ビビ
『ビビ』
さく●たがわいちろう え●中村みつを (定価1000円・税込)
とってもかわいい絵本なのよと送っていただいた『ビビ』。
ソフトカバーのつくりで、表紙はやわらかいクリーム色。まんなかにネコのビビがまっすぐこちらを見つめています。お話をつくられた、たがわさんの実話にもとづく絵本。たがわさんは定年になったら、ふるさとの休耕田を利用してそこをブルーベリー農園にしたいという希望がありました。毎年少しずつ苗木を植え、育て、700本ものブルーベリーが育っていたそうです。そのブルーベリー畑でネコのビビとであいました。名前のビビも「ブルーベリー(Blue Beery)の頭文字BBからとったとのこと。のらねこだったビビと心を通わせるようになり、東京にいっている間は、地元のネコ好きの友だちに世話をお願いしていました。心が通いあう、しあわせの時間をビビと共有していたのですが、たがわさんは仕事で3か月ほどアフリカに行かなくてはいけなくなります。そのころ、ビビにもちょっとした問題がもちあがり、たがわさんは留守の間どうしようかと悩みはじめ……。
目の前で語ってくれているかのような、そんな口調でたがわさんとビビの物語がつづられています。絵もあったかくて、読んでいると、絵本の中にするっと入り込むようでした。子どもたちも、ビビがどうなるのか、だんだん心配そうな顔で聞いています。なんともいえないラストですけれど、子どもたちは、前向きにとらえたよう。
言葉も絵もネコへの愛情に満ちた一冊です。
●作者ホームページ[Link]
« アナベル・ドールシリーズ最終巻 | トップページ | 迎え »
コメント