カナリア王子
夜はお布団に一緒に横になって『カナリア王子』に収録されている表題作を読みました。これは福音館文庫です。福音館文庫の昔話ラインナップはとっても充実しているので、どれもオススメ。イタリアのむかしばなし、イタロ・カルヴィーノ再話の本書は、1969年に福音館書店の単行本と出ていたもので、今年2008年10月に文庫化されたもの。お値段も手頃ですし、安野光雅さんの挿絵もとっても美しい。軽いので、ねっころがって読むのにも適しています。
安藤美紀夫さんの訳は語りかけるような、ですます調のやさしい雰囲気で、ちびちゃんには少し長いかなと思ったのですが、まんなかの子とふたり、まま母の意地悪にハラハラし、カナリア王子や、城にとじこめられているお姫様がどうなるか、耳をすませて聞いていました。読み終わると「まま母さんは意地悪だったー!」とちびちゃん。「ハラハラした」とまんなかの子。
ちなみにこの話は、岩波書店から出ている『みどりの小鳥 ―イタリア民話選』にも入っています。河島英昭さんの訳で、こちらは、である調。またおもむきが変わるので、読み比べるのもおもしろいです。『イタリア民話集(上下巻)』(岩波文庫)は大人向けで、ここに入っている「カナリア王子」は児童書と同じ訳で違うのは漢字がひらがなに置き換わっていることぐらいのようです。上下で75編収録されていて、民話好きにはうれしい本。上巻巻末には、カルヴィーノの「民話を求める旅」、下巻巻末には、河島英昭氏による「民話と文学」も収録されています。


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