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2005年2月

2005.02.28

夕ご飯と詩ひとつ

昨日は「きょうの料理」からマロンレシピでちーずおやきと豆乳みそ汁をつくった。豆乳はいま、焼酎割で使うので、冷蔵庫に入っている。なので、このレシピを思い立ったのだが、つれあいは「まずい」と一言。子どもたちは、コーンが入っていて、コーンクリームスープとして「おいしい」とぺろりと食べてくれた。つれあいは豆乳の味が好みでないらしく、焼酎割も決して試そうとしない。
今日は、大豆とトマトのチーズグラタンをつくってみた。子どもたちはチーズがとろけている料理が大好きで、主にチーズをとりあって食べていた。ほかは、茎たち菜のおひたしに(今回はポン酢で味付け)に、おみそ汁(豆腐とわかめ)、五分つきごはん。思いたって、先日教えてもらった長いものチーズ焼きの大根バージョンでつくってみた。やはり長いもの方がしゃきしゃき感があっておいしい。大根は下ゆでせずに、少し薄めの輪切りにしてみたのだが、つれあいは、まぁ甘みは感じていいんじゃないと、なぐさめて(?)くれた。

今日届いた「図書」に連載されているアーサー・ビナード氏紹介の詩。もう一つのもおもしろかったのだけど、とりあえずこちらを引用。

履歴書
ドルシー・パーカー

剃刀は痛いし、
川の水は冷たい、
服毒だと見苦しくなるし、
麻薬だと胃が差し込む。
拳銃を使えば法に触れるし、
縄は切れるかもしれない、
ガスの臭いはむかむかするから
いっそのこと
生きるほうがましかも。

シェイカー通りの人びと

子どもが、「これ読んで」と持ってきて、久しぶりに読んだのが『シェイカー通りの人びと』。ハーキマー姉妹は広い土地の持ち主だったが、生活のために、その土地を切り売りするようになる。そして、気ままな質の人たちがこの土地に住みつくようになる。絵本の最初はそれぞれの家族を紹介し、たくさんの個人の名前が連なる。彼らはどのページでも、日々のスナップを撮られる被写体のように、じっと正面を見ている。やがて、ここにダムが建設されることになり、ほとんどの住人が土地を離れる。淡々とした語り口で色合いも静かで落ちついた絵本。5年前にこの絵本を入手し、よく読んでいた頃のこと、家族でドライブしていると、ダムが見えた。車をとめて、子どもに「これ、何かわかる?」と聞いたら「うん、わかるよ、『シェイカー通りの人びと』でしょ」と即答した。

シェイカー通りの人びと
アリス・プロベンセン作・マーティン・プロベンセン作・江国香織訳

2005.02.27

父の文章教室

昨晩、読み始めると止まらなくなり、『父の文章教室』(集英社新書)読了。

この本に描かれているのは、花村萬月という職業小説家が幼いころに父親から施されたある英才教育についての記録ですが
と、はじめにあり、私も幼少の頃、似たような経験があったので、共感とは少し違うような気もするのですが、とてもわかりやすく読めました。英才教育に感謝する内容ではなく、「思い出したくもない過去」であり、「いまのほうがよほど楽」ということが書かれているのです。記憶というのは曖昧なものだと前置きした上で、花村氏は、なるべく理性的に過去をつづろうとされ、幸い(と、この場合は言えると思うのですが)、その父親が比較的早く亡くなったので、花村氏はその教育から解放されます。でも、そこから、なのです。そう。21章は私にとって、この本の中で一番理解しやすい章でした。花村氏がこう書くことに躊躇いを覚えないとして、「私は幸福だった」といいきるところです。
ちょっとミーハーな紹介を少しいれると、この本の最終章には、「血の問題を避けてある個体を語ることはできません」として、金原ひとみさんのことにもふれています。

2005.02.26

まだまだ雪

今日は朝から細かい雪がふったりやんだり。そして寒く冷えています。ふぅ。

みなみストアーは開店時間の10時ジャストに入店。いろいろ買って、パチパチ写真をとり、深々とたがいにお辞儀をして帰ってきました。夕方もう一度行こうかなとちらりと思ったのですが、なんとなくやめました。今日の夕食は最後のお刺身、一番に出たまぐろの刺身です。とろりとうまい! 本当にいいスーパーでした。

注文していた本が遅れて今日到着。あとで発送された本の方が早くついて、はや、紛失かと少しだけ気がもめた。『日本文学史』(小西甚一 講談社学術文庫)は、『日本文藝史』が入手しにくい状況なので、こちらを求めた。『父の文章教室』(花村萬月 集英社新書)は、読むのがこわいような。『彼方なる歌に耳を澄ませよ』(アリステア・マクラウド 中野恵津子訳 新潮社クレスト)は、先の2冊を再読してから読もうかしらとも思ったり。『雪の女王』(アンデルセン作 ラース・ボー画 大塚勇三訳 福音館書店)は、すばらしい絵本! 子どもたちが小さい時にこの絵本が復刊されて、とってもうれしい。

2005.02.25

ラスト2日

とうとう明日で閉店。お店に入ってくる人が、「なくなると困るわ」と話しをしている。レジの方も、もうお子さんたちの顔を見られないねぇとしんみりしている。どんどんスッキリする棚を見ていると、閉店が近づいているのを実感。あんちゃんが地元に戻ってきてから3年とあったが、ちょうど私も生活形態が大きく変わって、近くに住んでいながらそれまで入ったことのないみなみストアーに通うようになったのも3年前だった。今日の買い物は、あんちゃん棚にあったドライトマトを3袋すべて買い占め、最後のオイルサーディンも購入。最後に残っていた生まぐろの刺身を奮発。お豆腐はやみくもにたくさん買ってしまう。茎たち菜もあったので購入。子どもたちがそれぞれに買い物カゴをもちたがったので、それぞれに同じ品物をいれる。つまりどれも2つずつ以上買った。おいしい長命納豆も今日はあったので、カゴに入れた。この納豆は他のスーパーにはないもので、これからも食べることはまずないだろう。豆がしっかりして、それはおいしい納豆で、はじめて口にした時はびっくりした。斉藤の豆腐は住所を調べて、週末に買いに行くようにしよう。あんちゃんのお客さんを見ている画像を blog にあげておいたが、しんみりした。

2005.02.24

みなみストアー製夕ご飯

みなみストアーもあと2日で閉店。ブログで昨日からお店の様子をあえて大きめの画像でupしています。

今日の夕飯は、みなみストアーで買ったおいしい斉藤の豆腐(もめんと絹)で湯豆腐、まいたけと人参のお吸い物、特売になっていた鶏肉(むね)をオルチョとクレイジーソルトで味付けしてローストしたもの、きゅうりの浅漬け(みなみストアーで買った浅漬けの素で)。お豆腐は本当に斉藤のが一番おいしいと思う。偶然会った、知り合いと立ち話した時も、ここのお豆腐はおいしいんだよね、湯豆腐にするとすっごくおいしいのと言って、その言葉でわが家のメニューも決まったのでした。おいしい夕ご飯、食材はぜんぶみなみストアーで買ったもの。

ブリクセン

中村びわさんが書かれていた『草原に落ちる影』(カーレン・ブリクセン 桝田啓介訳 筑摩書房)を読み終えてしまった。静けさ、優雅、強靱、尊厳、それらがすばらしい筆致でおさめられている。「ファラー」「王さまの手紙」「大いなる仕草」「山のこだま」の4つの作品が収録され、英語とデンマーク語で書いていた作家作品の、これはデンマーク語からの翻訳書。死期のせまっていた作家は、もはや英語版に加筆、改訂をする時間と体力が残されていなかったと、訳者あとがきにある。

なされ得しことは今やすべてなされ
そして、すべては無におわりぬ

農場のあいだで名医の誉れが高いブリクセンは、ひどい火傷をおって連れてこられたワウエッルに軟膏をぬり、繃帯を巻いた。3日ごとに継続した手当が必要だったにもかかわらず、来なくなってしまうワウエッルを見つける。苦労して巻いた繃帯は解かれ、そこには牛の糞が厚く塗られていた。この描写のあとに、この歌が引かれ、つづいて起こること――。センチメンタルな書き方しかできないけれど、涙がでました。

草原に落ちる影
カーレン・ブリクセン著・桝田啓介訳

2005.02.23

夕ごはん

昨日のごはんは、Hさんに教えていただいた長いも明太子チーズ。実家(北海道)の母から送られてきた長いもがあるので、レシピを求めていたところ、いくつか教わりそのひとつが、これ。今晩はまた別のレシピでつくります。楽しみ~。さて、長いも明太子チーズは、長いもをすって、明太子をほぐし、ピザ用チーズをかけてオーブントースターで5分。みなみストアーで明太子を求め、つくってみた。色合いもきれいで、子どもたちは一目見るなり「ごちそうだ!」と、他のおかずには目も向けない。ほかは、いつもの五分つきごはん、おみそ汁(大根と、茎たち菜)、かつおの刺身(季節はずれと言われたけれどおいしかった!)、鶏肉のカシューナッツ炒め。『ワニてんやわんや』(ロレンス・イェップ ないとうふみこ訳 徳間書店)にでてくる料理で、こちらも一度つくってみたかったのだ。大人2人は、子どもが長いも明太子チーズに心を奪われている間に、カシューナッツ炒めをばくばく食す。子どもにほとんど食べられ、大人の口に入ったの長いも明太子チーズはそれぞれ1口くらい。次はもっとたくさんつくろう。

ワニてんやわんや
ロレンス・イェップ作・ないとうふみこ訳・ワタナベユーコ絵

2005.02.22

みなみストアー最後のちらし

先ほど更新してきました。
お店はほんとにガラガラ状態です。
今日はだいこんやら、明太子やら、かつおの刺身やら、しいたけやらを買ってきました。
あと本当にもう少し。ぐすん。

虫予報はハズレ

▼ここまで降ると、カメムシ予報はハズレ。カマキリ予報も卵を上に見たという人はアタリだけど、下に見た人もいるのでハズレ。しんしんと降って、昨日までのとけかかっていたものは、すべてやりなおし。ふぅ。

▼気をとりなおして、昨日の夕ご飯。五分つきごはん。みそ汁(おいしい斉藤のお豆腐――これもあと数日で食べられなくなるが――とわかめと芹)、ごぼうとにんじんのきんぴら、茎たち菜のおひたし、長いもとキュウリの角切りフレンチドレッシング和え(おひたしとこのサラダはAさん伝授)、さんまの塩焼き。風邪に立ち向かえるよう、体力をつけるぞ。

▼『イルカの家』(ローズマリ・サトクリフ 乾由美子訳/評論社)を読了。何も大きな事件はおきず、淡々とした生活が描かれている。けれど、濃密な子ども時代の幸福がつまっている本。『子犬のピピン』(猪熊葉子訳/岩波書店)に通じる、やさしさのこもったサトクリフの本。生きる力をほとばらせている、ローマ・ブリテンの作品もとっても好きだが、こちらの作品も好き。どちらも、人間への深い愛情が感じられるので。

2005.02.21

読了

▼ノルマの10タイトルを読了。あとは書くこと。来月の本のタイトル一覧は届いていて、ちらりと見る。読みたいなぁと思っていたのが入っていてうれしい。

▼昨晩は久しぶりの鯛飯。みなみストアーで鯛が300円だったので、週末は鯛飯と買った時から決まっていた。他はかまぼことわかめのお吸い物、ポテトサラダ、エビとにんじんの天ぷら。ごちそうさま>つれあい

▼『ピーターおじいさんの昔話』(アーサー・ランサム 神宮輝夫訳 パピルス)を子どもたちに少しずつ読んでいる。昨日読んだのは「森番頭になった猫」。知恵をつかって頭(かしら)になっていく猫が小気味よい。原書発刊当時、32歳だったランサムが、生き生きと昔話を語っていて、どれもこれもめっぽうおもしろい本。これを読んでいると、しあわせに楽しくなる。

▼先日、古書店に行った折、子どもが立ち読みしてどうしてもほしいと言うので、江戸川乱歩の『二十面相の呪い』を購入。買ったあとで知ったのだが、ポプラ社から、ルパンシリーズとともにこの乱歩作品もぜーんぶ文庫になるらしい。私も子どもの頃、ルパンシリーズ全巻読んだ、なつかしい。

2005.02.20

フレンチトースト

「きょうの料理」の今月号もおいしそうな料理がいっぱい。朝食とはとてもいえない時間のごはんに、フレンチトーストとキャベツとソーセージの蒸し焼きをつくる。パンはつれあいが昨日焼いてくれたものを。パンの表面にまんべんなくグラニュー糖をふりかけるとパリッとするとあるので、わくわくしながら焼き上がりを待った。なるほど~。メープルシロップをかけて食べると、とっても甘くて子どもは喜んでいた。大人は1枚でおなかいっぱい。キャベツとソーセージの蒸し煮は大人だけ粒マスターとを別につけたら、子どもたちも「おとなっぽいから、ぼくも粒マスタードをつける!」と同じようにして食べて、「おとなになった気分だなぁ」と言っていた。粒マスタードはおとなの味なのね。夜は鯛ご飯の予定。土鍋でつくります、つれあいが。

2005.02.19

ジャクリーン・ウィルソン

バイバイわたしのおうち(チア・ブックス 10)
ジャクリーン・ウィルソン作・ニック・シャラット絵・小竹由美子訳

ウィルソン作品を読んだのは、原書が最初だったのだけど、書かれている内容から、日本の子どもたちにも待っている内容が書かれているなぁと思った。そして、偕成社さんから邦訳作品がではじめ、日本語で読めるようになり、やった!と小躍りした。私自身、一昔前の児童書で好まれそうな両親の離婚やら、夜逃げ、差し押さえ、やくざの取り立て、転校など、ひととおりこなしてきたので、センチメンタルでなく、でも子どもへの目線がきちんとあったかみがある作品をずっと探していた。図書館で探してもなかなかコレというのに出会わず、その手のシリアスものは本と対話するのが一番手っ取り早いのにと、子どもながらも残念だった。ウィルソンは重い内容をからりとあったかく書いている。今読めてもうれしけれど、あの時に読みたかったとも思う。

2005.02.18

つらつらと

▼さて、締切り間近です。残り1タイトル上下巻の2冊を残すのみ。上巻の2/3は読了。いつもながら、おもしろい本を最後に残してよかった。書こうと思っている本のすばらしい書評を読んだりすると、もう書かなくてもいいんじゃないかと思ってしまうのですが、ぐっとこらえねば(?)。

▼小学校入学説明会。先生方はのきなみ風邪でマスクをしていた。にも関わらず、途中でストーブを消して寒い中で3時間弱ほどすごす。寒いのになぜストーブをつけてくれないのだろう。

▼みなみストアーは毎日混雑していて、レジも忙しく、子どもが話しかけるのもはばかれるほど。大人は制止しても子どもは話しかけるのだけど。子どもは閉まるということもよくわからないので、なぜいつもは話しかけられたのに、駄目なんだろうと思っている様子。それはそうだろうな。今日はチラシにのっていたメンチカツ一個78円を家族分購入し、メンチカツ丼に。柔道の日なので、簡単夕食。あつあつごはんの上に、せんぎりキャベツ(ぱらりと塩をかけて)をどっさりのせて、メンチにソースたっぷりかけてできあがり。美味です。

▼『82歳の日記』(メイ・サートン・中村輝子訳/みすず書房)を読み始める。メイ・サートンの日記は、老いについてしみじみと考えさせられる。

2005.02.17

ウッレのスキーのたび

昨晩の眠る前の絵本は『ウッレのスキーのたび』(エルサ・ベスコフさく 石井登志子やく フェリシモ出版)。6歳の誕生日の本物のスキーをもらったウッレ。そのスキーで遊びたくてたまりません。けれども、なかなかたっぷり降らない雪を待ち続け、ようやくスキーができるくらいつもったので、さっそく森へ。そこで霜じいさんと出会います。
子どもはいつだって、遊びたくて遊びたくてうずうずしているのかも。わが家の子どもたちも、雪が降る前は「いつ冬がくるの?」と何度も聞いていたっけ。この間もちょっと吹雪のような天候なのに、どうしても外でソリ遊びがしたいと出て行った。学級閉鎖で退屈していた時も、ちょっとだけと庭でソリ遊びをして、小さな川に落ちてしまいちょこっとぬれて戻ってきた。この絵本のウッレも、寒いのはなんのその、雪を降らせてくれた冬王さまに「ありがとう」とお礼を言うくらい、雪を楽しんでいる。だから、ウッレの気持ちはわかるよという感じで聞き入っていた。雪どけばあさんは、時期はずれに仕事をして、霜じいさんに追っ払われ、ウッレもずっと雪どけばあさんなんてこない方がいいと思うのだけど、でも、季節はめぐった方がやっぱり楽しい。私はこの雪どけばあさんを見ると、わらべうたの「ほおずきばあさん」の歌を思い出してしまう。この歌も時期になるとほおずきを抜きにくるおばあさんの歌で、体を動かす楽しい歌。

2005.02.16

メキシコ

きれいな本をながめる。新聞のインタビュー記事を読んで、興味をもち、その人の書いた本を探してみた。『メキシコのわが家へようこそ』(黒沼ユリ子/主婦と生活社)を見つけることができ、借りて読む。終の住処と決めたトラヤカパンに建てた美しい家の写真とおいしそうなメキシコ料理の数々に、目が楽しくなる。サボテンがおいしいとあるが、どんな味なのだろう。いつか食べてみたい。次に本棚から『メキシコの織』(大英博物館ファブリックコレクション/デザインエクスチェンジ)をひっぱりだす。このファブリック・コレクションの写真は、変なたとえだが、かゆいところに手が届くように、織物全体の雰囲気がわかるような写真とともに、ここをもう少し近くで見たいというところが拡大された写真によって見ることができる美しい1冊。それから、ネルーダの詩集も読む。『マチュ・ピチュ山頂』(田村さと子訳/鳳書房)、“VI”より

そして大気は 眠るものすべてに
レモンの花の指で入りこんだ。
猛々しいアンデスから吹きつける、蒼い風の、
大気の千年、大気のいく月、いく週、
それらの風は やがてやさしい嵐となり
ひっそりとした石の構内を清めていった。

2005.02.15

みなみストアー閉店

あんちゃんのお父様(社長)の健康状態等勘案して、みなみストアーの店舗部分が今月いっぱいで閉店となるそうです。(卸部門は継続とのこと)私も昨日聞いたばかりで、どーんと落ち込み、買ってきた食材で料理する気力が出ず、簡単なものですませてしまいました。今日はつくらなきゃ。ふぅ。さみしいですが、お体の調子がよくないのでは、引き留めることもかなわず。魚部門は、このお父様のお力なくしては存続できないそうなのです。HPは閉店後もしばらくは続けますが、一定期間を経てクローズします。いつも愛ある野菜や魚の話を聞かせてもらい、買い物がとっても楽しかったです。残されるものはさみしいですが、、残りの日数、せっせと通います。さて、あんちゃんの進路はどうなるかしら。

2005.02.14

赤い目のドラゴン

赤い目のドラゴン』(アストリッド・リンドグレーン 文/ヤンソン 由実子 訳/イロン・ヴィークランド 絵/岩波書店)は、出会いと別れが、子どもの目線で静かに、そしてセンチメンタルではなく描かれている絵本。
「わたし」が小さかった時、ぶたごやでドラゴンと出会う。ぶたが赤ちゃんを10ぴき生んで満足そうに横たわっている横で、目をくりくりさせた赤い目のドラゴンがそこにいた。なぜそこにいたかはわからない。それからは、「わたし」と弟とドラゴンは遊んだり、いたずらしたり、好物のろうそくを食べたりしながら、親密な時を過ごすが、ドラゴンはずっとぶたごやに住むわけではない。最後のページは何度読み返したことだろう。「わたし」がどれだけドラゴンが好きなのか、しかし受け入れなくてはいけない悲しさ、切なさを、「わたし」がどんな風に受け止めたのか。それがとても伝わってくる終わり方なのだ。

 わたしは そのばん、本をよみませんでした。おふとんを
すっぽりかぶって、赤い目をしたみどりいろの わたしたちの
ドラゴンのことをかんがえて、なきました。
我が家の子どもが、誰かと別れることで泣くようになったのはいつからだったろう。小学校にあがり、8歳をすぎた頃だったろうか。お隣の仲良くしていた家族が引っ越した日は、ぼろぼろ泣いていた。さみしくてさみしくてたまらなかったようだ。「忘れないよう手紙をかこう」、泣きやむ直前にそう言っていた。

2005.02.13

絵かきえほん

モンスターをかこう!』(エド・エンバリー作/徳間書店)は、とっても便利な絵かき絵本。『どうぶつかけちゃうよ』(偕成社)も長く我が家の本棚にあり、皆が愛用していて、エンバリーファンなのだ。私も毎年これで干支をペイントで描いている。子どもたちが、『モンスターをかこう!』で次々描いているものは、近いうちにスキャンしてupする予定。自分の描いたものがパソコンで見られるのがうれしいらしく、気に入ったものができると、「これ、パソコンに入れてね」と持ってくる。絵心がなくても、いやあるともっといいとは思うが、単純な直線、丸、三角、四角、それらをちょっと応用した形で、子どもだけではなく、私にでもモンスターが描けてしまうのだ。子どもたちもおもしろくってしかたないらしく、この週末は毎晩、何枚も描いていた。こういう実用的な絵本は本当にいいと思う。そしてお手本は同じでも、子どもたちはそれぞれ違う味を出してくるのが、またおもしろい。

2005.02.12

夕ご飯

体調がまだよくないので、ぼうっとした一日を過ごす。ゆっくり朝寝坊をしてから、子どもたちのビデオを返し、次のを借り、つれあいの友人がくるのを待つ。子どもたちは「お客さん」がくるので、楽しみにしていた。数時間、とりとめなくおしゃべりをし、友人は絵ろうそくまつりに送っていった。朝は、上の子が下の子に、ホットケーキを焼いてくれた。メープルシロップをたっぷりかけて、3枚上手に焼いていた。お昼は、友人がくる時間にさしかかったので、市販の菓子パンを。チョコチップメロンパンを上の子が好きなので3つ買ったが、下の子はほとんど残して別のパンを食べた。夕ご飯は、しんどい私を気遣って、つれあいがつくってくれた。五分つきごはん、肉の少ない豚汁、キャベツを炒めて回りにしきつめ、まんなかに、卵と小松菜を炒めたもので味付けはそれぞれ別。とろろ。食べるのは下手だが、とろろは大好物なので、うれしい夕ご飯。子どもたちはおかわりして食べていた。おいしかった。

ごはんの後に、借りてきた「バレエ・カンパニー」を観る。人の体の美しさに、子どもたちが歓声をあげる。下のちびちゃんが、「これはできないなぁ」とまねをしていた。

2005.02.11

フウの眼はきれいだつた。
リオ。
おまえの眼もきれいだ。
Nile-blue のなかに光るblue-black。

オレはもう一杯。
オールドパアに。
雪を沈める。

註:フウ(カラス猫)
リオ(シャム猫)

草野心平は好きな詩人のひとりで、この詩はつれあいから教えてもらった、いまでは私も好きな詩。

いま、読んでいるのは、この草野氏の『酒味酒菜』(ゆまにて出版)。
彼が居酒屋もやっていたことを、この本で知る。とはいえ、このことは、家の本棚にある詩集にも書かれていることで、単に私が気づいていなかっただけ。好きな肴やゲテモノの話が延々とつらねてあるこの本は、「栄養と愛と実験、それらはやはり料理というものを進展させる要素だから」というような、しびれてしまう文章もたくさんあって、ゆっくりゆっくり読んでいる。たけの子について、「塩ゆでしてフレンチドレッシングなんかをかけたのもいただける」というくだりがあったので、さっそくまねしてみた。先日料理に使って冷蔵庫に残っていた、たけの子、芹、油あげをオルチョと塩でさっと炒め、フレンチドレッシングをかけて食べる。これがなかなかいけて、子どもにも好評。ほかは五分つきごはん、かぶと油あげのおみそ汁、鮭の糀づけを焼いたもの。

今日は子どもの柔道の大会で、我が家も2人出場した。寒いこの時期に行われる大会は、今年で49回めを迎えるそうだが、私たちには初めて。一番下のクラスは4人しかでていないので、負けはしたものの3位の賞状をもらえた。上の子もやっぱり負けてしまい、賞状をもらえず。そして、負けたその時ではなく、弟の賞状を見て、ぼろぼろ泣いていた。小学校低学年の子、特に男の子は負けると、ぼろぼろ泣いている。判定負けした子は、その旗があげられた瞬間、嗚咽が聞こえてくるほどだった。個人戦で幼児から高校生まであったのだが、高校生クラスになると、体も大きくなり試合も迫力を増す。最後の男子2試合はすごい気合いで、練習中からオーラを出していた2人が勝った。とてもいい試合で、私もつれあいも、「すごいなぁ」と興奮を分かち合った。

2005.02.10

センダック

▼風邪の症状が変化して、今日は一日咳がこんこん出た。さっき、もう我慢できなくて咳止めを飲む。さて、きいてくるかな。子どもの検診の間、咳の方はなんとか大丈夫だったのだが、ずっと大泣きしている子どもを抱っこし、なだめていたので、本調子でなかった私は帰宅後、くたびれて少し横になった。検診する部屋の雰囲気と最初に歯の磨き方を教わるために見た、大きい歯の模型が恐怖だったらしい。終わって部屋からでると、けろっと「おかあちゃん、おちゃ、のも」と、宣う。しかし、この歯の話で初めて聞いたのは、舌も磨きなさいということ。それ用の道具もあるらしく、近くのスーパーの名前と値段を言って、ぜひやってみてくださいと勧めていた。子どもの検診は3人目でもう何回もこの話を聞いているのだが、初耳の話でおもしろく、ひとつ物を知った。

▼夜、ひとりでセンダックの『おいしそうなバレエ』(ジェイムス・マーシャル文 さくまゆみこ訳/徳間書店)を読む。親友であるマーシャルを亡くして7年後につくった絵本。バレエ「白鳥の湖」をもじった原題"Swine Lake"は、その名の通り、ブタ、ブタの世界でオオカミが芸術と出会って人生の方向転換(?)をする物語だ。親友との別れから時間を経て、表現したこの絵本にセンダックは生きることへの励ましをこめているのだろうか。我が家の子どもたちは、みな、センダックの絵本が大好きで、その好きのすいつき具合は他の絵本と比べて群を抜いている。好きに理由はいらないさ、みたいに好きなのだ。"Angels and Wild Things: The Archetypal Poetics of Maurice Sendak" by John Cech を読みたいとずっと思っていて、手元にもあるのだが、大作故に、ぽつりぽつりとしか読めていない。でも、いつか、いつか読み切りたい1冊。

2005.02.09

一家に一さつ

長い時間をかけた人間の経験』(林京子著/講談社)。布団の中で読んでいるうちに、目が冴えて起きて読了。被爆者でもある作者が、同じ経験をした友人とお遍路に行く約束をしていたのだが、その友人の行方がわからなくなり、1人で旅にでる。その先々で、被爆の体験を反芻し、人間の経験について思考し、文章にしたもの。先に逝ってしまった人たちについて、そして生の起点となった被爆した日について。静かで淡々と書かれているのだが、被爆について書かれていることは、そのひだまでもが、深く深く読み手に残すものがある。もうひとつ収録されている「トリニティからトリニティ」は、“地球上ではじめて、アメリカ合衆国が原子爆弾の、爆発実験を行った地”トリニティへ2度行った、作者の体験が語られている。冒頭に、やはり被爆者である知り合いの医師からの賀状が引用されている。その言葉がずっしりと重く、しかと受け止めたのかと自問する。そして、この本の思いを受け止めねばと。

被爆、戦争、どれもまた事が起きないように、それを小さい人に残さないように、語り継ぐ言葉を聞きたいと思うが、聞き手は勝手なもので、その言葉の思いが上滑るようなものだと、ついつい横を向いてしまう。この作者は、事実という重みと被爆者という人間的感情を伝えようという一本の道にきちんとつなげている。

2005.02.08

作者の言葉

 

 もともと、「エイラ―地上の旅人」シリーズは、大人の読者のために書かれたものでした。本当は、自分のため、そして、現代人にきわめて近い人類が地球上に初めて登場した時代に生きていた、普通の大人の、複雑で洗練された生活を、私と同じように理解できる人たちのために書いたのです。
 私の作品を日本で最初に出してくれた出版社は、若い読者向けに翻訳することにしたため、未成年には不適切と思われる部分には省略された箇所もあります。結果的には、きわめて優れた日本語訳となったかもしれませんが、一般的な大人を対象とした小説の持つ複雑さが失われてしまいました。今回、原作どおりに翻訳し直され、日本の読者にオリジナルの作品を読んでもらえることをとても嬉しく思います。

ジーン・M・アウルは〈読者の皆様へ〉と冒頭にこう書いています。もっと長い文章ですが、最後の1パラグラフを引用しました。20年近くも前にカナダで友人が、この原書をとっても美しい小説よ、とすすめてくれました。つたない英語力でその雄大な世界を楽しんだことを今も覚えています。帰国して、この本が児童書として出ていると知り、大人向けじゃなく?とびっくりしたのですが、未成年に不適切な箇所を省略していたことは、今回はじめて知りました。原作どおりに翻訳されたことを強く望む作者の声が、この文章からとてもとても伝わってきました。

 ◎エイラの詳細はこちら

▼風邪はゆっくりぼちぼちと快復中。子どものようにぐんぐん治るといかないのは、まぁしかたがない。つれあいも少々ダウン気味だったので、今日は大事をとって休んでいた。子どもたちは元気、元気。バンホーテンのインスタントココアもちびちゃん以外の2人は「甘くておいしい!」と大喜び。風邪を治すためにもごはんはしっかりとろうと、夕飯は腕をふるう。ひじき寿司に茎立菜とお豆腐のみそ汁、きゅうりとわかめとじゃこの酢のもの、茎立菜の肉巻きをば。おいしかった! 会津の伝統野菜である茎立菜は今がとってもおいしい時期でしあわせな味。さぁ、明日はもっとよくなるぞ。そうそう、みなみストアーも久々にちらし更新してます!

2005.02.07

カフェオレ

▼本格的なものではなく、牛乳が8/9、珈琲1/9プラススプーン1杯のお砂糖を子どもたちはカフェオレとよんでいる。私もつれあいも、朝起きたら珈琲を飲み、休みの日は昼間、夕方も飲んでいるので、子ども達も飲みたくなるらしい。小学生の息子も、朝食と一緒に「カフェオレも忘れないでね」とリクエストしてくる。一番のちびちゃんが「かれ・れ、ちょーだい」と言うと、いつも何をほしがっているのだろう、と一瞬迷うと、すぐさま、まんなかの子が「カフェオレって言ったんだよ」と教えてくれる。ようやく最近はそのイントネーションからカフェオレと類推できるようになってきた。でも下2人は珈琲はスプーン1~2杯程度。それ以上にすると、おいしくないと言う。色がついているのか、いないのか、だけど、それでも彼らには満足できる飲み物になっている。毎日それを見ていて、昨日つれあいがコンビニで売っていたバンホーテンのインスタントココアがいいんじゃないと言うので、試しに買ってみた。さて、満足するだろうか。

▼昨晩はぜいぜいしながらも、「おかぁちゃんは具合悪いから絵本は読まないの?」と悲しそうに聞いてくるので「読めるよ」とつい返事してしまう。ふぅふぅしながら、図書館から借りてきた3冊を読んだ。上の子が「おかあさん、苦しそうだから、無理しないでね」とやさしい声をかけてくれる。ちびちゃんは、ちょっと絵本がさがってくると「みえない!」と文句をぶーぶー言う。まんなかの子は布団にもってきた3冊をぜったい全部読んでもらおうと、1冊終わるとすかさず次を渡してくれる。最後に読んだのは県立図書館から借りた『せかい1おいしいスープ』。いつも英語の絵本なので、日本語になっていて、安心(?)して聞いていた。

2005.02.06

豆ピザ

▼しつこく豆。そもそも、秘伝豆を食べたいと思ったのは、オルチョ画像BBSでみたピザがあまりにもおいしそうだったので。秘伝豆の濃い甘みがあるので、これと玉ねぎとピザソースだけでおいしいピザができあがるというもの。昨晩から豆を浸してゆでておいたので、今朝のごはんにつくってみた。おいしーい。シンプルなのだけど、子どもたちも、おかわり、おかわりとぺろりと4枚食べてしまった。この秘伝豆は、ア・コールでHP上での紹介はありませんが小売りしています(1キロ850円+送料)。

▼風邪をひいてしまい、今日はゆっくり布団の中にいようと思ったら、イロイロな用事ができてしまい、そうもいかず。お昼はつれあいが蕎麦をゆでて、きのこごはんを炊いてくれました。夜はいただきもののおかずとごはんとスープの予定。さて、寝てなおさなくては。パソコンも不調で、ハードディスクが刻々と壊れてる模様。ふぅ。

2005.02.05

ピーターおじいさん

ピーターおじいさんの昔話』(アーサー・ランサム著・神宮輝夫訳・ドミトリ・ミトローヒン挿絵/パピルス/本体3500円)をひとりで読んだり、声に出して家族に読んだり、子どもだけに読んでみたりと楽しんでいる。今日は、「塩」を車に乗っている間、声に出して読んだ。すえっこの無邪気でばかなイワンの冒険話。『空飛ぶ船と世界一のばか』(アーサー・ランサム 文・神宮 輝夫 訳・ユリー・シュルヴィッツ 絵/岩波書店/版元品切れ)もすえっこのばか息子が幸せになるロシアの昔話で、こちらもめっぽうおもしろい。「塩」も、車の中で大笑いしながら子どもたちは聞いていた、読んでいる私自身も時々ふきだしたほどだ。語りが豊かでとてもひきつける。寒い冬の日、ピーターおじいさんが、孫2人に語って聞かせる昔話なので、話の途中で孫2人の合いの手が入ったり、終わったところで感想をもらしたりするのだが、その感想がそうだよねぇ、私もそう思うととうなずいてしまう一言ばかり。パピルスのこの本はいま入手は可能なのだろうか? 

家をかこむ森は、深い雪に埋まっていた。ふりつもる雪の重みで、松の枝はたわむ。ときおり、重みにたえきれなくなった枝は、どどーっと音をたてて雪を地面におとし、枝はいきおいよくはねあがる。すると雪は、また、その枝に重荷をのせはじめる。家の中でしずかに耳をすましていると、くたびれた枝が、どどーっと雪の重荷をふりおとす音が、ときどききこえてくる。
この出だしではじまるのだが、いかにもいまの我が家と似ている。違うのは、木から落ちる雪の音ではなく、屋根から落ちるというくらい。風が吹くとすぐに吹雪のように、ひゅーん、ひゅーんと音がする。そんな日にこの昔話はぴったりだ。

ところで、パピルスの社主、小田光雄氏はFAX以後のITを一切使っていないそうだ。自家製野菜のみを常用するベジタリアンで、風呂も薪で沸かす生活だという記述を、ぐぐった記事で読んだ。図書館や本をめぐる本の著書もあり、読んでみたいと思う。もう1人のパピルス創立者、鶴ケ谷真一氏の著書も興味をひくタイトルのものがあるのを知った。また読みたい本が増えていく。

2005.02.04

大豆と手羽先の煮物

▼豆づいている今週。昨日は大豆と手羽先の煮物をつくった。いつかつくってみたいと、手羽先は買って冷凍していたので、それを解凍し大豆は常備しているものを。レシピは「きょうの料理」の有本葉子さんのを参考にした。ゴマ油で手羽先を炒め、大豆としょうゆと酒と水(できれば豆をゆでたもの)で煮るだけのシンプルなもの。主役は豆! 手羽の味がしみて、ほこほこのおいしい味になった。つれあいも「これはうまい!」と舌鼓をうち、子どもたちも「うゎ!甘い!」と喜んだ。ほかは、ネギと玉ねぎのおみそ汁、五分つきごはん、ポテトサラダ(きゅうり、にんじん、ゆで卵、いも)。

▼『ユダヤのむかし話』(高階美行/偕成社)より「おとうさんの遺言」を子どもたちに読む。動物はいつわらずに恩に報いるという話で、結末までいくと「へぇ」と驚いていた。

▼眠る前に読んだのは『しあわせの石のスープ』(ジョン・J・ミュース さく・え 三木卓やく フレーベル館)。読み始めてすぐに「あ、これ赤い本の話とおんなじだ」と声があがる。赤い本とは、マーシャ・ブラウンの"Stone Soup"(邦訳『せかい1おいしいスープ』マーシャ・ブラウン再話・絵 渡辺茂男訳 ペンギン社1979刊絶版・現在復刊ドット・コムでリクエスト投票受付中)。邦訳が長いこと入手できないので、原書を即興訳で読んでいる。『しあわせの石のスープ』の作者は、日本で石の彫刻を学んだことがあるそうだ。東洋思想に関心の深い作者は、3人の禅宗のお坊さんを中国を舞台にして、このお話をつくった。なので、スープにいれるものも、「きくらげ、とうがん、ゆりね、、」など、親しみある食材がでてきてうれしくなる。「おしまい」とページを閉じるとすぐに"Stone Soup"も持ってきて、こっちも読まなきゃねと子どもたちが言う。何度も読んでいる絵本だが、ここしばらくは手にしていなかったかも。読み終わると、どっちもおもしろいなぁと2人は喜んでいた。一番下のちびちゃんは、マーシャ・ブラウンのだけ聞いていた。

▼ジョン・J・ミュースの他の邦訳作品は『ふれ、ふれ、あめ!』(カレン・ヘス作・さくま ゆみこ訳/岩崎書店)の1冊がある。こちらの絵本のテキストは『ビリー・ジョーの大地』(伊藤比呂美訳/理論社)を書いたカレン・ヘスだ。ちなみにミュースの未訳絵本 "Three Questions" はフレーベル館で刊行予定。こちらはベトナム出身の禅僧、 ティク・ナット・ハンの著書に引用されていたトルストイの「皇帝の3つの問い」に触発され、それぞれ少年と動物たちに置きかえた物語になっている。

鬼のうで

鬼のうで』(赤羽末吉/偕成社)を節分の日に読んだ。まず見返しが美しい。シンプルにほのかな淡緑の線が入り、黒字に腕だけ白く浮かび上がっている。「そうれ それそれ そのむかし」という出だしではじまり、めりはりのある画面描写で、読み手、聞き手を鬼のうでとはいったいなんだ、どうなるんだと、ぐいぐいひっぱる。「さあて、それから」「やあれ、やれやれ」と、声にだしてこそ響く臨場感あふれるテキストが、絵の迫力をいっそうひきたてている。読んでいる私も時をさかのぼって羅生門の世界に入り込んで楽しんだ。しかし、節分の日に読んでいるので、鬼のでてくる豪快な場面では、まんなかの子は恐すぎてとうとう顔を横にそむけ、鬼のページが繰られてから顔を絵本に戻していた。小学生の息子は「なんだかすごいな」と、終わってからぽつりと言った。

小学校では豆まきはやらないが、園で子どもたち2人は鬼退治をしてきたという。作戦を友だちと練り、バナナの皮を置いてそれにすべって落ちる、落とし穴を掘り、お酒を飲ませて酔っぱらわせるという作戦だそうだ。作戦図もつくり、計画はバッチリ成功したとのこと。酔っぱらってふらふら逃げていったよ、と言っていた。ちなみに今年は赤鬼がきたそうだ。家でも豆まきしようねというと、にわかに顔がくもり、「え! 家にも鬼くるの」と怖がるので、退治したからこないと思うよと安心させようとしたのだが、ずっと怖がっていた。2階でひとりで眠るようになっていた小学生の息子も昨晩は「鬼がこないか念のために」と一緒にねむった。今朝、登園時に、まだいわしの頭が扉についていたので、「どうしてとらないの?」と不安げな子ども。まだ、鬼がそこらにいるのではないかと心配になったらしい。「念のためだと思うよ」と言っておいたが。。。

2005.02.03

サトクリフ

▼『イルカの家』(ローズマリー・サトクリフ・乾由美子訳・評論社)を読み始めている。評論社からは、『闇の女王に捧げる歌』以来、2作目のサトクリフの本。「何も起こらないからこそ、小さなよろこびややさしさを味わえる、こういう本もあっていいわ」という励ましが評論社からあったと乾さんがあとがきで書かれていて、読み進めるのが楽しみだ。

▼『ルーカス』読了。とてもよかった。わかりやすい言葉でYA世代の痛さ、そしてそれ故の喪失を普遍的に書けている物語だった。

▼他、文庫本1冊読了。読みきった10冊のレビューはただいま公開中。

▼「ライアンの娘」(デイヴィッド・リーン監督)をレンタルして観た。子どもが寝静まってひとりでこういう映画をみるのは何年ぶりだろう。ケープタウン近くの喜望峰の海岸で撮影されたという海はすばらしかった。劇場で観るともっともっとよいだろうに。皆、たくさん話をせずにとも表情や仕草でたっぷりの感情を出していて、その奥にある感情の深さに思いを馳せた。神父の最後のセリフがすごくよくて、眠る前にお風呂に入って気持ちを静めたほど。

▼みなみストアーは今週ちらしがお休みで少しさみしい。昨日は柔道の日で、お鍋。オルチョと塩と昆布で、うどん、白菜、芹、ネギ、春雨、鶏のもも肉をいれた。つれあいが帰宅すると、「いいにおいだなぁ」と、うれしそう。

▼今年の雪は少ないというカメムシ予報はうーん、どうなのだろう。60cmの積雪も記録されているし、山沿いは3m近い。昨日もけいてぃーで除雪している。今日もそうしなくてはいけない吹雪状態。

2005.02.02

覚え書き

■2月25日発売 『河岸忘日抄』(堀江敏幸・新潮社・1575円)
■2月25日発売『彼方なる歌に耳を澄ませよ』(アリステア・マクラウド・中野恵津子・訳・新潮社・2310円)

■2月16日重版『マンスフィールド 短篇集 幸福/園遊会他17篇』(崎山 正毅、伊沢 龍雄 訳・岩波文庫・903円)
■2月16日改版『名探偵カッレくん』(リンドグレーン・尾崎義訳・山田洋次解説・岩波少年文庫・714円)

■3月予定『星を探す者(仮)』(ティム・ボウラー・入江真佐子訳・早川書房)

2005.02.01

豆ごはん

塩ゆでした秘伝豆で豆ご飯を炊く。塩加減もよかったので、ただ豆をいれて炊いただけで、ほくほくしたごはんができた。夕飯、ほかには、しじみのおみそ汁、さつまいものピーナツバター和え、たらのネギ蒸し。「きょうの料理」のレシピコンテンツに20分でできる夕ご飯というのがあるのだけれど、その時間でできるものはないと思っていた。でも、今日のメニューのおみそ汁以外は本当に簡単にできた。さつまいものピーナツバター和えは、私にはちょっと甘かったけれど、子どもたちは、「なんて甘くておいしいんだろう」とほとんど食べていた。たらも、おいしいと好評。淡泊なお魚だけど、いろいろ料理するとおもしろい。おいしいご飯でした。

これから読む本、読んでいる本と秘伝豆

▼『バスの女運転手』(ヴァンサン・キュヴェリエ 作・キャンディス・アヤット 画・伏見操 訳/くもん出版)が出版された。まだ手元にきていないのだが、物語はゲラの時に読ませていただいた。センチメンタルではなく、じーんときて、ガハハと大笑いできるカラッとした物語だ。バスの女運転手が力強くて、乱暴者なのだけど、なかなか複雑な面も見せてくれ、その彼女に対抗する少年もいい。原書のペーパーバックに近い本の装幀にしたというので、届くのが楽しみ。

▼いま、読んでいる本は『ルーカス』(ケヴィン・ブルックス著・林 香織訳/角川書店)。今日中には読了すると思うのだが、すごくおもしろい。前作(『マーティン・ピッグ』より、ぐいぐい読ませる力があるように思う。ラストがどうなるのか。この2冊とも、装幀が英米のペーパー・バックのようで、軽くて値段も手頃、1050円(税込)。

▼『酒味酒菜』(草野心平 ゆまに出版)を入手。おもしろそうで、わくわく。

▼ウェストールの新作『禁じられた約束』(野沢香織訳/徳間書店)を近々読む予定。ウェストールは福武書店から出ていた時から読んでいる。今度、ウェストール・コレクションというレーベルで一連の作品プラス新刊として、『栄光への墜落』(仮題/小野寺健訳)、『クリスマスの幽霊』(仮題/坂崎麻子・光野多惠子訳)も出るようだ。

▼秘伝豆という山形は高畠町特産のお豆を取り寄せた。いま、塩茹でしたのをつまんだらおいしい! このままずっと食べ続けていたらすぐなくなってしまいそう。オルチョサイトではこの豆でピザをつくったのが載っていたので、それをぜひ試してみたいと思っているところ。

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