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2007.10.30

100年

 100年、100歳というのは途方もない年月に思えます。この年齢まで生きられるとしたならば、私もまだ半分にも到達していないのですから。

 今年100歳のお誕生日を迎えられた石井桃子さんの特集が、複数の雑誌で組まれました。そこで働き訳書も多く出している岩波からは、「図書」というPR誌で鼎談が組まれ、雑誌「MOE」、「AERA」、「yomyom」、「母の友」、「ユリイカ」、そしてつい先日発売された「飛ぶ教室」でも。
 これだけ同じ特集が重なると、どうしたって執筆者も重なってしまう。どこで切り口を新鮮に見せてくれるか、読み比べてみるのもおもしろいものでした。
 ご本人のインタビューは「yomyom」にも掲載されていますが、3年前、「ユリイカ」でクマのプーさんが特集された時に掲載された安達まみさん聞き手のものがおもしろかったです。ちょうど、ミルンの自伝を訳され、校正が終わった直後というタイミングの良さもあったのか、ぽんぽんと出る話どれもが興味深かったです。3年後の今年、「ユリイカ」は石井桃子特集を組んだのですが、ご本人の肉声はなく、その代わり、1967年に書かれた「子どもの読書の導き方」を掲載していて、こちらもおもしろいものです。

   

 「飛ぶ教室」(2007年秋号)では、神宮氏の文章で、“石井さんは、日本の子どもの文学全般については、ずっと控えめで間接的な提言しかしていなかったが、それが直接的になったのは『子どもと文学』(1960)の発刊だった思う。しかし、その提言も「以下の各章は、私たちの『日本児童文学はかくあった、かくあるべし』の結論ではりありません。(『子どもと文学』中央公論社、1960、p7)」と述べて決していわゆる児童文学論ではないと断ったものだった。”と、本を紹介しています。

 この中央公論社からでていた『子どもと文学』は6年後に福音館書店から刊行され、いまは品切れになっています。私はこの福音館版の17刷を持っているのですが、押しつけるわけではなく、しっかりはっきりと言うべきことを言う姿勢に、最初読んだ時びっくりしました。そして、もっとこういう文章を読みたいとも思いました。ただ好き嫌いを語るのではない文章はそう読めるものではありません。

 あれ、何を書こうとしたんだかわかならい、とりとめない文章になってきました。今回は、この辺でやめておきます。

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