100年(2)
石井桃子さんと同年代、でもちょっと前に空の住人になられたのが、リンドグレーンさん。石井桃子さんも100歳ならば、リンドグレーンさんも生誕100年が今年なのです。岩波書店からは、続々と100周年記念の本が出ています。
『長くつ下のピッピ』(ローレン・チャイルド絵 菱木晃子訳/岩波書店[Link])も新訳が出ました。(Linkをクリックすると、岩波書店の『長くつ下のピッピ』のページに飛びます。中のページも紹介されています。)徳間書店からも絵本の形で出ているので、てっきりこれも絵本なのかなと意味もなく思っていたのですが、いえいえ、こちらは全訳。2センチほどの厚みもある豪華なつくりです。久しぶりに読みました。ところどころ、大塚さんの訳と比べたりなんて、贅沢なことをしながら。やぁ、楽しめました! いまの空気で書かれた新訳だとあらためて思います。はじけていて楽しい。そして、あれほど楽しい!と思って読んでいたラストに、40歳になり、3人の子育てをしているいまの私が読んで、胸があつくなりました。自分でもこんな感情がでてくるなんてとびっくりしたほど。
子どもだけで暮らす、それもサルや馬と、なんて。浮世離れした設定だとオトナになって読むと思うのですが、ピッピがリアルに目の前に立ち上がり、一気に読みました。なんて愛しい子どもたち(隣の家の子ども含む)なのでしょう。
ふと思ったのは、現代の児童書であてはまるのは?なんて聞かれもしないことを考えてみたのです。スピネッリの『スターガール』を思いつきました。読み返したいなと思っているところです。
リンドグレーンにもどると、新刊絵本の『ぺーテルとペトラ』も続けて読むと、こちらも胸をぐっとわしづかみにされました。この感想はまた後で。
t-mitsunoさん
そうなのですか。bk1に飛べないのは何故かしら。11月3日、4日はbk1のメンテナンスだったのですが、それとも関係ないですよね。解決するといいのですが。
投稿: さかな | 2007.11.05 16:16
岩波のリンク、ありがとうございました!
画像のほうは、BK1に飛ばないんですよ。
私の側の問題のような気がしますので、もう少し調べてみますね。
お手数かけました!
投稿: t-mitsuno | 2007.11.05 09:55
BUNさん
私もはじめに国際共同出版で出る挿画家がローレン・チャイルドと聞いたときに、わぁと思いましたが、なかなかしっくりきます。やっぱり子どもの頃から読みこんでいた愛情があるのでしょうね。
つい大塚勇三さん訳とも読み比べてしまったのですが、新訳はやっぱり“今”の言葉になっています。ピッピのラストに、あんなに心動かされるなんてと我ながらびっくりです。
投稿: さかな | 2007.11.05 09:21
ローレン・チャイルドですか~! 意表をつかれるなあーー。リンドグレーン(←一発変換じゃなかった。ぷんぷん。)は、子どものとき、たっぷりたっぷり、すべてを吸い尽くすようによんだせいか、ふしぎと今になって読み返したいという思いがわいてこないのだけど、これは手にとってみるかもしれません。『スターガール』も意表をつかれるわ~(笑) 今回の新訳にそれを彷彿とさせるものがあるのか、それともさかなさんご自身の時の流れがそうさせたのか。興味ありますー。(やっぱり手にとってみないとわからないですよね。)
投稿: BUN | 2007.11.04 10:37
dumptyさん
私も今回のローレン・チャイルドの本を開く時は、ドキドキしました。読みながら、桜井さんのピッピではなく、不思議とニイマンのピッピが馬を持ち上げる絵が浮かんできたりして。でも、ローレン・チャイルドならではのセンスで描いているピッピもすてきでした。チャイルド自身、8歳の時からピッピの本を愛読し、子どもの頃の遊びにとても影響を受けたそうです。
『サクランボたちの幸せの丘』もよかったですね。読んでいると幸せになれます。
岩波書店から出た『遊んで遊んで』は、写真がたっぷりでお勧めです。マディケンは、本当に美しい少女でうっとりします。リンドグレーンの源流をみる感じでした。
リンドグレーンの絵本では『赤い目のドラゴン』がマイベストなのですけれど、今回の『ぺーテルとペトラ』もそれに並ぶくらいよかった。センチメンタルにならずに、心の深いところをゆさぶられます。
投稿: さかな | 2007.11.03 10:59
t-mitsunoさん
本の画像をクリックすると、オンライン書店bk1に飛びますよね。そこの画像をクリックしても拡大されないということですか?
bk1は元々拡大画像はなかったと思うので、いま、amazonはどうかと思って、みてみたのですが、まだamazonには画像が入っていなかったです。残念。ですので、岩波書店のページへのリンクを追加しました。こちらのページでは表紙が少し大きく見えますし、中のページも数枚紹介されています。
この本は国際共同出版で各国でも出ているのですが、スウェーデンではローレン・チャイルドの絵がどのように受け止められているでしょうね。
今回、このピッピと絵本『ぺーテルとペトラ』が同時に刊行されていますが、桜井誠さんの絵で親しんできたピッピを訳された大塚勇三さんが、絵本のほうの訳をされていて、ピッピが新訳になっているのに、なんというか時の流れを感じました。『ぺーテルとペトラ』もすばらしい絵本です。
投稿: さかな | 2007.11.03 10:51
こんにちは。
ローレン・チャイルドの「ピッピ」にはまだ違和感を感じて手に取らずにいます。
ニイマンの時はこれほどの違和感を感じなかったのに不思議です。
前回読んだときからすいぶん時がたっているので、新訳を楽しみながら読むのもいいかもしれませんね。
私は『サクランボたちの幸せの丘』を読み終えたばかりで、幸せのおすそ分けをもらった気分です。
欲を言えば、冬の農場の生活も読みたかった。
物語だけでなく、たくさん出版されたリンドグレーンの関連本も読みたくなりました。
投稿: dumpty | 2007.11.03 10:27
ローレン・チャイルドの挿し絵じゃないですか!
わあ、おもしろそう。
ところで、少し前から、本の画像をクリックしても、拡大画像や情報が出てこないんですけど、そういう設定になさってるんですかね?
近ごろとみに老眼がひどくなって、絵の中の小さい字が読めないので、拡大して見られるといいな、なんて勝手なことを思ってます。
あ、すぐにどうにもならないんだったら、さっさと忘れてくださいね。
それとも、もしかして私のPC環境のせい? FirefoxでもIEでも試してみたんですけど。
投稿: t-mitsuno | 2007.11.03 10:13