晴天
気温変化の激しさよ。
昨日は茶碗洗いや洗濯ものをたたむことをさぼったので、午前中は最低限の家事を消化。子どもたちが外遊びしている間に、「バベットの晩餐会」を観る。スクリーンで観たのは京都で、当時一緒に仕事をしていた60代の女性と行った。見終わって、その方が「私はこの歳までなにしてたんやろ」という言葉をもらしたのを、いまでも覚えている。というか、その感想がずっと残っていたので、もう一度観ようと思っていた。おいしい食事で人を幸福にできるということにまったく異論はなく、バベットのつくる料理がかたくなな心をとかしていく様はぞくぞくする。映画のラストは本のそれより凝縮されていてすてきだった。
コメントで紹介いただいた「砂と霧の家」も観た。米国に暮らす亡命イラン人家族の生きる姿勢に、母国を出たからこそより大事にしていくものを見たような気がする。ピンとのばした背筋、家族を守ろうとする意志、子どもを慈しむ心。生活が壊れてしまっている米国人女性の痛々しさもせつなく。
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コメント
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そうそう、「バベットの晩餐会」で、みるみる幸福そうな顔になっていくのが本当によかった。
「砂と霧」はおっしゃるように、お父さんがよくて、よくて。ずっと外で仕事をして、家を買ったことで、その益が入ることをみこんで(?)仕事を辞めることを伝えに行く時のシーンが印象的でした。アメリカ人の方は、「俺じゃなくて事務所にいえば」と、背広姿に感情なにひとつ動かさず。なんだか、お父さんの心が見えてきて、ぐぐっときました。女の子を助け、客人をもてなそうと、料理を準備し、礼儀正しく丁重にとアドバイスする母親に神妙にこたえる息子の表情もすてきでした。
「コルドバ」は地図を追いながら読んだのですが、改宗について、ユダヤの生活について、知らない世界が少し近づいた気持ちになりますね。
投稿: さかな | 2005.05.01 20:10
「バベットの晩餐会」、恐る恐る美味しい料理を口へ運ぶうちにみんなの顔がほとびてきて、最後は美味しくて満腹で幸せ、幸せとなる、あのシーンがいいですよねえ。美味しいものをみんなで食べるって、やっぱりいいですよね!
「砂と霧」は、苦しい境遇の中で家長としての役割を必死で果たし、あくまで誇りを失うまいとするあのお父さんがなんともケナゲでした。そんな必死ななかで、アメリカ人の女の子に見せる一家の優しさ(あの父親でさえ!)もよかった。誰も悪くはないのにめぐり合わせでああなって、というのが切ないですね。
「告白」の途中で「コルドバ」を読んじゃいました。これまた胸に迫る物語ですね。歴史的事実の断片としてしか知らなかった改宗ユダヤ人の生活が細かく描かれていて、興味深かったです。
投稿: 翻訳屋 | 2005.05.01 13:42