サトラピだいすき
『ペルセポリス』でファンになったサトラピの『刺繍』、ずっと読みたいと思っていました。最近、ようやく読了。おもしろかった。表紙に出ている、女、女の面々と刺繍がどうつながるのだろうと思っていたら、ほう、こうきたか。
女同士でかしましく語られる茶話会での様子。サトラピの絵と共に、ミもフタもない内容に吹き出しながら読んでしまいます。「陰口をたたく、これは心の換気よ」という胸がすっとするようなセリフをはじめ、小気味よい陰口から男女のあれこれやら。あー、おもしろかった。
シチュエーションは違いますが、もう何年前に面打ちを習っていたのですが、その時に一緒にやっていた人たちは、ほとんどが男性。女性は私ともう一人、私より年上の方でした。年配の男性方たちの話すことは、ちょっとこの『刺繍』に通じるものがあり、思い出しました。「歯が何本残っているか」に始まり、定年後にどれだけの習い事で一週間がうまっているか、そして男女のあれこれも。同年代や会社では聞けない話が耳に入ってきて、面打ちの楽しみとは別のおもしろさがあったのです。
そのサトラピの絵本が英訳されていることを、marginaliaさんのサイトで教わりさっそく注文。
むかし、あるところに Marie という女の子が住んでいました、という昔話調ではじまるお話は、夜な夜なベッドに訪れるお化けに悩まされるMarieが描かれます。ペルシャ生まれだから根っからの語り部なのというサトラピらしく、話がしっかりしていて読ませます。絵は、小説の絵より少しシンプルに、色はくっきりはっきりしていて、太い黒い線で縁取りされています。ラストのおちも昔話的でした。
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