水に沈む牛
出版社の出すPR誌が好きでいくつか購読しています。紙類の多い家なので、届いたものは、ざざっと目を通しておかないとすぐどこかにまぎれこんでしまう。今回届いたものも、届いてから、子どもたちがどこかに置いてしばらく読めずにいました。届いていないなと思っていたのですが、ひょこっと見つけてよかったと安堵。
服部文祥さんという名前を知ったのは、みすず書房の新刊から。山にも登らないし、釣りもしないし、サバイバルな生活からは縁遠いので、すぐ読みたいと思わなかったのですが、今回の雑誌に載っていた「水に沈む牛」がおもしろく、『サバイバル登山家』も読んでみようと思っています。
インドに釣りに行った時の話が書かれ、ひとりでトラウトフィッシャーをしている様子が細かく描写されています。釣り経験は10年以上も前に少し、それも近所の川に何回か竿をたらしただけなので、どの単語も親しみをもてず、つらつらと読んでいたのですが、思ったよりも長めの文章に少しずつ慣れ「釣りとは時間を止めることができる行為なのだ」というところで、ずいぶん惹かれはじめ、オチを楽しみに読み進めました。思ったよりあっさりと、かっこわるく終わったその文章ですっかり書き手の名前を覚えました。
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