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2007.10.28

はちみつ

 『246』(沢木耕太郎/スイッチパブリッシング)を読み、氏が子ども向けに養蜂家のことを書いたものがあることを、はじめて知りました。1987年に福音館書店発行の「たくさんのふしぎ」シリーズの1冊で1992年に単行本化もされてもいるようで、さっそく図書館で借りてきました。『ハチヤさんの旅』は、残念ながらいまのところ、入手は難しいようです。

 転地養蜂(移動養蜂)でハチを飼っている家族の一年を追ったノンフィクションで、写真もたくさん入っています。九州から北海道まで、家族で移動して蜜をとっていくのですが、小学校にあがった子どもは、祖父母の元でお留守番。学校にあがっていない子どもひとりは、ずっと旅にもついて行きます。間借りしたり、空き家を借りたりしながら、朝早くから働く両親。仕事の中で一番大変なのは、ミツバチの輸送で、その間にハチを弱らせないよう運ぶのにとても苦労するらしい。自然相手に、時には不作で借金をして暮らさなくてはいけなかったりしても、緊張感と共に変化ある生活を養蜂家が誇りをもっていることが伝わってきて、はちみつを大事に食べなくちゃとしみじみ思いました。

 この写真絵本を読んだあとに、近くで物産展のように地元のさまざまな食が集う場に行くと、蜂蜜が売っていました。栃の花、ぼだいじゅ、はりえんじゅ、こしあぶら、夏のそば、みかん。くせのないものから、ワイルドな味までそれぞれが個性的です。子どもたちと、たくさん味見をさせてもらい、意見の一致をみた「こしあぶら」の蜂蜜を購入。高価なものですが、『ハチヤさんの旅』を読んだばかりなので、その値段にも納得です。こしあぶらといえば、新芽は山菜の中でも極上のもの。蜂蜜も野趣に富んだ味でした。

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