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2007.10.04

眠る

『ねむれないの、ほんとだよ』
ガブリエラ・ケセルマン文 ノエミ・ビリャムーサ絵 角野栄子訳 岩波書店 (2007.9)

スペイン人のイラストレーターに、アルゼンチンの作家が文章を書いている絵本。土黒くの色合いとタッチの表紙が目をひきます。

ひとあしさきに上の子が読んでいたようで、私が今日はこれを読もうかなと手にとると、「うん、それはおもしろい絵本だった」と教えてくれ、期待しながらページを繰りました。

「ぼく ねむたいんだ、ほんと、ほんとだよ。
でも ねむれないの、ほんと、ほんとだよ」

濃いグリーンの暗闇の中、ぬいぐるみのピンク色のうさぎをかかえたマークがこうつぶやくところから始まります。ねむたいんだけどねむれない。マークがねむれない理由は様々で、その原因をとりのぞいてもらおうと、「ママ!」とよんでは、蚊が刺すから怖いとか、ベッドが高すぎて落ちるのが怖いとか訴えます。ママも真剣に対応を練っていくのですが……。太くて濃いタッチの絵ながら、構図はいたってシンプル。リズミカルな文章からマークとママの人柄も伝わってきます。背景が濃いグリーンから、真っ白になり、そして最後の色合いもシックにおさまっていて、マークの心の動きをみるようでした。子どもたちも、「ねむれないときあるよね、こわいよね」と共感して聞いていたようです。

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