竜とわれらの時代
竜とわれらの時代
川端裕人 徳間書店
少し前に読了。読むきっかけは『ティラノサウルス』を描かれた方が表紙を担当されていると知って興味をもったことだ。
出だしはのんびりゆったりと、しかしその出だし以外はスピードがあがり様々な展開がいっせいに起こる。ギアをいっきに五速にして読み出す。第一印象で兄弟のどちらが恐竜をきっかけに世界に出て行くのだろうと予想し、こちらの方かなと想像したのははずれ。なるほど、こちらだったのかと余韻にひたることもなく、とにかく物語はぐいぐい前進していく。兄弟だけの物語ではなく、兄弟の親、祖母と何世代かに渡って語られる物語、彼らが住んでいた小さな村でのまち起こしにつながる恐竜、そして研究していく世界でのまた別の物語。複数のストーリーが重なり合い、緊張感の続く読みが続く。なるほど、ラストはこうか。
ひとつのことを掘り下げるのではなく、もちろん世の中は複数の事柄が同時進行するのだから、そういう意味ではごく自然に、兄弟それぞれの生活を軸に、恐竜の発掘、学会社会、小さな村社会では必須(?)項目の村おこしまでもりこまれている。そのふんだんさに、ちょっと肩に力が入って読みきった。ラストもその先がみえるような、まだまだ続くような、含みのある終わりになっている。読んでいる間は、さまざまなアクシデントにふりまわされるように読み、あちこちにふりまわされたその感覚を楽しんだ。そし読了したいまは、彼らのその後を知りたくなっている。あの夫婦はどんな風に年をとっていくのだろうとか、あの子どもはどんな成長をとげるのだろうとかと。



カワバタさん
コメントありがとうございます。おそらく同じ時間帯に私はカワバタさんの所にコメントを書いていたみたいです(笑)。
何度かコメントを書こうとブログにおうかがいすると、おもしろい記事を見つけて読んでいて、ふむふむ、なるほどと考えたことで満足して書けないでいたのです。新刊もぜひ読んでみます。
投稿: さかな | 2005.11.10 20:33
はじめまして。カワバタヒロトです。Corvoさんのお知り合いなんですね。読んで頂いて恐縮です。楽しんで頂けたなら、さらに小躍りして喜びます。
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: カワバタ | 2005.11.10 17:42
こんにちは
読了後、corvoさんの8月頃のブログで写真をじっくり見ました。読んでからだと、何か違う風景に見えてきます。モデルになった人物もいるのですね。
たくさんのエピソードも読み終わったあと、あれこれどうなったんだろうと長く余韻を残して楽しいです。
川端さんにも送ってみます、どきどき。
投稿: さかな | 2005.11.09 14:12
ご無沙汰しています。
読了されたのですね。たくさんのエピソードが絡まり合っていて、肩に力がはいるという感覚よく分かります。この小説の舞台は架空の土地ですが、モデルになっている土地は毎年調査に行っている場所です。(8月ごろ私のブログで紹介していました)
内情を知っている人間にとっては、モデルになった人物などが思い浮かべられる楽しみもあります。
どうもありがとうございました。
川端さんにも直接メッセージを送られると、喜ばれると思います。
投稿: corvo | 2005.11.08 17:10