オリーブを摘む夕暮れ
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『オリーブを摘む夕暮れ』(渡辺怜子著 晶文社/ハルキ文庫)
知らない食材がいっぱいでてきて、少し疎外感。やっぱり田舎では手に入れにくいんだなぁ、外国の料理だからなぁとへんてこりんな劣等感を最初にもったのだが、読み進めていくうちに、なんだ、イタリアという土地の国の郷土料理なんだと納得できて、それからはぐーんと深く楽しめた。日本国内においてすら郷土料理の食材は耳慣れないもの、写真がないおかげで、より想像しながら、こんな味なのかな、あんな味なのだろうかともっている食経験で補いながら読んでいった。素材の良さをいかしてシンプルにおいしい料理の数々を読んでいると、著者も書いているが、日本の料理にも通じるところがある。こんなおいしい料理を食べた、こういう素材の料理を食べた、などというカタログ的な内容ではなく、じっくり食べ物に向き合い、イタリアという国に向き合って書いている言葉は真摯。滋味ですてきな料理本でした。
そういえば、シューヘー通信で以前イタリア料理本の紹介があったと、さっそく今日注文してみた。オリーブオイルといえば、私的にはもちろんオルチョ。オルチョとこの本で何かつくってみようと、わくわくしているところ。
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コメント
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最初は書いたように、知らない食材だぁと思っていたのですが、途中からかわりました。これは幸福の本です。企画、編集いただいて深く感謝。こういうお仕事は幸せをつくってますね、ほんとうに!
長谷川さんの通信をかれこれ9年ほど購入しています。理論社サイトにあがる前にあの作品は全部まるごと1週間ほどサイトで公開していたのです。私はその時に読み、鳥肌たちました。理論社さんが出版してくださると知りすごくうれしく思っています。イラストも素晴らしいですね。シューヘー通信を長年購読していても、性根いれて読んだのは、カヨさんの話題がきっかけかもしれません。掲示板をじっくり読んだあと、シューヘー通信を読むとまた違って読めるのです。
投稿: さかな | 2005.08.12 23:22
さかなさん、こんにちは。
『オリーブ〜』ご紹介くださってうれしいです、有難うございます!
心深く読んでいただき、編集冥利につきます。
著者の渡辺さんは、アントニオ・グラムシの『父から子どもたちへ』という本を訳していて、
こちらも、滋味溢れる本です。
ところで、昨日わたしは長谷川集平さんのサイトに久しぶりに行っていろいろ読み、
あーだこーだいろいろ…考えていたんです。
で、きょう、さかなさんちにお邪魔したら、シューヘー通信の話題が!
なんと素敵なシンクロだーとひとり浮かれてパソコンの前で踊ってしまいました。。
理論社サイトの集平さんの連載小説も、次がどうなるのか…楽しみですね。
投稿: ゆきんこひまわり | 2005.08.12 20:03