ハイジ
子どもの本だよりで、竹山訳のハイジが紹介され、さっそく注文していた。なかなか読めず、ようやく読めた。木訥として語りで、いくども泣きそうになりながら夢中になって読んだ。
気になっていた、子どもの本だよりのページをようやく更新しました。『ハイジ』(上下)の紹介はこちら→◆
現在、岩波少年文庫からは上田 真而子訳で出ています。子どもの本だよりでは、吉田さんが幼い頃から慣れ親しんだという竹山道雄訳で紹介されていたので、古書店で探して読んだのです。ちなみに、福音館からは、矢川澄子訳で出ています。挿絵もそれぞれなので、自分にあうのを探してみるのも、古典を読む楽しみのひとつかもしれません。
読み返してみて、ハイジのそれこそ無垢で純真を体言したかのような描写に、ウソくささもなく、まっすぐに響くものがありました。キリスト教の精神が静かに満ちている物語でもありますが、信仰をもっていなくても、物語の真髄は届くでしょう。
少し違う側面からハイジを楽しむのにいい本が出ました。『子どもの本を読みなおす』(チャールズ・フレイ&ジョン・グリフィス 鈴木宏枝訳 原書房)
『ハイジ』の世界では、だれもが「自分自身の主人」になる。それは、「自分だけの自由に有頂天になる」ためではなく、「ほかの人を助けられるようになる」ためである。これが、シュピーリの道徳観におけるものごとの秩序である。
この本では他にもアンデルセン、ディケンズ、エドワード・リア、ジョージ・マクドナルドら、全部で28人の作家作品をとりあげ、「説得力ある読み方」を提示している。まだハイジのところしか読めていないので、これから読み進めるのが楽しみ。
原書房 (2006.10)
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