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2008.02.07

ごはん他

 昨夜の夕ごはんはその前の日に新聞に載っていた「牡蠣豆腐」。木綿豆腐に出汁をたっぷり吸わせ、牡蠣にも少しふくませてから、卵と煎った削り節と片栗粉を溶いたものを衣にして、オルチョで焼き付け、豆腐に添えてできあがり。うまーくできて、子どもたちも「この牡蠣のぷりっとしたところがうまいんだよな」なんて言ってくれました。へへ。焼き残った衣と出汁は、あわせてあんかけにして次の日の朝食にしました。
 昨夜、それ以外は、おみそ汁(ふのり、油揚げ、まいたけ)、五分つきごはん、小松菜と烏賊の胡麻和え。

 今日は、五分つきご飯、おみそ汁(豆腐、わかめ、三つ葉)、豚もも肉のオルチョ焼き、ゆでキャベツ、しめじのソテー、金時豆のトマト煮。お豆さんは砂糖をいれなくても甘いですな。

 古井由吉の『 白暗淵』読了。

 物を言わずにいるうちに、自身ではなくて、背後の棚の上の、壺が沈黙しているように感じられることがある。沈黙まで壺に吸い取れたその底から、地へひろがって、かすかに躁ぎ出すものがある。(「朝の男」冒頭)

いや、どの文章も何度味わっても深々として、この冒頭、数回なめるように読んでしまいました。泡のようにはかなげに見えたかと思うと、めりめりと地面に打ち込まれているようにも感じたり、変幻自在の言葉がなす小説にとっぷり入り込んで楽しみました。至福の読書。

白暗淵 しろわだ
白暗淵 しろわだ
posted with amazlet on 08.02.07
古井 由吉
講談社 (2007/12/07)
売り上げランキング: 4247
おすすめ度の平均: 4.5
5 内向の世代、幻想の世界に魅惑される
4 見る言葉

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コメント

上野空さん

すべて同感です。すごいところを書かれてますよね。こういうのを読んでしまうと、マンローの短篇を読んだ時もそうでしたが、深いショックを受けます。いやはや、言葉のなす仕事の大きさに圧倒されます。そしてこれこそは、ちびちび読む本だと思います。ぜったい速読をゆるさないですもの。

白暗淵、読まれましたか。私は去年買って、まだちびちび読んでます。どの表現も、どの文章もこっくり味わいがあって、熟成されていて、ほんとうによいですよね。古井由吉さん、すごいところまで行かれているなあと思います。こういうのを読んじまうと、そんじょそこらのものを読みたくなくなっちまいます。

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