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2008.10.27

あの犬が好き

あの犬が好き

 ずっと待っていたシャロン・クリーチの『あの犬が好き』が刊行されました。とってもすてきでした!
 訳された金原瑞人さんの日記サイトから、この本を訳されているということは少し前から知っていたのですが、さて、いつ出るのだろうと、それこそ首を長くして待っていた本です。
 『めぐりめぐる月』(もきかずこ訳/講談社→偕成社)、『赤い鳥を追って』(もきかずこ訳/講談社)など長篇作品の印象があります。今回の邦訳本は詩です。

 帯にあるように、ひとことで言うと「詩と少年と犬の物語」
 黄色い表紙に描かれている犬の絵はウィリアム・スタイグによるものです。
 詩はこんな風に日付とともに、日記風に綴られていきます。

 11月29日
 (中略)
 いちばん好きなのは、
 犬の詩の犬。
 だって、
 うちにいた黄色の犬は
 よく横になって
 舌をたらして
 あごを
 前足の上に
 おいて
 ときどき
 ハエをぱくっとやって
 それから寝たんだ。
 だふっとした皮につつまれてさ。
 あの詩にそっくり。
 ヴァレリー・ワースさんの
 短い詩にでてくる
 犬にね。

 書いているのは、少年ジャック。
 詩なんて男は書かない、
 そう思っていたのに、少しずつ詩に惹かれていくのです。
 詩人達の書いたものを読み、自分の書いたものも、学校の先生に認められて……。
 ジャックにとって大事な詩人として登場するのは、ウォルター・ディーン・マイヤーズ。
 この『あの犬が好き』という本も、作者のクリーチがマイヤーズの「あの男の子が好き」という詩からインスピレーションを得て書き上げたそうです。

 多作なマイヤーズですが、日本ではそれほど紹介されていないんですね。詩集も読んでみたくなりました。『あの犬が好き』の余韻にひたっていると、手元にあるマイヤーズも読みたくなり、本棚から探しまくり、これから再読しようと思っているところです。

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コメント

『赤い鳥~』、版元品切れ中なのかしら。これもいいですよね。お嬢様、目がこえてますなあ。

『あの犬が好き』を読まれたら、今度はマイヤーズの世界へも是非!

『めぐりめぐる月』で号泣し、『赤い鳥~』もと意欲を燃やしています。
このごろ、ネコ系の本をつぎつぎと読んでいてうれしい限りです。

NONさん、お嬢様はクリーチの何を読まれているのかしら。この本はNONさんにもお嬢様にもとっっっっってもオススメです!

わあ、読みたいです。今、むすめがシャロン・クリーチにちょっとはまっているので、いっしょに読もうかな。
「だふっとした皮」ってよくわかりますー。

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