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2009年4月

2009.04.30

おおかみのおいしゃさん

おおかみのおいしゃさん (大型絵本)

 『こねずみディディ・ボンボン』以来、ちびちゃんは、オルガ・ルカイユの絵本がとってもお気に入り。おどろおどろしいのだけど、お話はかわいらしさもあり、独特の魅力があります。動物はどの動物でもリアルでコワイんですが、なにもここまでおっかなく描かなくてもと思うのですが、いやな怖さではないのです。

 岩波書店からルカイユの2冊目は『おおかみのおいしゃさん』。具合が悪くなったウサギのマルクが、お母さんに連れられて、いろんなお医者さんのところに出かけます。けれど、もぐらのお医者さんも犬のお医者さんも、ウサギのためになるような診断をくだしません。「みんな自分のつごうばっかりだね」とはちびちゃん。さて、最後に診てくれたおおかみのお医者さんはどうだったでしょう。

 作者オルガ・ルカイユは、すでに亡くなっているのですが、邦訳もいくつかあります。他の作品もぜひ読みたいところです。

2009.04.29

ひとやすみ

0429

 天気が回復したとたん、ひさしぶりに風邪っぴき。寝不足気味なところ、お昼寝中、風邪菌がひゅいっと口に入ってきたのを感じ、すぐさま口を閉じてうがいをしたものの、しっかり中に居座った模様、不覚でする。

 読み仕事をすこしだけして、今日はおやすみにする。家族はメーデーの行進に出かける。もちろん私も体調をくずさなければ行く予定だったが、しかたがない。しーんと静かな家の中。天気はすばらしくよく、洗濯ものを干し、茶碗洗いをしてからお布団に。つーっと眠りにひきこまれ、めがさめたら、ふつうの本を読み、また眠くなったら寝て。ほうじ茶すすって、のどの乾きをいやし水分補給。今日読んだのは、『メニメニハート』、『ハチはなぜ大量死したのか』、「世界」(2007年10月、11月「サラム」(シリン ネエザマフィ))。いずれもおもしろくしあわせ。今日も早寝、おやすみなさい。

2009.04.28

つばさの贈り物

0428 コメントで教えていただいた本(ありがとうございます!)を取り寄せて読みました。

 『つばさの贈り物 ―本を通して家族と共に分かち合ったよろこびのかずかず―』
 アニス・ダフ著
 大江栄子/間崎ルリ子/渡邉淑子訳
 京都修学社
電話075-707-5638/FAX075-707-5622)
 ISBN 978-4-88334-079-8 C0098
 定価 本体1800円+税

 オンライン書店でもヒットしないのですが、子どもの本の店ナルニア国[サイトLink]にはあるという情報も。私は、版元に直接注文したところ、すぐ送付してくださいました。書店でも取り寄せ可能のようです。

 原著は"Bequest of Wings -A Family's Pleasures with Books- by Annis Duff(1944)。刊行年はあたらしくありませんが、内容は子どもの本の喜びという、ふるびないことを、みずみずしく書かれていて、引き込まれて読みました。

 本書に20年ほど前に出合った訳者の方々が、月に一度集まって少しずつ読み解いていくうちに、多くの人とこの本を分かち合いいたいと願い刊行にいたったようです。

 著者、アニス・ダフは、カナダに生まれ、トロントの図書館「少年少女の家」で2年働き、『児童文学論』の著者で有名なリリアン・スミスの薫陶を受けます。その後、書店の児童書部門の主任をつとめたあと、結婚。二児に恵まれ、自然と本を楽しみ、また子どもたちと本を楽しんだ記録を書いたものが、ヴァイキング社の編集者の目にとまり、本書が刊行されたとのこと。刊行の5年後に、夫が亡くなり、翌年にアニス・ダフは、ヴァイキング社に招かれ以後18年間児童書の編集者として活躍したそうです。

 読んでいて、私も子どもたちがもっと小さかった時のことを、たくさん思い出しました。密度濃く、一緒に絵本をわらべうたを楽しんだあの時間は、まさによろこびとしか言いようのないもので、もちろん、ありがたいことに今もそれは続いています。

 目次をご紹介します。詩の章は、ことのほか楽しく読みました。

 第一章  素敵なごほうび
 第二章  家族の行事として
 第三章  実際的なこと
 第四章  男の子場合
 第五章  子ども部屋で楽しむ詩
 第六章  子どものための詩
 第七章  ことばの楽しみ
 第八章  目を養う
 第九章  「音楽は我が砦」
 第十章  すべて汝が恵
 第十一章 「せせらぎ、花々、鳥、庵」 ―自然の喜び―
 第十二章 干草の中の針さがし
 第十三章 笑いをもたらす本
 第十四章 フェアリーテールについて一言
 第十五章 子どもたちのおいじちゃんへの手紙
 あとがき
 索引

 
Bequest of Wings: A Family's Pleasures With Books
Annis Duff
Duff Press
売り上げランキング: 54243

2009.04.27

気になる新刊

                                                                                                                                                    

2009.04.26

きち

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 先日、ちびちゃんを子どもクラブに迎えに行った時、いいもの見せてあげると教えてもらったもの。「ここ、基地なの」と言うのですが、学校敷地内にある石で囲まれた場所でした。乾いた茶色の葉っぱが数枚置いてあり、お友達と草(花?)を隠しているそうです。

 土の上に置いてあったのですが、写真を撮るときは、石の上の方がすてきじゃない、なんて言って場所を変えていました。小さな他愛のないものですが、めごいなあと思ったひとときです。

2009.04.25

タラの芽

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 庭のタラの芽、大収穫。今日から天気は大荒れで強風と雨で、寒い寒い。しかし、今日採らなければと、つれあいが収穫担当。写真の向かって左側を天ぷらに、右側の開いたもんは、おひたしにしました。天ぷらは数日前にも家族分できたので、天ぷらにしたのですが、今日はたっぷりいただけました。アスパラも4本採れました。
 最近はオルチョのサイトで購入している「天然塩 海のしずく」で天ぷらを食しています。この塩、とっても美味。重宝しています。
 おひたしをつくるのは初めてですが、つれあいがサイトでレシピを見つけておいしくつくってくれました。いつもいつもサンキュ。
 アスパラはおみそ汁の具になり、こちらもやわらかくておいしかった。しあわせでする。

2009.04.24

菜の花もきれい

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 菜の花もきれいに咲いています。春の黄色い花は、ほんとうにエネルギーをもらえる気ががして大好きです。

 この日はお昼から夜まで小学校関連。参観、総会、学年懇談会、学級懇談会、学年委員会、そして夜は歓送迎会というながーい一日になります。朝からバタバタと用事をこなし、お昼には小学校へダッシュです。

 1年生を迎える会ということで、全校生徒の出し物がみられます。ちびちゃんやまんなかの子を撮影して、総会へ。いままでいた保護者の大半はここで退場してしまい、いつものごとく、静かな総会。次はクラスへ移動して、学年懇談会に。授業時間が増えること、どんな内容が増えるのかという説明は勉強になります。学年によって、懇談会もさまざまで、まんなかの子の学年では司会を学年委員長さんがつとめてました。これは初めて。

 その後、各学級での懇談会。ちびちゃんの学年で出たのですが、出席者は4名。一応クラスには30名以上います。きょうだいのいる方たちは、入れ替わり立ち替わりで2名でしょうか。まあ、いつもこんな感じですね。クラスでの子どもたちの様子が聞けて楽しく、個人的には好きな時間です。その後、学年委員会で行事の内容を決めたり、次の日程を決めたりしてさくっと30分弱で終了。家に帰って、急いで夕食の準備をしてから、夜は歓送迎会へ。毎年この時期は、飛ぶようにすぎていきます。

2009.04.23

ロボット

物語絵本も大好きなわが家の子どもたち、こういうのもきっと好きだろうなと、図書館で借りてきたところ、アタリでした。

映像で見たことのあるロボットも含め、ルビがていねいにふってあるので、ちびちゃんも読めます。おもしろいロボットを見つけては、みてみて!と大人を呼んで教えてくれるので、私はまだ中身をしっかり読んでいませんが、すっかり読んだ気持ちになってます。


たたかうロボット (世界のロボット)
デイビッド ジェフリス 富山 健
ほるぷ出版
売り上げランキング: 335079

2009.04.22

マウンテン・ダイバー

オンライン書店の表紙だけでは、文芸誌の中身が見えないのは言うまでもなく。

『サバイバル登山家』ですっかり、服部文祥さんのファンになった私には、この号でエッセイが書かれていることを知ってさっそく読みました。 「マウンテン・ダイバー」というタイトルで、文字表現をする動機はどこにあるのかを語っています。みずみずしく、力強い文章の根源を教えてもらうかのようでした。見開き2枚のエッセイ、服部文祥さんの文章が好きな方はぜひ。

新潮 2009年 05月号 [雑誌]

2009.04.21

PWより

★絵本

TrainsDuck Tents
The Nine Lives of Rotten Ralph (Rotten Ralph)Polo and Lily (The Adventures of Polo)
When the Moon ForgotA Mirror to Nature: Poems About Reflection
King of Rome
Amazy

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2009.04.20

気になる新刊

                                                                                          

2009.04.19

春うらら

0419  

 ワイルドベリーの花が咲き始めました。今年もジャムがつくれるかな。
 今日も一日いい天気。定額(低額とタイポしてました、とほほ。教えてくださったKさんありがとう~♪)給付金が振り込まれたので、子どもたちに自転車を新調しました。上の子は学校で後輩もできたので、もうザコチャリには乗れないと言うのです。ということで、ママチャリを。ちびちゃんも、ずっとお兄ちゃんのおさがりでしたが、それも古くなり、学校の自転車点検表にも○が書けなくなってきたので、オレンジ色のやさしい感じのを買いました。まんなかの子は、まだおさがりでも大丈夫なので、ほしがっていたおもちゃをひとつ。3人とも満足の休日だったようです。

 夕ご飯は、かつおのたたき、きゅうりとわかめの酢のもの、きゅうりと中華クラゲの和え物、おみそ汁(大根、昆布)、五分づきごはん。読み仕事をしている私のために、つれあいがつくってくれました。たたきも、ガスコンロで焼いたのですが、おいしくできていて、感謝、多謝!

 本を2冊注文。33分探偵は、ハマっている子どもたちに。イギリスコラムの方は私ので。

2009.04.18

見頃の桜

0418

 数日ぶりの青空。あったかくなりました。ちびちゃんは、学童のお花見。もう楽しみに楽しみにしていたので、晴れてニコニコで行きました。
 お弁当は、ポテトサラダの卵焼きまき、ひじき入りつくね、シュウマイ、ミニコロッケ、ウィンナ、ほうれん草とかまぼこのおひたし。デザートにメロン、五分つきおにぎり2個。
 もうひとり分のお弁当は上の子用。中学校での参観日でした。クラス替えもあり、担任の先生も替わったので、担任授業を見てきました。

 年度はじめの参観日は総会との抱き合わせでもあり、参観日、全体会、総会、学年懇談会で半日が過ぎました。外はぽかぽかよい天気でしたが、ずっと建物の中で話を聞く半日。伝えたいことは、この半日でも足りないのでしょうが、長いです。

 思春期の中学生の子どもたち。授業に集中したり、先生の話を聞いたり、それすらも大変そうな姿を参観しました。学年懇談会で、主任先生は「目標をもつことは、生きる力をつけることです。そういう力をつけるよう1年間、本気で子どもたちと関わっていきたい」と言われてました。伝えることは、親もしなくてはいけないこと。全体会の校長先生は「まずは子どもが話ししていることを、首を縦にふって肯定して聞いてほしい。それから親の言葉を」と。この首を縦にふるっていうのがむつかしい。

 写真はいまが見頃の桜。学校に咲いていたものです。

2009.04.17

さむいです

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 この写真を撮った時は、ぽかぽかの陽気だったのですが、ここ数日は寒い、寒い。ストーブつけて、こたつつけて、セーター2枚重ねしています。
 4月のPTAも動きだし、子供会、小学校、中学校、それぞれに役がつきました。子供会はさておき、中学校は初めてなのですが、決め方もいろいろなのだなあと。まあ、毎年この時期はPTAに関して思うところが、湯水のごとくあふれるのですけれど、目の前のことをこなすことでごまかしています。
 まんなかの子は、算数が苦手になってきたと言っていたのですが、新しい学年、新しい先生になり、がぜん好きになってきたそうで、今日はノートを見せてどんなに楽しいかを教えてくれました。きれいなノートの取り方をみていて、きちんと頭の中が整理されていることが、伝わってきます。ちびちゃんも、宿題が増えています。今日は作文が宿題だったのですが、何度言っても「二階(にかい」を「にかえに行きました」と書くので、指摘すると、「だって、にかえとしか聞こえないんだもの」と渋々書き換えていました。昨夜は、眠る前にまんなかの子にコワイ話を聞かされたとかで、急にわーーーん!と赤ちゃんのように泣いて、背中をさすって落ち着かせたのですが、朝になると、けろっとして、「いまは明るいから、もういっかい話して」と、いたってげんきんです。お兄ちゃんは、又泣かれたらと思い、こりごりの表情で「泣くからだめ」と断ってましたね。

2009.04.16

相棒

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 いまの読み仕事の相棒は、ペンと消しゴム。ちびちゃんは、消しゴムひとつひとつに顔を描いてるんですよね。細長いのにもちっこいのにも。
 くぅぅぅっと集中して読んだ原稿について書き物をしている時に、この消しゴムを使うと、気持ちがほぐれます。サンキュ!

2009.04.15

PWより

☆絵本

Read It, Don't Eat It!The Missing Chick
Martha Doesn't Say SorryPuzzlehead
Ten Days and Nine Nights: An Adoption StoryTony and the Pizza Champions
The Tiptoe Guide to Tracking Fairies
Amazy

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2009.04.14

ごはん

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 桜も見頃になってきたのですが、今日は曇り、いまは雨も風もあり、だいぶ散ってしまうでしょうか。図書館に行ったのですが、そこの桜もきれいでした。
 写真は、庭の雪柳。ちびちゃんが、学校に行く朝に、「だいぶきれいに咲いてきているから、写真撮って帰ってきたら見せてね」と言われていたもの。午後から雨模様になり、結局、ちびちゃん帰宅してから一緒に撮りました。桜とともに、雪柳の白や、ハナミズキの白もきれいな季節です。

 最近の週末は粉もので朝食をつくっています。「タラゴンの挿し木」というブログで見つけたノンオイルチャパティをつくったり、残りの具(切り干し大根とツナ)で次の日は小麦粉とあわせて焼いたり。ヤミーさんレシピでぐるぐるまぜパンもつくりました。短時間でつくれるので、気軽につくれます。子どもたちにも好評。
 夕ご飯で、最近つくった新しいものは、高山なおみさんレシピで、鶏レバーのクリーム煮+雑穀バターライス。もっとこってりしているのかなと思いながらつくったのですが、できあがりは、こっくりとさっぱりのいいバランスでした。

 今日の夕ご飯は、にんじんと豚バラの煮物、わかめ、きゅうり、しらすで新玉の酢のもの。五分づきごはん、おみそ汁(油揚げ、大根葉、なめこ)。新玉と酢も相性いいです。

2009.04.13

なぜについてのこたえ

「文藝春秋」2009年4月号 「僕はなぜエルサレムに行ったのか」(村上春樹)より

「システム」という言葉にはいろんな要素があります。我々がパレスチナの問題を考えるとき、そこにあるいちばんの問題点は、原理主義と原理主義が正面から向き合っていることです。シオニズムとイスラム原理主義の対立です。そしてその強烈な二つのモーメントに挟まれて、一般の市民たちが、巻き添えを食って傷つき、死んでいくわけです。
 人は原理主義に取り込まれると、魂の柔らかい部分を失っていきます。そして自分の力で感じ取り、考えることを放棄してしまう。原理原則の命じるままに動くようになる。そのほうが楽だからだです。迷うこともないし、傷つくこともなくなる。彼らは魂をシステムに委譲してしまうわけです。(p.166)



 ネット上では、僕が英語でおこなったスピーチを、いろんな人が自分なりの日本語に訳してくれたようです。翻訳という作業を通じて、みんなが僕の伝えたかったことを引き取って考えてくれたのは、嬉しいことでした。
 一方で、ネット空間にはびこる正論原理主義を怖いと思うのは、ひとつには僕が一九六〇年代の学生運動を知っているからです。おおまかに言えば、純粋な理屈を強い言葉で言い立て、大上段に論理を振りかざす人間が技術的に勝ち残り、自分の言葉で誠実に語ろうとする人々が、日和見主義と糾弾されて排除されていった。その結果学生運動はどんどん痩せ細って教条的になり、それが連合赤軍事件に行き着いてしまったのです。そういうのを二度と繰り返してはならない。(p.168)

文藝春秋 2009年 04月号 [雑誌]

2009.04.12

気になる新刊

                                                                                                                                                    

2009.04.11

開花宣言

 お城では10日に開花宣言がされたそうです。今日も一日初夏を思わせるような天気だったので、だいぶ咲いたでしょうね。
 私は今日から気合いをいれて読む日々がはじまります。

0411

2009.04.10

イエメンで鮭釣りを

イエメンで鮭釣りを (EXLIBRIS)
『イエメンで鮭釣りを』
ポール・トーディ
小竹由美子訳
ISBN 978-4-560-09002-2
本体2500円+税

 白水社で始まったEXLBRISの第2段は、59歳にして書いたデビュー作品の邦訳。これがまた、とにもかくにも、やたらめったらおもしろい。何度もぶはっと吹き出しては、一気読み。おもしろいセリフはつい付箋などつけて、読み返してはまたぶはっと笑う。気持ちがすっきり明るくなる小説を読めて至福のひととき。

 研究一筋の水産学者、アルフレッド(フレッド)・ジョーンズ博士宛て、ハリエット・チェトウォド=タルボットさんからメールが入る。とある富豪がイエメンの砂漠地帯に、鮭を導入し、娯楽としての鮭釣りを紹介するプロジェクトを起こしたいという。砂漠に鮭が導入できるはずもないと、水産学者としてのフレッドは即答する、できっこないと。けれど、その答えは誰ひとり望んでいない。そのうち、イギリス首相官邸も興味をもちはじめたこプロジェクトは、なかば強引に進み始める。もちろん、フレッドを中心として――。

 フレッドはメアリという妻がいる。双方ともに忙しく、顔をあわせて話す時間もなかなかとれないため、ふだんのコミュニケーションはもっぱらメールという夫婦。上からの圧力で渋々ながら着手することになりそうなこのプロジェクトに対して、理不尽な要求だし、ひどい言い方をされた、辞表を出そうかと本気で考えている、とフレッドはメアリに甘えたメールを出す。メアリはとても実用的な人間で、メールの返信タイトルは「家計の現実」。お互いの年収を書いたうえで「仕事を辞める? アホなこと抜かさないでよね」。私は、このひとことでメアリが好きになった。なんだか正直そうなのだ。

 小説はイエメンの鮭プロジェクトを軸に、フレッドとメアリの夫婦、プロジェクト推進者である富豪のシャイフ、長くて舌をかみそうな苗字をもっているハリエットら、人柄的には、ああ、わかる、こういう人!と言いたくなるほどのステレオタイプ的な人物ばかりなのだけれど、薄っぺらくなく、人間くさい彼らをどんどん好きになる。特にメアリ。

 メールや、プロジェクトの報告書、フレッドの日記や、上官の刊行されなかった自伝からの抜粋など、バラエティ豊かに小説が綴られる。プロジェクトにある鮭釣りも、シャイフはむろんのこと、フレッドも釣り好き。当初はむちゃくちゃな計画だと思ったフレッドも、シャイフと直接会って話をし、彼のもとで働いている、これまた釣りの達人、コリンもにも惹かれて、プロジェクト推進に意欲をみせはじめる。

 その間にも夫婦のコミュニケーションは山あり谷あり、プロジェクトもさまざまあり、そしてラストのなんとまあ! 

 最後にシャイフの言葉を引用したい。「信じる心は希望以上のもの、愛以上のものなのです」。小説を読み終わってこの言葉にもどると、しみじみする。

 そうそうもうひとつ。読了された方は、ぜひともカバー見返しにある著者写真をみてほしい。写真とその下にたいてい添えられている小さな文字を忘れずに読むこと。私も教えてもらい、ここでもまた笑わせてもらった。

目で見る経済 「お金」のしくみと使い方」(さ・え・ら書房)


『目で見る経済 「お金」のしくみと使い方』
アルヴィン・ホール著
相良倫子訳
ISBN 978-4-378-04118-6
定価 本体2800円+税

経済学ってなに?
 経済学というのは、
 お金を研究する学問ではない。
 人々、企業、政府、あるいは国が
 作るものや買うものを
 学ぶことでもない。
 経済学とは、人間や人間の感情、
 そして人間の行動に関する学問なのだ。
 そして、世の中で、
 人間ほど理解するのがむずかしいものは
 ないのではないだろうか。

 さ・え・ら書房さんから刊行された「目に見える」シリーズの最新刊テーマは「経済」。昨年末からの経済不況の折、子どもたちと一緒に読むのに、まさにタイムリーな一冊です。シリーズタイトルになっているように、本書は大判で写真や図などビジュアルなものがたっぷりもりこまれていて、とても読みやすい。文字も大きく、わが家の子どもたちも大好きなシリーズで、「お、今度は経済だって」と、上の子もすぐ手にとっていました。

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 お金の歴史にはじまり、お金の使い道、経済学ってなに?、仕事とお金と順を追って、経済の理解をすすめてくれます。子どもたちも、「へえ、お金の最初はウシとかだったんだ」と興味をひかれ、お金の使い道での「君のポケットの中にはなにがある?」では、自分のお財布にどのくらいあったっけ?と本の内容にかなり引きつけられ、考えながらよみはじめていました。

 好奇心(?)を満足させる、世界の大金持ちの紹介では、8人の中で唯一女性であるJ.K.ローリングさんに注目しました。あの「ハリー・ポッター」の販売部数は4億部を超えていること!や、ハリー・ポッター・ブランドは日本円にして約1.5兆円という規模だということ。すごいですねえ。

 子どものみならず、私もおもしろくて夢中になって読みました。そう、読み物としてのおもしろさと、経済とはどんなものなのか、それを知るための実用書でもあるんです。オススメ!

ご近所さんの桜

市内でもここは桜の咲くのが遅いのですが、ご近所さんでぽつぽつ咲き始めました。

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2009.04.09

春のオルチョ

 新玉ねぎがでてくると、つくりたくなるのは、オニオングラタン風スープ[レシピLink(pdfファイル)]。新がつかなくなった玉ねぎでもつくるのだけど、柔らかいのと、みずみずしい甘さの新玉でつくるスープはやっぱり絶品なのです。オルチョ荒しぼりをぜいたくにつかい、きつめに塩をしてとろとろにした玉葱をいれて、コトコト煮ます。先日焼いたバケットを少し冷凍していたので、それを解凍してにんにくをこすりつけて、トーストしたものと、とろけるチーズをいれてできあがり。
 子どもたちもつれあいも大好きなスープで、夕飯前の台所チェックで「このスープ、大好きなのだ!」と声をあげてくれました。エッヘン。今回もよいできです。

 他には、五分づきごはん、鮭のオルチョソテー、野菜サラダ(ソラマメ、きゅうり、大根、にんじん)このサラダもオルチョと酢と塩で。
 どの野菜もオルチョとは相性がいいのだけれど、春野菜のもつ生命力とはまた格別です。そういえば、昨日はたけのこご飯をつくりました。五分に精米したときのぬかを使ってゆでたたけのこも、美味でした。春はいいですね。

2009.04.08

春、庭の花と芽

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2009.04.07

PWより

☆絵本

Put It on the List!A Child's Garden: A Story of Hope
Which Puppy?I Need My Monster
The Little Green Pea (General Reading)
Amazy

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2009.04.06

始業式

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 始業式。着任式。3人それぞれ進級した最初の登校日、天気もよく気持ちのよい出だしです。お昼前には帰宅して、クラス替えしているので、担任の先生の名前を聞くも、3人とも覚えてきていませんでした。うーむ。それでも、持ち帰ってきたプリントに先生たちの名前があったので、ようやくわかりました。3人とも、進級し先生が替わったり、クラスの友だちも入れ替わったりの変化がうれしいようで、それは一安心。ちびちゃんは、何回も「いつから2年生になるの?」と聞いていたので、2年生の教科書を持ち帰り、喜んで名前を書いていました。

 桜はまだですが、庭にタンポポが咲いてきました。福寿草も黄色い花びらの色がだいぶ薄くなってきました。今日は一日、気持ちよい青空がみえていました。そういえば、昨夜の月はとてもきれいで、居間の窓から月の光が明るいほどにさしこんでいましたっけ。

2009.04.05

森の写真動物記/草食獣と肉食獣

森の写真動物記〈7〉草食獣(そうしょくじゅう) (森の写真動物記 7) 森の写真動物記〈8〉肉食獣(にくしょくじゅう) (森の写真動物記 8)
Amazy

 宮崎学氏による、森の写真動物記全8巻の最後の2冊が刊行されました。草食獣と肉食獣。どちらの動物写真も目が離せないものばかりで、子どもたちも、自分らで無言で読んだあと、一緒に読もう!と持ってきました。

 草食獣で紹介されているのは、ノウサギ、カモシカ、シカの3種類。「日本の山野には、ほとんど植物だけを食べてくらすほ乳類がいます。彼らを草食獣といいます」
 これらの動物の生態を通して、みえてくる自然保護。解説に書かれた下記の引用はとても大事なことだと思えました。

 自然保護というと、ある特定の動植物を守ることだけを考えがちです。しかし、数がへった生きものを守ることも「自然保護」なら、特定の生きものがふえすぎないようにすること、場合によっては殺すことも、「自然保護」といえるのです。

 肉食獣では、キツネ、タヌキ、イタチ、テン、オコジョが紹介されています。肉食というのは、とてもインパクトがあります。死んでいる大きな動物を小さい動物が、文字通りむしゃむしゃ食べ尽くすのです。本書では、足のケガで衰弱して死んだシカを食べる、タヌキの家族、テン、キツネの姿が。おなか、内臓、後ろ足、前足の順に食べられ小さくなり、6か月後には、すべてなくなります。そこから、日本における肉食獣の役割などが語られていきます。

 すばらしい写真とともに、生き物に対する真摯な語りは、日本の森、森に住む動物に深い思考を促されます。子どもと一緒に読むことで、大人の感じることも多々あり、この8冊はこれからも読み返していきたい本です。

2009.04.04

まいにち、まいにち

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 春休み、毎日3食つくっているのですが、週末は朝のおみそ汁をお休み。今朝はヤミーさんレシピでイギリス風パンケーキをつくりました。粉糖とレモンをしぼったものをかけて、さっぱり甘いパンケーキ。子どもたちにも好評でぱくぱくぱくと、あっという間に3枚ほど食べてました。

 お昼は麺類が多かったです。(春休みが明日で終わるので、つい過去形で書いています、、)パスタ、素麺、うどん、そば。ちなみに今日は久しぶりに、焼きそば。休みの間、子どもたちがかわりばんこに不調になっていたので、焼きそばだけは、しばらくつくっていなかったので。

 夕ご飯は、安い時に三枚におろして冷凍していたサンマが登場。つれあいが蒲焼きにしてくれました。たれは、以前につくった焼き鶏の自家製たれを使ったようで、味がしっかりこっくりおいしかった。ごちそうさまです。

 明日は地区の清掃日で早起きする日。そして、子どもたちは、柔道の開講式。進級試験に3人とも受かり、新しい帯で行ってきます。

2009.04.03

ふきのとう

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 子どもたち寝静まり、ちょいとふきみそをなめて、ワインで晩酌。クリームチーズとふきのとうのおいしいレシピを見つけてつくろうと思っていたのだけど、雪、雪、晴れ、雪、という寒い日とあったかい日にはさまれているうちに、ふきのとう収穫のタイミングを逸してしまい、つくったのは、結局ふきみそだけになりました。まあ、これから蕗になって、また食べるのですけれど。庭に食べ物があるのは、しあわせなことです。

 今日の夕飯はカリフラワーと茎たちの温サラダ、オルチョのあらしぼり+酢で。おいしかったぁ。つれあいも、お、このカリフラワーうまい!と。へへ。もう一品もオルチョでクロッカンティーノ。すっかりわが家の定番です。鶏むね肉が安い時に冷凍ストックして、おかずに重宝。あとは五分づきごはん、コーンクリームスープ。

 ふきみそを食べるといつも生命の息吹を食べているかのようなパワーをもらうのですが、オルチョのあらしぼりもそう。ふだんのオルチョも日々感動していただくのですが、あらしぼりのパワーは春の息吹。寒いけれど、春ですものね。

2009.04.02

PWより

★絵本

"What Is This?"は、創造する楽しみがありそうな絵本な感じがします。

What Is This?Spoon
Chicken Butt!Quiet Bunny
The Fabulous Feud of Gilbert and SullivanA Walk in New York
Amazy

★グラフィックノベル

Creepy Crawly Crime (Joey Fly, Private Eye)
Amazy

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2009.04.01

風の靴

風の靴

 『かはたれ』、『たそかれ』と、たぐいまれなファンタジーを紡いでくれた朽木祥さんによるリアリズム小説『風の靴』(講談社)が刊行されました。

 物語に入る前に、まず装丁をじっくり楽しみます。
 まぶしい海原の先に見えるヨット、空と海が一体化した美しさを見せています。そしてカバーをはずすと、また息をのむ美しい色。贅沢にも、本の中に描かれている挿絵と装画は別々の画家の手によるものなんです。(画家 柏村 勲(カバー、見返し[画家HP Link]) 服部華奈子(挿絵[画家ブログLink]))

 さあ、入り口を楽しんだあとは、風の靴をはくために、ページを繰っていきましょう。

 海生(かいせい)は、4つ年上の兄、光一、両親、そして犬のウィスカーの4人と一匹家族。文武両道の兄に比べて、弟の海生はいまひとつピリッと決まるところがない、と本人は思っている。兄の受けた中学を当たり前のように受験させられ、落ちてしまう。それでも仲良しの友人らと通う、いまの中学に不満はなかった。けれど、親は、兄の通う学校の高等科受験を、すでに視野にいれている。中学1年の海生は、もう3年後の受験を考えなくてはいけないのだ。中学受験に合格していれば、大好きなヨットもバードウォッチングも模型作りもできたはずなのに、その時間は、3年後の受験勉強時間に組み込まれてしまった。サイテーな気持ちになっている時、もっとどん底になる知らせが舞い込む。海生にヨットを教えてくれた大好きなおじいちゃんが急逝したのだ。海生は決意した。「家出する。もう決めた。」

 ひとりでの家出ではなくウィスカーを伴い、親友を誘ってのものだった。それも最終的には親友の妹も加わった。手段はヨットで。3人と一匹は風の靴をはく準備にかかった。

 リアリズムでもファンタジーでも、著者の筆致は鮮やかだ。目の前に海原が広がる。ヨットが見えてくる。情景はひとつひとつ立体的に、少年たちの心理もニクイほど丁寧に描き出す。

 生きている大人は実際に手を出したり口を出したりすることはない冒険。彼らの家出を助けてくれるのは、ひょんなことで、旅(?)のつれあいとなる大学生、そして亡くなったおじいちゃんの残してくれたあれこれだ。物語全体に、おじいちゃんの存在感が確かにある。その今はいないおじいちゃんが、海生の家出を見守っている。家出のきっかけとなる、心の重荷を、海生はどう折り合い、もしくはつきあっていくのか。おじいちゃんは何を残してくれたのか。その残したものがわかった時、読み手の私は心の底から海生がうらやましくなった。

 朽木氏の描く小説を読むと、いつも言葉の力をつよく感じ、その言葉と出合えたことに深く感謝する。ここに言葉をみがいて物語として本を置いていきます、さあ、見つけてください。そんな言葉が聞こえてくるのだ。

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