本のあれこれ
あれこれの文学賞が発表になっていますね。先日感想を少しだけ書いた『ボクシング・デイ』が第18回椋鳩十児童文学賞を受賞。この賞は、新人作家の初版本を対象にしたもので、鹿児島市が、児童文学者椋鳩十氏の功績をたたえて設立した賞です。過去の受賞者には、ひこ・田中さんの『お引越し』、森絵都さんの『リズム』、風野潮さんの『ビート・キッズ』、安東ゆきえさんの『天のシーソー』らが受賞。樫崎さんも受賞された講談社児童文学新人賞(樫崎さんは佳作)された香坂直さんも受賞されています。
たいていは、受賞した作品が磨かれて単行本になるものですが、樫崎さんの場合は、書き下ろしで単行本デビューし、今回の受賞。かならず、次の作品を書かれる方でしょう。
上の子が、以前に比べるとグンとスピードアップして本を読むようになり、『熱風』(福田隆浩)もあっというまに読了。読んでいる間も「この試合、すごいな。ぜったい結果を教えないでね」と私と感想を言いあうのも牽制されたほど。翻訳ものを読むことが多かったのだけれど、創作ものでは、これほど集中して楽しんだのは初めてかもしれません。聾学校に通っている少年のテニスを通した成長物語。小気味よい仲間でありライバルでもある友人との出会いもあります。なにせ試合が読ませます。テニスをしたことはないのですが、その試合運びは気持ちをゆさぶられました。ひとつひとつの描写が深く丁寧なので、汗が流れるそのシーンひとつも目の前に浮かぶようです。ちなみに本書は第48回講談社児童文学新人賞佳作作品。
息子は読んだあと、少し興奮気味に「おもしろかった! ねえ、この続き出るよね?」と聞いてきました。ぜひ書いてください>福田さん!
いろいろなレーベルが創刊されていますが、ポプラ文庫[サイトLink]が創刊されました。PR誌「asta*」は銀の帯つきで創刊を祝しています。さっそく『今朝子の晩ごはん』(松井今朝子)を入手してきました。解説は荻尾望都さんのマンガ付きという豪華さ。
それから、今号の「asta*」に『食堂かたつむり』の小川糸さんの新連載が始まりました! タイトルは「喋々喃々(ちょうちょうなんなん)」。著者サイトによると、喋々喃々は、「 男女が楽しげに語り合う様子という意味の言葉」だそう。おもしろそうなにおいがしてくるお話に、これからの展開おおいに期待。読みのがさないよう、定期購読はこちらから[サイトLink]。
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