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2007年6月

2007.06.29

100年、

オンライン書店ビーケーワン:ユリイカ 第39巻第8号

 石井桃子さん特集の何と多いことか。大きな大きな仕事をしてきた人の100歳をしみじみ感じます。かつら文庫の第一号の子どもが大人になって、文章を寄せています。5歳の時に感じたことを大人になって言葉にできるなんて、それはきっと幸福なことだろうなと思いました。

2007.06.28

最強の天使

最強の天使
まはら 三桃著

 小栗周一郎、通称クリショーは母親が経営するマロン美容室の看板少年。心惹かれる後輩の志帆に伝えなくてはいけないことを、すっとうまく言えなくてもやもやしている時に、なんだかまわりがにぎやかになってきた。家出した父親の父親、クリショーの大嫌いなじいさんが会いたいと手紙を書いてきたり、同性の後輩からも意味深な手紙を受け取る。タイトルの最強の天使とはだれぞや?

 前作『カラフルな闇』で登場した志帆を覚えているだろうか、そしてクリショーもこの本の時から登場していることを。『カラフル~』では志帆の視点で描き、本作ではクリショーが中心にうごく。大きな展開をみせるわけではなく、クリショーの日常がなんてことはなく綴られていくのだけど、ひねくれもののじいさんが随所に存在感をあらわし、非日常の味付けをしてくれる。父親がいない生活になってから9年後が描かれているので、家族が欠けた悲壮感も薄れている。けれど、いなくなった人の存在はしっかりある。じいさんと9年会っていなくても、じいさんであり、いなくなった父親もどこかに生きている。

 なんていったらいいのだろう。読んでいて、どんどんいい気持ちになった。クリショーのもやもやも、じいさんの偏屈ぶりも、人間らしく、愛おしく。最強の意味がわかると、なお。

 創作ものは、「あとがき」がないことが多いけれど、まはらさんの作品はどちらにもついている。あったかく作品を送り出す気持ちが、短い文章ににじみでていて、これまたいい気持ちになるのだ。私は子どもの頃、本の最初に引用されている言葉を読むのが好きだった。物語にこめた祈りを凝縮したような言霊を感じていたのだと思う。まはらさんの「あとがき」を読んで、子どもの頃に読んだ本を思いだした。大げさかもしれないが生きていく勇気をもらえたし、支えになった。大人が本気で子どものことを思って、物語を書いてくれているんだとびっくりもした。『最強の天使』を、そう思って読んでくれる子どもがひとりでも多くいますように。

2007.06.25

気になる新刊

オンライン書店ビーケーワン:ザ・セキセイインコ オンライン書店ビーケーワン:鍬形 オンライン書店ビーケーワン:人魚姫
オンライン書店ビーケーワン:ミスフォーチュン オンライン書店ビーケーワン:アパトサウルス オンライン書店ビーケーワン:ユーリーとソーニャ
オンライン書店ビーケーワン:ポータブル・ゴースト オンライン書店ビーケーワン:法律家たちのユーモア オンライン書店ビーケーワン:ファイヤーガール

2007.06.24

天気のいい週末

 梅雨の晴れ間にもかかわらず、昨日は一日蒸し風呂のような体育館にこもる。終わって暗幕を開けた時のすがすがしさ。暑いけれど、窓からさーっと入ってくる風が気持ちよかった。一度帰って、家事雑事をこなし、夕方からまた外出。昼間に声を変に力んで出したせいか、声がかすれてしか出てこない。うぅ。『根付』を読みながら、しばしその美しさを堪能。お金がわくほどあったらコレクターになりたいほど。
オンライン書店ビーケーワン:根付

 今日も晴れ。朝から草払い。打ち合わせでさっき集会所に行き、帰りに野菜を売るためにリヤカーをひいているおばさんに「おや、人足だね、たいしたもんだ」とほめられる(?)。首にタオルまいて、ぼうしかぶって、長靴はいていたら一目瞭然の姿なのだろう。さて、行きますか。

2007.06.21

ごはん/うれしい本

 東北も梅雨入り。じとじとしています。

 夕ごはんは、きゅうりとわかめの酢のもの、五分付き六穀米、大根と油揚げのおみそ汁、焼きさんま、野菜サラダ、春菊の割り醤油。野菜はどれも地元のもので、春菊のほろ苦さが絶妙。オルチョで炒めたあとに割り醤油で食しました。さんまを食べている時は、みな集中して黙々と身をほぐして食べてたのですが、ちびちゃんが、子ども3人の中で一番きれいに食べました。内臓のところも食べ、目玉も食べ、骨を丁寧に取り、すばらしいとほめられニコニコでした。一度、骨が喉にささって痛い思いをしたことのある上の子は、それ以来、骨がすこし苦手で、妹に及ばず。まんなかの子はふつうかな。とにもかくにも、大根おろしたっぷりつけて、きれいにぺろりと食べたちびちゃんです。

 いま、『古本暮らし』を読んでいるのですが、孫引きしたくなる引用が多々あり読んでいて本当に楽しい。読み終わりたくないくらい。
オンライン書店ビーケーワン:古本暮らし

 それとうれしい本が出ました。注目している作家の第二作目。早く入手しなくちゃ。

最強の天使
最強の天使
posted with 簡単リンクくん at 2007. 6.21
まはら 三桃著
講談社 (2007.6)
ISBN : 4062140705
価格 : ¥1,470

2007.06.18

こうもりとさかな

オンライン書店ビーケーワン:まちのコウモリ

コウモリは毎日見ていますが、それは空を飛んでいるのを見ているのであって、こんなにじっくり顔やらうんちを見たことがありませんでした。子どもたちは小学校でも見かけているので、「おかあさん、うちの玄関近くにいつもあるのは、こうもりのうんちだよ」とこの絵本で教えてくれて、じっくり見たらそうでした。カエルのうんちかと思っていたので、目から鱗が落ちました。そうですか、これはコウモリのだったのですか。

 しかし、この絵本をながめていると、コウモリの顔、コワイです。歯がとがっていて、猛々しいのです。子どもは嬉々としてページを繰りながら、何度も私に絵本を見せてくれますが。

オンライン書店ビーケーワン:ゆりかごは口の中

こちらは絵本ではなく、読み物です。カラーの写真も多くあり、口の中で子どもを育てる魚が子ども向けにやさしい語り口で書かれていて、上の子が気に入って読んでいました。口の中で子育てする魚がたくさん棲んでいるタンガニーカ湖は、まるで海のように見えます。この本は最初に子どもが読み、私に湖の写真のページを見せて「これは海でしょうか、湖でしょうか」と言ってきました。そして「湖なんだよ、見えないよね」とおもしろそうに、また続きを読みに行きました。私も今日読んだのですが、魚の子育てもいろいろなのだと興味深かったです。

2007.06.16

玄関で座り込む

ブンブン堂のグレちゃん
グレゴリ青山著
イースト・プレス (2007.6)
ISBN : 487257785X
価格 : ¥1,155

2007.06.14

ふと気になって

 今日は原稿読みに集中する日と位置付けて、朝からせっせと読む。読んで読んで、夕方には頭が空っぽ状態。

 夕ごはんは簡単に五目寿司、しじみのおみそ汁、にら玉焼き。卵焼きに、にらをざっくり切って包み焼きするもので、以前、「きょうの料理」で見かけたのだが、うまくできて、子どもたちには明日の朝ごはんにもこれをつくってとリクエスト。オーケー。

 子どもたちがお風呂に入っている間、ぼうっとネットをぐるぐるしていて、気になる本と出会う。昨日も数冊注文しているのに、そして床にもいっぱい本があるのに、、(以下略)。

オンライン書店ビーケーワン:マファルダ 1

2007.06.12

和風パスタ

 オルチョのこんぶスパゲッティを食しました。デュラム小麦に3%の昆布を練りこんだもので、食べるときは和風味でねとアドバイスを受けていたもの。どんな和風ものにしようかと思い、子どもたちの好物である納豆を使うことに。

 塩分5%の熱湯でゆでること8分。その間に玉ねぎをスライスし、万能葱をきざみます。ゆであがったパスタをたっぷりのオルチョでからめ、玉ねぎをいれて少しだけ炒めます。それから、納豆、万能葱、きざみのりをかけてできあがり。とってもおいしくて、子どもたちにはおかわりもつくったほど。最初は黒いパスタに、そば?と聞いていた子どもたちも、これ、んまーい!と大喜びでした。おいしかった。

2007.06.10

気になる新刊

オンライン書店ビーケーワン:猫・大通り オンライン書店ビーケーワン:アパルーサの決闘 オンライン書店ビーケーワン:セーラーとペッカの運だめし
オンライン書店ビーケーワン:雨がふったら、どこへいく? オンライン書店ビーケーワン:カルーソーという悲劇 オンライン書店ビーケーワン:復讐はお好き?

2007.06.07

ごはん

 庭にさくらんぼの木を植えて、7年か8年ほどたち、今年初めて実が赤くなり、家族の口にはいっています。赤くなるたびに、鳥より早く食べねばと子どもたちが競ってとり、今日は10個以上。ひとり何個と、あまりのある割り算をしながら、いいおやつになってます。うれしいな。ワイルドベリーも、今年は少ないような気がしていたのですが、たっぷり実をつけてくれ、こちらは、子どもたちが登校、登園、帰宅の際、家に入る前にぱくぱく食べています。

 今日は子どもがカレー食べたい食べたいというので、ふつうにカレーを。トッピングにゆで卵のスライスとナスをオルチョで炒めたものをのせました。福神漬けも一緒に。昨日は柔道の日だったので、ほうれん草とベーコンのパスタと牛乳。一昨日は、麩入り肉だんごをメインのおかずにして、もずくときゅうりの酢のもの、五分付きごはん、じゃがいものおみそ汁。もずくは子どもたちの大好物。まんなかの子は「なんか、納豆みたいなんだよね、うまくて」と不思議なことを言います。

うかたま 2007年 07月号 [雑誌]

 新しい号が届きました。長門市で行われたという「食の祭典」の様子がなんともおいしそう。おかんのごちそう祭りというタイトル記事で、ぬた和え、アジの酢の物、いとこ煮、義隆ずし(押し寿司)などなど、一品ずつの料理写真もそそられます。アジの酢の物、食べてみたい!

2007.06.05

アラスカを追いかけて

アラスカを追いかけて
ジョン・グリーン〔著〕 / 伊達 淳訳


Looking for Alaska
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John Green
Speak (2006/12/28)
売り上げランキング: 81579
An Abundance of Katherines
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John Green
Dutton Childrens Books (2006/09/21)
売り上げランキング: 236625


2007.06.03

ないしょ

 友人のブログでいい詩集を教わった。注文して届いたら、予想にたがわず美しいたたずまいの詩集で、ほくほくとうれしくなった。限定三百三十三部、私のは八十八。

『ないしょ』(伊藤茂次詩集/龜鳴屋)より

 運命

インスタントコーヒもなくなり
飴もなくなり
ビスケットははじめからなく
ある物は僕の肉体と
名前と淋しく呑気な
精神は苦労する
精神が無かったら死であろう
困ってもあったほうがいい
死んだ人間は痛いとも
すまないとも云わない
生きているから困った者になってしまったと
思い
それが普遍化して
困った人間だとなるのである
僕が小学生の頃義母は
海産物屋になりなさい
かならずもうかる
海産物屋には夏も冬もないから
僕は小学校しか出ていない
義母は活版屋になったら字を
覚えるから
字を覚えて偉くなった人がたくさんいる
本屋の店員、軍人になって偉くなった人もたくさんいる
 然しみんな死ぬのだ
小林秀雄が生き返って酒を飲んでる
とは聞いたことがない
本居宣長が生きているうちに
派手な葬送をしたらしいが
死んだ人間が俺は幸福だったと
生き返ったためしがない
欲望は
『欲望と云う名の電車』だけで充分だ
僕はでくの坊でいい

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