ナターシャ
ラトヴィアからカナダへ移住した作家が、同じようにカナダへ移住したロシア系家族を連作短編で描いた作品。32歳という若き作家が、移民生活のせつなさと家族のあたたかさを読ませてくれる。行ったことのないラトヴィアという国に、私自身の中にある離れた場所――生まれ生活した土地を思う。それと初恋の苦さも、事情を伴う転居も、外国語のような強い方言も、やっぱり思う。
表紙の写真もすてきでいい。
![]() | ナターシャ(Crest books) デイヴィッド・ベズモーズギス著・小竹由美子訳 |
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コメント
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トモコさん、今月はやはりぴったり10冊というのもよかったかも(^^)。分量的にほどよかったです。リクエストに『ナターシャ』入るといいですね~。私は今回リクエストしていた『天使の背徳』が入って読むのが楽しみ。確かにリクエストすると決まるまで読みたくても読めない状態になりますね。お気持ちわかります。
引越も大人と子どもではまた違うところもありますね。子どもにさんにとって、よりよいタイミングで移れますよう!
投稿: さかな | 2005.04.05 16:09
さかなさん、こんにちは~♪
今日、新刊採点UPされましたね。ボツボツ読ませていただいています。それにしてコンプリート5名とは凄い!他の方も8冊以上はクリアしてるし、書評を読む気にさせますね。それと目利き本にビックリ!『ナターシャ』だ。実はハイスミスの『目には見えない何か』と一緒に来月の課題本にリクエストしているのです。今、来月のリスト待ち状態で読みたいのに読めないのでうずうずしています。(笑)
翻訳稼業さんは、お母様が富山でしたか。私にとって「旅の人」は励ましの言葉になっています。苦しい事も長くは続かないという。でも子供にとっては、たとえ2年でも3年でも現場で実体のある日々なので、そこが少々問題です。来年6年生で転校した場合、友人のいない修学旅行はどんな思いで行くのだろうかとか…。私の出身地の関西は「よそさん」という身も蓋も無い言い方です。去年一年京都にいた友人が泣きながら(笑)今春東京に帰りました。彼女は学生時代の4年間を京都で過ごし、むしろ京都転勤を喜んでいたはずなのに、どういう立場で転入するかでも土地に対する印象が違うようです。
投稿: トモコ | 2005.04.05 14:32
国内で言葉が通じ合う人とのつきあいも、複雑なものが多々あるんですよね~。そのあたりは翻訳小説の方がうまくすくって書かれているような気がします。というか外国人の私にとって、その距離感に安心して読めるのかもしれません。
投稿: さかな | 2005.04.03 08:20
ああ、まだ『会津藩』なのですね。こちらでも、根っからのサヌキ人と話すと、同世代でも驚くほどの考え方の隔たりを感じることがあります。やはり違う世界を知っているかいないかって、大きいですよね。
投稿: 翻訳稼業 | 2005.04.02 22:54
「母語」というよりは「母方言」なのでしょうね。
自分の「母方言」ではない方言を我がものとしていく子どもたちは、不思議な存在に思えることが私にはあります。これは翻訳稼業さんとは、またちょっと違う感情だとは思うのですが。
生まれ育った所から一度も動いたことのない人にとっては、その「母方言」がないことそのものが、まぶしく見えることもあるのでしょうね。
ここ会津は家長制が強いので、50代でも家督をゆずられていなければ、家での発言権はないも等しく、そしてそれがふつうだと思っている人に複数お話することがあり、本当に様々なものがあるのだなぁと思ったことがあります。話がずれてしまってすみません。
投稿: さかな | 2005.04.02 21:15
こちらでも紹介してくださってるんですね、ありがとうございます!
トモコさんが書いていらっしゃる「旅の人」という言葉、懐かしい(ちょっと複雑な思いを抱きつつ)です。母が富山出身です。他県出身の転勤族の父と結婚して、以来ずっと「旅の人」の生活でした。だから私は故郷がありませんし、日本語のなかでの「母語」というか「母方言」もありません。
子供たちの中にしっかり根付いている故郷と母方言に、自分にはないものを感じてはっとすることがあります。
投稿: 翻訳稼業 | 2005.04.02 20:16
トモコさん、こんにちは。私は書評が終わったばかりなので、るるるんで本読みです。
私はたくさんの本をもっての引越はできればさけたいかなぁ(^^; 「旅の人」という響きはきれい。どうしてもどこにでも、よそから来た人が地になじむには時間がかかりますね。転勤しながら生活するのはタフさが必要ですね。
投稿: さかな | 2005.04.01 11:12
さかなさん、こんばんは~♪
『ナターシャ』私も読みたいと思っています…が最近、読書意欲が低下しており、積読本が雪崩をおこしそうな状態です。(笑)
前に、15人の幼稚園だったと書きましたが、小学校も全校90人足らずでした。その入学から1年半通った学校が、ついに今春廃校となった数校の中に入ってしまいました。その中には、ノーベル賞のあの田中さんの八人町小学校も含まれています。富山は、転入者を「旅の人」と呼ぶ排他的な側面もありますが、その言葉が逆に私のジプシー生活の支えにもなっています。
投稿: トモコ | 2005.03.31 23:34