ムナーリ
ムナーリの『闇の夜に』にはドキドキさせられる。こぶりの、薄さも1cmも満たない、この絵本を開いてみると、目に入るのは“ともしび”。最初は遠くに、それがだんだん近づいて、朝になる。ペラリ、ペラリと草むらをかきわけるようにページを繰る。虫たちがそこここにいる。進んでいくと、そこには洞穴。奥につづく穴がある。どんどん穴に入っていく。洞穴に描かれているものは? そして地下にもこれがあるなんて! 進む、進む、そして見えるものは……。
デザインの魔術にうなる。サブダ氏は立体的なポップアップ絵本で、驚きをもたらすが、ムナーリは平面を立体的に奥深くみせてくれる。ほんの少しだけの仕掛けで。この絵本は手元において堪能することをオススメ。
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