銀のさじシリーズ
てっきり児童書かと思ったのですが、角川の新レーベル〈銀のさじ〉は、児童書を卒業した、柔軟性のある読者にむけて、日本産のおもしろいファンタジーを届けたいと考えて創刊されたレーベルだそうです。
『RDG レッドデータガール はじめてのお使い』は、和物ファンタジーでは定評のある荻原規子さんの長編シリーズ第一弾。タイトルに英文字、カタカナなので、どんな話なのだろうと思ったのですが、舞台は熊野の山奥。主人公は、超引っ込み思案の中学生の泉水子。山奥の神社で祖父と暮らす泉水子は、交通の便が自家用車のみという山奥なため、部活動もできず、長いおさげの髪をトレードマークに、クラスからもちょっと浮いた存在の少女。けれど、このままではいけないと、高校進学を前に自分を変えようと、前髪を切ってから、泉水子のまわりに変化が次々と起こり始め……。
端正な日本語でしっとりと、時にかろやかに、物語の吸引力はさすが! キャラクターがどれもピンピンと立っていて、たまりません。続きが読みたい読みたい。
『ヴィヴァーチェ 虹色のエイ』はあさのあつこさん。こちらは宇宙船を舞台に少年たちの活躍が期待させられるファンタジー。長編の第一弾ということで、1冊目はまだまださわりの状態。
おふたりのインタビューが雑誌「活字倶楽部」夏号に掲載されています。あわせてどうぞ。
ちなみに、この銀のさじシリーズ、今後の執筆者ラインナップにあがっているのは、角野栄子、菅野雪虫、友野祥、濱野京子、藤江じゅん、みおちづる、村山早紀、山本弘、寮美千子ほか。(五十音順)。次の配本予定は12月を予定しているそうです。
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