最近の読書
最近、カニグズバーグ作品の新作(『スカイラー通り19番地』)を読んだことをきっかけに、全集やら、少年文庫を読み返していた。義理ではあるが『スカイラー~』と『13歳の沈黙』では姉弟が登場し、久々に読み返した『13歳~』がものすごくおもしろかった。『トーク・トーク』を読み返し、清水さんのカニグズバーグについて書かれた評論も本棚の奥をさがしまわり、読み返し、いずれの再読も楽しんでいる。今日は『誇り高き王妃』を読了。天国と地上が交歓し、その妙をあじわった。カニグズバーグ作品に登場する緻密さと格好良さは、隣の芝生は青い、という思いを常にいだいてしまうのだが、それでも追いかけて読んでいるのは、この作家の作品に対する興味があるのと、数学的美しさに惹かれるのかもしれない。昨晩はノンフィクションの『最後のシュート』、国産のフィクション『サンネンイチゴ』、それから恋愛ものでクレスト『いつか、どこかで』を読了。鴨井羊子コレクション2の『のら犬・のら猫』も濃密なのらたちとの交流がおもしろかった。『秘密の道をぬけて』は久々に子どものわくわくする心と、きつい現実のバランスが絶妙にとれた児童書。よかった。今日読了したのは、『宿福の梅ばなし』(乗松祥子著 草思社)。『梅暦、梅料理』(乗松祥子著 文化出版局)を買い求めたのはもう10年以上も前。そして、私の梅干しづくりはこの本が師匠だった。数年前に、無農薬のいい梅を手頃な値段でわけてくださっていた方が、介護と米づくりに専念するということで、梅の販売をやめてしまわれ、それ以来、もっぱら梅酒だけつけている。『宿福の梅ばなし』に掲載されている梅干しづくりは、写真も含めて前著に準じるところが多いのだが、著者が梅にひかれていく状況はこの本でよく伝わってきた。来年、いい梅が手に入ればまた梅干しをしてつくろうか。庭には赤紫蘇も毎年できてきているし。つれあいは、庭に梅を育てろと言ってるのだが、我が家で緑の指をもっているのはつれあいなので、そちらはまかせようっと。
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