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2005年1月

2005.01.31

ユダヤのむかし話

ユダヤのむかし話』(偕成社)を読む。独特の世界観が流れているそれぞれの話を、興味深くおもしろく味わった。いつまでも幸せに暮らしましたとさ、というような終わり方ではなく、決別する時は非常に仲の良い2人でも、きっぱりとした最後が待っていたり、と、意表をつかれる展開もまた読み手をぐいぐいひっぱっている。版元品切れなので、ぜひともまた出してほしいと思った1冊。子どもがおもしろがりそうなので、少しずつ読んでみよう。

2005.01.30

北欧の神話

昔話や神話は私から読んでもらうのが、とても好きな子どもたちです。上の子は読める漢字も少しずつ増えてきているので、自分でも読みますし、弟たちが望んだ絵本を読んであげたりもしています。でも、あぁ、これは読んでみたいなと思う昔話や神話は、ひとりで声を出して読んでいますと、「あ、おもしろい話がはじまった」と、つつっと近くにきて聞いています。今日はごはんを食べたあと、ほうじ茶をすすりながら、北欧の神話を数編読みました。神々の話は時にとても残酷な描写もありますが、それらに気をとられることなく、話をまるごと楽しんでいるのが、子どもたちの様子から伝わってきます。少しこみいってくると、読み終わるまでは静かに聞き、そのあとにちょっと教えてと筋を整理したりもしています。おもしろいと感じたものは、私が読了したあとの空気でよくわかります。そういう読書は私自身もとても豊かな気持ちになり、互いに充足感をもって物語の世界から現実に戻る幸福な時間です。

2005.01.29

Pache

▼友人から、すえもりブックスニュースレターを見せてもらいました。このニュースレターは少したつとオンラインでも読め、いま、オンラインで読める44号では、銀座の教文館の中村義治社長を偲ぶ話が紹介されています。まったく面識はありませんが、教文館の子どもの本新刊コーナーができたのは、この中村社長が“日本の子どもの本の状況全体がよりよくなってほしい”という願いを受け止めたからというお話をうかがって以来、敬意をいだいていた方です。いまは、新刊コーナーとロングセラーの本を扱っていたお店が一緒になり「ナルニア国」というすてきな書店にリニューアルしています。目玉のひとつでもあった新刊コーナーのメールマガジンは現在も刊行中。リニューアル期間、少し止まってしまったのを、いま猛烈な勢いで取り戻しています。あとちょっとで文字通り新刊メルマガになるかな。メルマガの申込みはメール:narnia@kyobunkwan.co.jpまで。

▼最新号(45号・オンライン未掲載)では、未曾有の災害をもたらした津波のことが書かれています。子どもを膝にのせて本を読んでやっているときだけ、内戦による空爆下の子どもたちを少しだけでも落ち着かせることができたという、以前理事をされていたレバノンの方からの話を紹介してくださっています。IBBY(国際児童図書評議会)の理事をされている末盛さんが、JBBYでも募金活動が始まったと口座を書かれていましたので、こちらに書いておきます。JBBYのサイトにはまだ掲載されていないようです。

 ■JBBY(社団法人日本国際児童図書評議会)の募金口座
 〈日本国内郵便振替口座〉
 口座名:JBBY(IBBY津波被災子ども支援)
 口座番号:00110-0-260596

2005.01.28

マーヒーのお話集

魔法使いのチョコレートケーキ』マーガレット・マーヒー作・石井桃子訳・シャーリー・ヒューズ画 福音館書店(1680円/630円)

1月号(明日発行予定)のメールマガジン「子どもの本だより」では『魔法使いのチョコレート・ケーキ』をご紹介します。私も久しぶりに再読したのですが、なんて楽しい読書だったでしょう。ひとつひとつの物語が、あったかくて子どもへのやさしい眼差しを感じます。作家になる前は児童図書館員として働いていたマーヒーさん。マーヒーさんの紡いだ物語は、どれも心の深くに届く豊かさがあります。その魅力を、子どもの本だよりの執筆者、吉田真澄さんが、存分にひきだして紹介しています。お楽しみに!

2005.01.27

牡蠣

▼好物のひとつが牡蠣。みなみストアーで180円で売っていたので、るるんと購入し、今月の「ku:nel」に載っていたつまみのようなレシピを試す。「にぼし」という和食店主さんが紹介している「カキの昆布焼き」がそれ。牡蠣を丁寧に洗って、水気をとって昆布にのせて酒と塩をふりかけて魚を焼くグリルで火を通す。レモン、醤油はお好み。「準備をちゃんとしてから、火を使うこと」がポイントしてあげられていたので、書いてあるとおりの手順で丁寧に洗った。写真のようなぷりぷりした大ぶりの牡蠣ではなかったけれど、小ぶりの牡蠣もなかなかよい味にしあがった。これは酒の肴だなぁ。我が家の一番のちびちゃんは、それほどおいしそうに食べなかったけれど、上の子は「これ、うまい」と喜んでいた。まんなかの子はふつうに食べてた。他のおかずは、きゅうりと新わかめの酢のもの(じゃこ入り)、甘エビの刺身、メンチカツ(みなみストアー製)、五分つきごはん、おみそ汁(小松菜)。子どもがお茶も飲みたいというので、ほうじ茶も。子どもたちは氷をいれて冷たく飲み、私はあったかのをすする。うん、今日もいいご飯だった。

▼まんなかの子はまだ文字をほとんど書けないので、手紙を書きたい時はお兄ちゃんに代筆を頼む。ごはんをつくっていたら、「おてがみです!」と持ってきた。絵手紙で、絵は自分で描いて、字はお兄ちゃんが代筆。ところどころ誤字があるのはご愛敬。その中に「お父さんに電話してね。早く帰って来てね」とあった。ここのところ、つれあいも仕事がつまっていて、なかなか平日に夕食が一緒にとれない。明日は早く帰ってくるから今日はがまんしようね。

▼『ゴシップ的日本語論』(丸谷才一 文藝春秋)を読み始める。最初の「日本語があぶない」を読んでいると、紹介されている『漢字と日本人』(高島俊男 文春文庫)も読みたくなってきた。週末、書店で探してみよう。「ku:nel」の酒とつまみのページを読んでいたら、品切れの本が欲しくなり、古書店に注文メールを送る。無事、入手できますように。

2005.01.26

田んぼ

ニッポンの風景』(島田アツヒト あすなろ書房)
ペン画で精密に描かれた、日本の風景。絵本の装丁だけれど、物語はなく、時のうつりかわりが描かれている。添えられている言葉は絵の時代説明くらいです。中表紙(というのかな)のタイトル文字にかぶせたようなたこ揚げの絵が赴きあってよいです。一本のくすの木が軸。我が家のまわりは、この絵本にでてくる明治や大正頃の田んぼが、まだあるので、親近感がふつふつ。現代のような建物もありますが、田んぼがまわりにあって、冬は子どもたちのよい遊び場になるので便利です。

百年の誤読』(岡野宏文 豊崎由美 ぴあ)
はじめの方をちょろりと読み、もっぱら自分の知っている時代から読んでいると笑えます。斉藤美奈子を思わせるような語り口でばっさばっさと時代のベストセラーを斬ってゆく。あとがきでイタロ・カルヴィーノの『なぜ古典を読むのか』(みすず書房)から少し引用し、この本で取り上げているのは“古典”ではないと言い切ってます。そのあとに続いて「でも、本は一冊丸々読んで、初めて理解できる、あるいは理解できないことが理解できるのです」との言葉には同感。

2005.01.25

休憩

▼無事、10タイトル全部のレビューを送信完了。次回分はまだ到着していないけれど、タイトル名の通知あり。まぁ、ひとまず休憩。

▼ごはんをつくりながら、『わたしのおじさん』(湯本 香樹実 著 植田 真 絵 偕成社)読了。シンプルな心地よい本。その後、ごはんを食べ終わってから、『おひさまホテル』(エーリッヒ・ハイネマン・文 フリッツ・バウムガルテン・絵 石川素子・訳/徳間書店)を読了。ちょんまかした小さい世界を、ぽかぽか暖かい色で描いている。毎日寒いので、あったかぁい所で冷たいビール飲みたくなった。現実の我が家の夕食は、ツナとチキンのカレー(にんにくと玉ねぎのみじんぎりを飴色になるまでいためて、スープとチャツネをいれて仕上げにツナと生クリームとゆで卵のくし切りをのっける)に、最近カレーといえばコレ、大根のカチュンバル。子どもたちが好きというよりは、私が大好きなのです>カチュンバル。クミンと酢とレモン汁の匂いと味がすっごく好み。

▼カレーをつくる気持ちは夕方までなかったのだけど、帰宅した息子が「100点2枚もってきたよ」と報告。「すごい! えらい!」とほめたたえ、「ごほうびにチュウしよう」というと、「えー、そういうのじゃなくて、カレーをつくるとかの方がいい」と言うので、リクエストにおこたえしての夕飯でした。

2005.01.24

読了

▼19冊すべて読了。とりあえずすっきり。あとは書くこと。一番最後に読む本は、一番おもしろそうなものをとっておいて、それがドンピシャリだったので、うれしかった、るるん。

▼今日のごはんは、大豆ハンバーグ。いつもレシピよりひき肉を多めにいれてたくさんつくるのだけど、今日はぴったりレシピ(江島雅歌さん)通りにつくったら、とっても軽くできた。他は、昨日の残りのじゃがいもキャベツサラダに、今日ゆでた人参も添えて。こちらも1%の塩でゆでるとそれだけでおいしかった。ゆで卵、たくあん、五分つきごはん、みそ汁(なめことえのき)。「あー、かんぺきにおいしかった!」と言ってもらえて満足。

みなみストアー更新してます。今回はもともとのチラシがななめ気味に印刷されたのをもらってきて、なので、スキャンしてもななめです。首を少し傾けてちらしを読んでくださいませ~。

2005.01.23

1%

▼19冊中、18冊読了、残り1冊。明日中に読む予定。

▼じゃがいもとキャベツサラダをつくる。オルチョサイトで、レシピを教えていただき(レシピではキャベツのかわりにブロッコリー)、その通りに水の分量の1%の塩で野菜をゆでると、すっごぉくおいしかった。感動の味。

この1%の塩で茹でるのがポイントでパスタも同じ塩分濃度でゆでます。野菜が生の状態から過熱される過程で塩が浸透していくと野菜の旨みを出すの
まさにそうなのですね。これにオルチョをたっぷりかけてできあがり。簡単でおいしくて、しあわせです。今日は他に、たらと高野豆腐の料理も。今週のみなみストアーでもたらは安くなるかなぁ。

▼『ジャンヌ・ダルク』は午前中に半分を子どもたちに読む。こちらの方が長いので。続きは眠る前に読む予定。子どもたちは今日読んでいる方の絵の方がかっこいいと言っていた。

2005.01.22

B-day dinner

▼ようやくゴールが見えてきました。読まねばならない本、19冊中、16冊読了。残り3冊。2日以内に読了予定。

▼子どもの誕生日の夕食 チョコレートケーキ(市販のもの)、シャンメリー(白ぶどう 子どもがお酒の色だからと選んだ)、五分つきごはん、卵コンソメスープ(青のり、ごまをかけたもの)、メインディッシュは石釜パーティの時に好評だった、鶏半身のロースト。今回は雪で釜が使えなかったので、家のオーブンで。前回のように、たっぷりのハーブとオルチョ。バジルスパゲティをローストチキンの横に添える。みなみストアーのいか刺し(子どもの好物)。かに川大根とツナのサラダに胡麻ドレッシング。みなみストアーおすすめ岩淵さんちのイチゴと地元のイチゴの2種類をデザートに。おなかいっぱい。happy b-day! プレゼントはお兄ちゃんからデュエルのレアカード、私たちからは本人の選んだガンダム。

▼今日の夕食は、つれあい特製ポテトサラダ(きくらげ、ウィンナー、卵、マカロニ、じゃがいも)、豆腐と水菜のすまし汁、私は甘塩タラのホイル焼きを一品。五分つきごはん。あ、しまった、たくわんを出すのを忘れた! たらがすっごくおいしかった。子どもたちはおかわりないの~とゆっくり食べていたほど。今週は、みなみストアーのお得品を買いもらすことがなかったので満足。昨日買った、あらまきサケもおいしかったぁ。

▼ねむる前の絵本は『絵本 ジャンヌ・ダルク伝』(ジョゼフィーン プール作 アンジェラ バレット絵 片岡 しのぶ訳 )。ぐいぐいとひっぱるストーリーに、子どもたちも真剣に聞き入った。個人的にはジャンヌ絵本では、ほるぷから出ていた、『ジャンヌ・ダルク』(M・ブーテ・ド・モンヴェルさく やがわすみこ訳)がベスト。明日はこちらを子どもたちに読む約束をしておやすみした。

▼オルチョのおいしいレシピを教えていただいたので、明日ためしてみようと思っている。わくわく。

2005.01.20

笑いの三千里

以前書いた、アンケートによるプレゼント本は『笑いの三千里 朝鮮ユーモア文学傑作選』(金学烈・高演義 編)をリクエストした。今日とどいて、最初の短編を読んだ。主人公の金先達さんがいい味だしてて、時に大笑いしてしまう。お金がなくても、自分以外の人のお財布は自分のものと思う先達さんは、さまざまな知恵(もしくは悪知恵)で、好きなお酒を好きなだけ飲み、好きな場所に出向いて楽しいひとときをすごしている。このおおらかさ。周りも困ったもんだと思いながらも、手ぶらなのが当たり前と得心しているのだ。これもひとえに人徳なのだろうか??ということで、タイトル通り、笑える短編集です。

2005.01.19

夕ご飯

昨日の夕ご飯は、五分づきごはん、おみそ汁(厚揚げ、サラダ菜、大根)、麻婆豆腐(セリ、水菜、豚ひき肉、斉藤のきぬ豆腐)、ししゃもとじゃがいものミルク揚げ(卵、牛乳、小麦粉、粉チーズをまぜたものを衣にする)、かに川大根の即席漬け。このミルク揚げは、粉がふっくら揚げられるので、ふかふかのししゃもが食べられる。じゃがいももふかふかです。いずれも小林カツ代さんのレシピより。
今日は、柔道の日なので、あっさりとおにぎり。中身は鮭、ツナのマヨネーズあえ、梅干し。おみそ汁(じゃがいも、油揚げ、玉ねぎ)、きゅうりの酢のもの。まんなかの子どもは1か月くらい前から行き始め、ようやく送っていった時に泣かなくなった。今日は青色帯の人を投げたよとにこにこと帰ってきた。寒いので、帰宅したらすぐみんなでお風呂にちゃっぷん。温泉の素をいれたので、きれいな湯の色に、「いいねぇ」と満足顔の子どもたちでした。

2005.01.18

お花屋さん

友人はパソコンをもっていないので、ほぼ毎日FAXで日記を送ってきて私がHPに代理upしている。今日は、この時期の花屋はもう春爛漫だという内容。

フリージャ、スイートピー、菜の花、チューリップ、ラナンキュラス、アネモネ、枝の物なら、雪柳、コデマリ、アオモジ
書いているだけで、花のにおいがたちこめるようだった。私は枝物が好きなので、コデマリや雪柳を想像してうっとりした。フリージャもいいなぁ。

2005.01.17

更新情報

みなみストアー、今週のちらしをさきほど更新しました。日曜日が定休日なので、休み明けはほっとします。あぁ、何があっても買い物に行ける、と。今日は、ちらしの安売り日ではありませんが、ちらしがなくてもお得なのがみなみストアー。ぶりみりん漬け、一切れ99円を5枚、おいしい斉藤のお豆腐64円也、なので2パック。他に同じ斉藤の厚揚げと油揚げも。小松菜は138円、最後の束でした。ほか、納豆、かに川大根(99円)などをかごにいれました。夕食は、五分つきご飯、おみそ汁(オルチョで炒めた玉ねぎと長ネギ+油揚げ)、ぶりのみりん漬けを焼いたものに大根おろしたっぷり、小松菜のにんにくソテー、たくわん。子どもたちは、にんにくを「これ、肉?甘いね、おいしいね」と食べていた。大根おろしはちょっぴり辛く、辛み大根みたいだといいながらもおいしそうに魚をたいらげる。ごちそうさまでした。

オスカルとポプラ通りのひみつ

昨年読んだ児童書で、新刊以外でもっとも心に残ったのは『オスカルとポプラ通りのひみつ』(マルガレータ・リンドベリイ作 オーケ・エリクソン絵 石井登志子訳 徳間書店)でした。スェーデンの作家リンドベリイのデビュー作で、オスカルという知りたがりやの少年が、「なぞの作家」が近所に住んでいるに違いないと想像し、いろいろ推理をめぐらせる楽しいお話です。なにげない日常にひびく子どもたちの心が弾むように描かれて、読後はなんともいえないぽかぽかした気持ち。リンドグレーンのピッピやおもしろ荘の子どもたちのように、子どものもつのびやかさが等身大に物語からたちあがってきます。この本は1994年6月に刊行され、徳間書店創立40周年記念創刊として絵本・児童文学のレーベルでだされたはじめての本の一冊。この時の5月に『たくさんのお月さま』ほか絵本が3冊、6月にこの『オスカルと~』、『海辺の王国』など読み物が3冊、絵本1冊刊行されました。いまも発行されている「子どもの本だより」創刊号(1994年5月/6月号 第1巻 1号)がこれらの本にはさまれたのです。本でも雑誌でも創刊号には、さまざまな思いがこめられているので、私はこのたよりを幾度となく読み返していました。ここに書かれた「あれこれ、あれこれ、編集者のひとりごと」を一部ご紹介します。

生涯宝物にするような本を作りたいね、それこそ「嫁入り道具、むこ入り道具」の中に入れてもって行ってもらえるような本が出したいねと目を輝かせて話し合い、何千冊もの本を取り寄せ、検討を重ねました。まだ、歩みだしたばかりの徳間の児童書ですが、一冊一冊心を込めて編集していきますので、よろしくお願いします。(佳)
子どもの頃、本を読んだ時の情景を、いくつか鮮やかに覚えています。本の内容と、その日のお天気や部屋の様子、風の具合や匂いまでが結びついていて、今もはっきり思い出せるのです。大人になってからの方が、むしろそんな出会いは少ないようです。子どもの本は、どんなによくてもよすぎることない、と改めて思います。(令)

2005.01.16

歳の神

部落の歳の神が今日だった。夕食の準備をし、その間につれあいが、歳の神の火で焼くための道具を買ってきて、(竹の棒3本とするめ)せっせとその準備にとりかかる。すでに点火されていたので、歩く道すがら、炎の煙が立っていた。「さいのかみ、さいのかみ」と娘がとなえるように口にしていた。一日降っていたぼさぼさとした雪が止み、あたりは真っ白で静か。ざけている道をすべりそうになりながら、場所に到着し、上の子はすぐさま、するめを火にかざしていた。御神酒は配られたあとのようで、つれあいは少したってから、「御神酒ないんで、これでやるべ」とビールを一杯いただいた。上の子2人は、次から次へとするめを焼き、口にいれる。私と娘はおこぼれを待つ。つれあいは、新しいするめを次々に棒にさしている。火が落ちるまではいずに、後にした。小さい子どものいる家族は「これからごはんだから」とやはりぽつぽつと歳の神を後にしていた。この火の煙を体にあてると、おなかが痛くならないで1年を過ごせるなど、無病息災、家内安全の願がある。年をとるたびに、これらの願いがしみじみと心からの願いになっている。

2005.01.15

泣く

泣いているときに電話が鳴って
眼の下を涙で濡らしたまま
相手の冗談に私は笑った

泣いた理由は通俗的な小説の通俗的な一行で
だが泣けるということに私は救われ
そのせいで笑ったのかもしれない

笑って電話を切ったあと煙草に火をつけ
私は自分の感情について考えた
それを何と名づけることができるのかと

結局名づけようはなかったのだ
窓の外で木枯らしがうなりをあげ
私はもうどんな季語ももっていない

私をしばる制度の中で
感情は出口を見失い
そのすべてが怒りに似てくるが

それすらも私のものかどうか定かではない
眼の下はとうに乾き
やみくもに生きている事実だけが残っている

谷川俊太郎『日々の地図』(集英社)より

2005.01.14

楽しみ

▼お正月からこのかた、ハレの食事ばかりをつくったり飲んだり、なかなかいつもの日常食にたどりつけず。今日は、今年はじめての子どもたちの柔道。ほんとうは水曜日からだったのだが、大雪で大人があっけなくあきらめる。子どもは行きたいと行ったのだけど。その日は最初行くつもりで、いつものように、おにぎりをむすんでいた。結局、夕食はおにぎりとサラダ。行かないことに決めてから、せっせと借りてきた「ヒカルの碁」全23巻を読みふける。ちびちゃんだけ、さすがにその空気をつまらなく思い、「なんでみんな本読んでるの」と不満をもらしていた。ごめんね。「ヒカルの碁」はおもしろかった。絵がきれい。緒方さんいいですねぇ。ということで、昨日、ようやく、一番だしでおみそ汁をつくった。具はおいもと玉ねぎとわかめ。野菜がことことやわらかくなるにおいを久しぶりに感じた。んー、おみそ汁大好き。あと、ひじきごはん。すし飯にして、ひじきとちくわを煮て混ぜ合わす。これは家族の大好物で、つくっても残ることがほとんどない。葉ものを食べたかったので、サラダ菜にごまドレッシングをたっぷりかけてもりもり食べる。今日は柔道だったので、軽くミートソースとスープ。動くので、軽めの夕食を家族で共有。石釜パーティの時にいただいて残った日本酒をこれから晩酌です。

▼読まねばならない本19冊中14冊読了。残り5冊。10タイトル中6タイトルが和書、残り4タイトルが翻訳もの。

▼白水社のメールマガジン創刊30号記念プレゼント応募に当選! やった、うれしいな。Uブックスからすきな本を1冊選ぶことができるので、ずっと目録をながめている。『東方奇譚』(マルグリット・ユルスナール)にしようか、『編集室』(ロジェ・グルニエ)にしようか、それとも、それとも、ときりがない。

2005.01.12

大雪

庭はもう除雪機をかけないとどこに何があるかわからない状態。石釜も高い位置につくっているのに、もう埋もれかけている。すごい大雪。1年以上使っていないけいてぃーをひとりで動かす自信がないので、つれあいの帰宅を待つのみ。試運転の時はエンジンもかかったし、大丈夫かな。ほんと、久しぶりの雪、雪、雪。

■『銀耳』(魚村晋太郎 第一歌集 砂子屋書房)届く。ありがとう。

『銀耳』より
ゆっくりとひとを裏切る 芽キャベツのポトフで遅い昼をすませて

川に降りて勤務時間の青鷺が言葉にまみれるのをみてゐる

フォーム・ソープ・ディスペンサーに手をひらく詩は詩以外のすべてのなかに

2005.01.11

つれづれ

■『おわりの雪』が今月30日に、BS週間ブックレビューで取り上げられるとのこと。どんな風に紹介されるのだろう。BSが見られない環境で残念。

「図書」1月号の“だから翻訳はおもしろい”は岸本佐知子さんが書かれている。ニコルソン・ベイカーの『ノリーのおわらない物語』(白水社)の翻訳裏話(?)が紹介されていた。この物語はノリーの語り口が醍醐味で、ぐるぐるととりとめなく、でも意味がまったくないわけでもないその語りにひきこまれる物語。ノリーが慣用句やことわざをイロイロいい間違える訳がとても見事でうっとりするのだが、やはり訳者としては大変だったよう。ノリーの声を出すために、本物の子供がしている言い間違いをネットや友人らの子供からたくさん収集したらしい。ただ言い間違いのソースとして最も有効だったのは、普通の大人だったというのが、へぇと思った。でも実際、子供と一緒に暮らしているとなかなか書き取れないものだということもよくわかる。私も思いついたらメモしていた時もあるが、今はスルーしているなぁ。昨日も書いたが、冬休みなど、休みのために書いた日記を読んだりすると、おもしろすぎて宝物にしようと思うのだけどね。例えばこんな一行日記。

12月28日(火)
今日をすごい早起きして一番びっくりしました。それから何時に起きたかと言うとよなかの5時でした。

■石釜パーティのメニュー:鶏の中抜き丸一体を、石釜でロースト。クローブやオレガノ、他さまざまなハーブをすり込み、塩、こしょうして、オルチョたっぷりで焼いた。つれあいの焼き方も抜群で、皮ぱりぱり、中ジューシーにできあがり、子どもも大人にも大好評。んまかった。みなみストアーの酒粕煮(酒粕で鮭と昆布を煮たもの)、たくわん(かに川大根)、さくら刺身、自家製ピザ、しそわかめおにぎり、塩ごま豆腐、焼きそば。飲み物は、生ビール(サーバーを借りてきた)、ワインさまざま、シャンパン、日本酒(大和川酒造)。

2005.01.10

冬休み

明日が3学期の始業式。子どもが「おかあさん、始業式ってなに? 6年生が卒業する日?」と聞いてきた。違いますとも……。
この3連休は石釜パーティをしたり、十日市で義妹家族が泊まりにきたり、義弟も半年ぶりの短い帰省をしたりと、わさわさしていたので、子どもの学校準備チェックをさっき終えたところ。明日もってくるものリストには入っていないのだが、「冬休みの計画表」も休み前に持ってきていたので、準備物にいれる。

23日勉強をやる/24日勉強をきちんとやる/25日勉強しゅうちゅうしてやる/26日勉強が終わったらちがう勉強をしたる/28日勉強ノートに答えがのっていても見ない(以下略)
ということを学習計画の欄に書き込んでいて、あまりのおもしろさに笑ってしまう。“したる”ってなに?とかつっこみをいれたくなるが、そのままにした。どの日にも「勉強」という文字をいれているのが、この計画表のおもしろさ。いれていない時は「問題をやる」という言葉が書かれている。しかしながら、これだけ「勉強」をしたはずなのに、冬休みの反省―学習面で彼が書いたことは「自主勉強ができなかったです」、そう宿題だけで精一杯だったのだ。

2005.01.07

オルチョなべ

お正月は、こづゆやお豆やなにかに少し足したりしながらシンプルにすぎてゆきました。みなみストアーが5日から通常営業になったので、野菜を仕入れ、お豆腐を買い、鍋に。オルチョの掲示板で、鍋にオルチョもあうという書き込みがあったのを思い出し、昆布だしに豆腐、水菜、もどした春雨、かに川大根のスライスをたっぷりいれたものに、塩をオルチョをたらす。これがなかなかよかったです。少しだけだし醤油も足したのですが、熱を加えた風味あるオルチョがぐんと鍋をひきたて、満足。鶏のもも肉をいれようと思っていたのに、忘れてしまったので、途中で塩、黒こしょうをひいたもの、オレガノ、オルチョでオーブンで10分弱いれ、鍋にいれたら、これまた美味。うーん。湯気のでる鍋はさむーい冬にぴったり。オルチョ、生もいいのですが加熱した時の風味にちょっとはまってます。塩とオルチョでかなりグレードアップされた味ができあがるんですよね。しあわせ~。

2005.01.06

うんちっち

新年の新作絵本で最初に読んだのが『うんちっち』です。



うんちっちフランチェスカ
ステファニー・ブレイク作・絵・ふしみみさを訳

前作の『フランチェスカ』も楽しかったのだけど、今回もいいです。短い文章がきりっとページごとにひきしまっていて、最後は爆笑が待っています。『うんちっち』はほんの少しですが、センダックの『ピエールとライオン』(「ちいさなちいさなえほんばこ」のをお薦め)にリズムが似ていました。ずっと本の画像はいれてこなかったのですが、楽しくて絵をみてほしくなったのでお初の書影です。ふしみさんは読みがすっごく魅力的で、『フランチェスカ』を読んでもらった時は、私と某出版社の編集者の2人で聞いて、大笑いしながら楽しみました。その編集者の方が「いやぁ、もうレトロはいいや、いまの絵本つくろう!」と言ったのでまた爆笑。その頃、某出版社でも少し前の絵本を発掘してイロイロ出していた時期だったのでそういう感想が思わず出たんですね。『フランチェスカ』はとっても「今」的のインパクトがあったんです。今年もふしみ訳絵本はたくさん出るので楽しみ!

2005.01.05

雑誌いろいろ

「harappa」05号が読み初め雑誌。特集は“基地をつくろう”。大人になってから私にとっての「基地」はずっとネットにあったような気がするなと思った。楽しみに読んでいる記事は「はらっぱハウスのつくり方」。任意で集う人たちをつなげる場、そういうもののつくり方って、いつも興味があるので。ユリイカは2004年の1月号も石井桃子さんのインタビューがのっている特集「クマのプーさん」にひかれて購入した雑誌。2005年1月号の特集は「翻訳の作法」。届いたばかりでまだほとんど目を通していないのだが、大アンケートをちらほらと読んでいるところ。質問は4つで、1つはあなたが「名訳」とお考えになる邦訳書と、その理由を教えてください。2つめは翻訳にあたって、特に心がけていらっしゃるのはどういうことでしょうか。3つめはご自身の翻訳のなかで、あそこは苦労した、我ながら名訳だった、誤訳だったかな(失礼をお許しください)等々、特に印象ぶかい箇所とその理由を教えてください。最後の4つめは、いつか、あれを訳してみたいという本がありましたら、教えてくださいませんか。というもの。文字数制限がなかったらしく、ひとりでこの4つの設問に6頁にわたって書かれてる方もおられて、読みごたえがすごくある。

今日は一日雪がふっていた。それでも、大雪とまではいかず、我が家のけいてぃーもまだ出番はない。

2005.01.04

3冊ではなく

絵本アンケートの準備をしていると、とても3冊では足りなくて困ってしまう。確かに3冊というのは、たくさんの人がお薦めを書き、それを読むのに妥当な数字だと思うのだけど。ということで、自分自身をすっきりさせるために、去年読んだ好きな本をつらつらと書いてみる。絵本のダントツは『エルシー・ピドック ゆめでなわとびをする』(エリナー ファージョン作、シャーロット ヴォーク絵、石井桃子訳/岩波書店)。これはどんなに考えても変わらない。ファージョン全集を今年は読み返したいと思っているところ。ほかは、その時々なのだけど、『おへやのなかのおとのほん』(マーガレット・ワイズ ブラウン文、レナード ワイズガード絵、江國香織訳/ほるぷ出版)は、子どもに一番読んだ絵本だろう。何度も何度も読むと、好きがどんどんふくらむ絵本。これが絵本読みの醍醐味ですね。ウィリアム・スタイグの『みんなぼうしをかぶってた』(木坂涼訳/セーラー出版)は原書も持っているし、訳書もすばらしい。スタイグの追悼記事を書いてからもう1年以上もたったのだ。S・D・シンドラーという画家にも注目したのが2004年だった。『世界をかえた魚 タラの物語』(マーク・カーランスキー文、絵遠藤育枝訳/BL出版)は、絵本仕立てでタラについての蘊蓄が楽しく描かれている。セーラー出版から『しゃっくりがいこつ』(黒宮純子訳)もでて、子どもたちが大笑いしながら楽しんでいた。魔女ものは、小峰書店から江國さんの訳や金原さんの訳でおもしろいのがイロイロでた。そういえば、『魔女ひとり』(金原瑞人訳)もS・D・シンドラーだった。カウンティング絵本で絵がとってもユニーク。ユリア・ヴォリの『ぶた ふたたび』(森下圭子訳/文溪堂)も待って待ってでた1冊。昨年はクリスマスにユリア・ヴォリのお父さん、ペッカ・ヴォリの絵本も出た。『ラップランドのサンタクロース図鑑』(迫村裕子訳/文溪堂)がそれ。ベラ・B・ウィリアムズの『赤いカヌーにのって』斎藤倫子訳/あすなろ書房)も翻訳されてうれしかった。ウィリアムズは原書もほとんど持っていて、この絵本ももっているが、日本語になるといつでも子どもに読めるのでうれしい。追いかけている画家のもうひとり、マイラ・カルマンの絵本も出た。リトル・ドッグ・プレスから『しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる』(矢野顕子訳)というタイトルで刊行。カルマンの絵もきれいで自由で大好き、大好き。BL出版から出た『サティさんはかわりもの』(M.T.アンダーソン文、ペトラ・マザーズ絵、今江祥智&遠藤育枝訳/BL出版)、『エレーナのセレナーデ』(キャンベル・ギースリン文、アナ・ファン絵、小島希里訳/BL出版)もよかった。『雪原の勇者 ノルウェーの兵士 ビルケバイネルの物語』(リーザ・ルンガ-ラーセン文、メアリー・アゼアリアン絵、千葉茂樹訳/BL出版)も冬に読みたい絵本。今年もBL出版がどんな絵本を出すのかとっても楽しみ。クリス・リデルの絵を堪能したのは、岩波から出た『ガリヴァー旅行記』(ジョナサン・スウィフト原作、クリス・リデル絵、原田範行訳)、まだ全部読めていないが、この画家の絵は本当に血しぶきをあびているような気分になるくらい、リアル。『マルラゲットとオオカミ』(マリイ・コルモン作、ゲルダ・ミューラー絵、ふしみみさを訳)など一連のパロル舎からでたペール・カストールの絵本シリーズもいい。ふしみさんにも、2004年にだされた訳書のお気に入りを聞いてみたところ、この『マルラゲットとオオカミ』をあげていた。竹色がきれいです。ペール・カストールといえば、動物物語シリーズとして刊行された絵本、『くまのブウル』(リダ フォシェ文、フェードル ロジャンコフスキー絵、いしいももこ訳/童話館)も2004年刊行絵本。以前、福音館書店からでていたものの改版で、中でもこの『くまのブウル』だけは、他のシリーズ絵本が版型を変えてしばらく出ていたのに対して30年ほど品切れだった絵本だ。小さい人は、科学の本が大好き。絵本とはいえ、長めの文章だが、小学生くらいになるとよく見て聞いてくれる。そうだ、リンドグレーンの『長くつ下のピッピ』(アストリッド・リンドグレーン作、イングリッド・ニイマン絵、いしいとしこ訳/徳間書店)も2004年の絵本だった。いま本国でも、イングリッド・ニイマンは再注目されているらしい。ということで、とりあえず翻訳ものを。創作や読み物はまた別途にしようっと。

それと、2005年の計は、たくさん読んで、練って推敲してたくさん書く。家族新聞を1年に4回以上は発行する。の2つにします。

2005.01.03

読み初め

リンドグレーンの『おもしろ荘の子どもたち』を読んだ。『きかんぼのちいちゃいいもうと』に通じる、子どものもつエネルギー、パワーを感じて楽しい読み初めになった。大人にとってはやってほしくないことと子どものやりたいことは、おもしろいくらいに近い。その近さが幸福となっている。たくさん楽しい時を過ごして大人になると、きっといいことあるように思うなあ。昨日は初売りのみなみストアーに行って、おもちを買った。あと、おみやげに伴助のほっけ。年末までの喧噪はおさまり、静かなスーパーになっていた。あんちゃん自らレジにたち、「今年もよろしくお願いします」と新年のあいさつ。棚もめぼしいものは、すべて売れているようで、ほとんどがらがら状態。もやしに新春10円の値段がついていた。外の看板の写真をとって、トップページに置いてみる。それからお土産にオレンジジュースとサイダーとほっけを持って、バスで友人宅へ。おいしい赤ワインをいただきながら、おつまみは、北海道の塩からなど。おいしいおそばもゆでてもらい、今度は大吟醸をごちそうになる。子どもたちは2階でわさわさと遊んでいる。友人家族が年末、骨休みに出かけている間、留守番のネコが2晩つづけて脱走し、セコムが警報を感知し調査したという。報告用紙に、ねこちゃんたちが感知されたようですが、自分たちで鍵をあけられるのでしょうか?と書いてあった。もちろん、ねこたちは自分たちで窓の鍵をあけられるらしい。

2005.01.01

迎春

2005年になりました。あたらしい年もどうぞよろしくお願いいたします。今朝はこづゆと、かまぼこと黒豆(みなみストアー手作り)、ひたし豆を食べました。子どもたちは、お年玉をもらってにこにこ。大人はのんびりくつろいでいます。つれあいは、パソコンまわりをガーッっと掃除機かけてほこりをとっていました。部屋の中はおもちゃでぐちゃぐちゃしています。次のごはんは何たべるのーと2階から子どもがさけんでます。私はあちこち、ちょこちょこサイトを新年モードにして、お茶を飲んだり、お酒を飲んだりしています。今日はどこにも出かけません。

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