つばさの贈り物
コメントで教えていただいた本(ありがとうございます!)を取り寄せて読みました。
『つばさの贈り物 ―本を通して家族と共に分かち合ったよろこびのかずかず―』
アニス・ダフ著
大江栄子/間崎ルリ子/渡邉淑子訳
京都修学社
(電話075-707-5638/FAX075-707-5622)
ISBN 978-4-88334-079-8 C0098
定価 本体1800円+税
オンライン書店でもヒットしないのですが、子どもの本の店ナルニア国[サイトLink]にはあるという情報も。私は、版元に直接注文したところ、すぐ送付してくださいました。書店でも取り寄せ可能のようです。
原著は"Bequest of Wings -A Family's Pleasures with Books- by Annis Duff(1944)。刊行年はあたらしくありませんが、内容は子どもの本の喜びという、ふるびないことを、みずみずしく書かれていて、引き込まれて読みました。
本書に20年ほど前に出合った訳者の方々が、月に一度集まって少しずつ読み解いていくうちに、多くの人とこの本を分かち合いいたいと願い刊行にいたったようです。
著者、アニス・ダフは、カナダに生まれ、トロントの図書館「少年少女の家」で2年働き、『児童文学論』の著者で有名なリリアン・スミスの薫陶を受けます。その後、書店の児童書部門の主任をつとめたあと、結婚。二児に恵まれ、自然と本を楽しみ、また子どもたちと本を楽しんだ記録を書いたものが、ヴァイキング社の編集者の目にとまり、本書が刊行されたとのこと。刊行の5年後に、夫が亡くなり、翌年にアニス・ダフは、ヴァイキング社に招かれ以後18年間児童書の編集者として活躍したそうです。
読んでいて、私も子どもたちがもっと小さかった時のことを、たくさん思い出しました。密度濃く、一緒に絵本をわらべうたを楽しんだあの時間は、まさによろこびとしか言いようのないもので、もちろん、ありがたいことに今もそれは続いています。
目次をご紹介します。詩の章は、ことのほか楽しく読みました。
第一章 素敵なごほうび
第二章 家族の行事として
第三章 実際的なこと
第四章 男の子場合
第五章 子ども部屋で楽しむ詩
第六章 子どものための詩
第七章 ことばの楽しみ
第八章 目を養う
第九章 「音楽は我が砦」
第十章 すべて汝が恵
第十一章 「せせらぎ、花々、鳥、庵」 ―自然の喜び―
第十二章 干草の中の針さがし
第十三章 笑いをもたらす本
第十四章 フェアリーテールについて一言
第十五章 子どもたちのおいじちゃんへの手紙
あとがき
索引
Duff Press
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dumptyさん
あらためてご紹介ありがとうございました。
この本は、生活の積み重ねがあるとより共感できる内容だろうと思いました。小さいお子さんと暮らしている方には特におすすめではないかしら。
私もダメダメ親なので、子育てに関して言えることはないのですけれど、それでも、ここに書かれている喜びを実体験させてもらったなあと、子どもたちに感謝です。それは継続されていることでもあります。
アニス・ダフさんの本は、おおらかに書かれているところがよかったです。たくさんの美しいものを見た目をもっていれば、そのあと、多少のものをみても大丈夫、のように。あれこれはダメという狭い道を書いてませんよね。整った道、細くまがいくねって寄り道したくなる道、さまざまを見せて、でも、どちらが心地よいか選択させてもらえるようでした。
投稿: さかな | 2009.04.30 13:30
こんにちは。
素敵に紹介していただいてありがとうございます。
一気に読んではもったいない・・などと、勝手な言い訳をしながら全部はまだ読めてないのです。子育てに関することは反省も多くて(笑)。
子どもと本のことについて書かれた本でも、これは少し切り口が違うような気がします。絵画や音楽と本の関係など。
まとまった感想ができたらまた、聞いてくださいませ。
投稿: dumpty | 2009.04.30 10:09