしてその声が聞きいれられたわけではないだろうが、10月に童話館より復刊された。新装復刊とあったので、どう違ったのだろうと興味があった。図書館に入ったので、さっそく借りて読み比べる(私の持っているのは冨山房初版1978年、1992年7刷)。なるほど、細かに音色が変わっている。ちいさい人は音が大好き。『おへやのなかのおとのほん』(M・W・ブラウン 文 ワイスガード絵 江國香織 訳 ほるぷ出版)でも、音がならべたてているわけでなくても、ささやかな音を聞きわける子犬のマフィンにぴったり寄り添って、読み手の私も子どもと一緒に音に耳をすます絵本だ。そして、この『ばしん! ばん! どかん!』もそう。ピーター・スピアのきれいな絵と音のバリエーションが絶妙なのだ。新装版で訳がみなおされたのは――、たとえば、ハエたたきでハエをたたこうとしている音。以前は「しゅっ!」だったのが、新装版では「しゅたっ!」。圧力釜の湯気のたつ音「ぐつ ぐつ ぐつ」が、「しゅ しゅ しゅ しゅ しゅ」。まな板の上で人参を切る音「さくさくさくさく」が「とんとんとんとん」という具合。あまり変わっていないのが、車の音ですね。私が読み比べていると、ちぃちゃんが寄ってきて、「あ、ばたぱた、しゅしゅだ!」と絵をみながら歌うように音をだしていた。
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