« 読み初め | トップページ | 雑誌いろいろ »

2005.01.04

3冊ではなく

絵本アンケートの準備をしていると、とても3冊では足りなくて困ってしまう。確かに3冊というのは、たくさんの人がお薦めを書き、それを読むのに妥当な数字だと思うのだけど。ということで、自分自身をすっきりさせるために、去年読んだ好きな本をつらつらと書いてみる。絵本のダントツは『エルシー・ピドック ゆめでなわとびをする』(エリナー ファージョン作、シャーロット ヴォーク絵、石井桃子訳/岩波書店)。これはどんなに考えても変わらない。ファージョン全集を今年は読み返したいと思っているところ。ほかは、その時々なのだけど、『おへやのなかのおとのほん』(マーガレット・ワイズ ブラウン文、レナード ワイズガード絵、江國香織訳/ほるぷ出版)は、子どもに一番読んだ絵本だろう。何度も何度も読むと、好きがどんどんふくらむ絵本。これが絵本読みの醍醐味ですね。ウィリアム・スタイグの『みんなぼうしをかぶってた』(木坂涼訳/セーラー出版)は原書も持っているし、訳書もすばらしい。スタイグの追悼記事を書いてからもう1年以上もたったのだ。S・D・シンドラーという画家にも注目したのが2004年だった。『世界をかえた魚 タラの物語』(マーク・カーランスキー文、絵遠藤育枝訳/BL出版)は、絵本仕立てでタラについての蘊蓄が楽しく描かれている。セーラー出版から『しゃっくりがいこつ』(黒宮純子訳)もでて、子どもたちが大笑いしながら楽しんでいた。魔女ものは、小峰書店から江國さんの訳や金原さんの訳でおもしろいのがイロイロでた。そういえば、『魔女ひとり』(金原瑞人訳)もS・D・シンドラーだった。カウンティング絵本で絵がとってもユニーク。ユリア・ヴォリの『ぶた ふたたび』(森下圭子訳/文溪堂)も待って待ってでた1冊。昨年はクリスマスにユリア・ヴォリのお父さん、ペッカ・ヴォリの絵本も出た。『ラップランドのサンタクロース図鑑』(迫村裕子訳/文溪堂)がそれ。ベラ・B・ウィリアムズの『赤いカヌーにのって』斎藤倫子訳/あすなろ書房)も翻訳されてうれしかった。ウィリアムズは原書もほとんど持っていて、この絵本ももっているが、日本語になるといつでも子どもに読めるのでうれしい。追いかけている画家のもうひとり、マイラ・カルマンの絵本も出た。リトル・ドッグ・プレスから『しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる』(矢野顕子訳)というタイトルで刊行。カルマンの絵もきれいで自由で大好き、大好き。BL出版から出た『サティさんはかわりもの』(M.T.アンダーソン文、ペトラ・マザーズ絵、今江祥智&遠藤育枝訳/BL出版)、『エレーナのセレナーデ』(キャンベル・ギースリン文、アナ・ファン絵、小島希里訳/BL出版)もよかった。『雪原の勇者 ノルウェーの兵士 ビルケバイネルの物語』(リーザ・ルンガ-ラーセン文、メアリー・アゼアリアン絵、千葉茂樹訳/BL出版)も冬に読みたい絵本。今年もBL出版がどんな絵本を出すのかとっても楽しみ。クリス・リデルの絵を堪能したのは、岩波から出た『ガリヴァー旅行記』(ジョナサン・スウィフト原作、クリス・リデル絵、原田範行訳)、まだ全部読めていないが、この画家の絵は本当に血しぶきをあびているような気分になるくらい、リアル。『マルラゲットとオオカミ』(マリイ・コルモン作、ゲルダ・ミューラー絵、ふしみみさを訳)など一連のパロル舎からでたペール・カストールの絵本シリーズもいい。ふしみさんにも、2004年にだされた訳書のお気に入りを聞いてみたところ、この『マルラゲットとオオカミ』をあげていた。竹色がきれいです。ペール・カストールといえば、動物物語シリーズとして刊行された絵本、『くまのブウル』(リダ フォシェ文、フェードル ロジャンコフスキー絵、いしいももこ訳/童話館)も2004年刊行絵本。以前、福音館書店からでていたものの改版で、中でもこの『くまのブウル』だけは、他のシリーズ絵本が版型を変えてしばらく出ていたのに対して30年ほど品切れだった絵本だ。小さい人は、科学の本が大好き。絵本とはいえ、長めの文章だが、小学生くらいになるとよく見て聞いてくれる。そうだ、リンドグレーンの『長くつ下のピッピ』(アストリッド・リンドグレーン作、イングリッド・ニイマン絵、いしいとしこ訳/徳間書店)も2004年の絵本だった。いま本国でも、イングリッド・ニイマンは再注目されているらしい。ということで、とりあえず翻訳ものを。創作や読み物はまた別途にしようっと。

それと、2005年の計は、たくさん読んで、練って推敲してたくさん書く。家族新聞を1年に4回以上は発行する。の2つにします。

« 読み初め | トップページ | 雑誌いろいろ »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 3冊ではなく:

» 笑い声コレクター。 [耳の中には星の砂の忘れ物]
今日はゆっくりのんびりの休日。朝からエントリーシートを楽しく書いて郵便局へ出しに行って、お昼からお掃除したりお洗濯したり、久しぶりに落ち着けました。だら... [続きを読む]

» サティさんはかわりもの [日曜日生まれ!]
エリックサティは好きです。 たくさんの仲間がサティを支えていたのでしょう。 今では彼の作品を誰もが知っています。 奥さんが図書館で借りてきてくれました。 ありがとう。 サティさんはかわりもの 著者: M.T.アンダーソン /ペトラ・マザーズ 出版社:B... [続きを読む]

« 読み初め | トップページ | 雑誌いろいろ »

2024年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ