ナイチンゲール
『ナイチンゲール』(アンデルセン―原作 赤木かん子―文 丹地陽子―絵 フェリシモ)
アンデルセンの有名な「ナイチンゲール」の話です。かん子さんの端正で美しい日本語が、アンデルセン世界に深く誘いこんでくれます。最後の死神のところは、子どもに読んでいる私までもがぐぐっときました。丹地さんの絵もすばらしい。めりはりがあり、文のもりあがりと息ぴったりという感じ。ナイチンゲールが12本の糸につながれて散歩するシーンはおかしみもあり、何より美しい。おぉ、アンデルセンよ!と心の中で感嘆しつつ、淡々と子どもに読みました。まんなかの子が「感激したー」と顔を輝かせています。「ぼくは死神のところが怖かった」と上の子。ちびちゃんはお兄ちゃんたちの表情も見ていました。
読了後、福音館文庫の「ナイチンゲール」とErik Christian Haugaard 氏の英訳で"The Nightingale"をあらためて読み返しました。確かに、皇帝の年齢がはっきりとわかる記述はないのですね。かん子さんが皇帝をいままでの訳されたきた皇帝とは一味違う人物に描いています。
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