ルルと魔法のぼうし
『ルルと魔法のぼうし』
スーザン・メドー作 おおつかのりこ訳 こやまこいこ絵 徳間書店
ルルは代々続くマジックで生計をたてている一族の子どもです。この一族では、ひとつの世代に一人、ほんものの魔法使いが生まれてきます。一族の花形スターであるジェリーおじさんは、ほんものの魔法使いで、次の世代のほんものを探しているところです。とはいえ、ルルは、ひろわれた子どもなため、魔法使いの血を受け継いでいません。ところが、毎年、夏休みにジェリーおじさんは、甥っ子か姪っ子をひとりつれてツアーに出るのですが、今年は、ルルを選びます、さてどんな夏が待っているのでしょう……。
小学校低学年向けで、挿絵も楽しく入っています。110ページほどの物語は、先が気になるページターナー度抜群で、ページを次々と繰っていきました。低学年向けのお話では、いい意味で安心して読める展開の物語が多いなか、このページを繰る力は驚くほど。はじめから魔法使いの血をひいていないことがわかっているルルなのに、めくるめくハプニングに、いったいぜんたいどうなるの?と最後までひっぱられました。いやあ、本当におもしろかった。挿絵も日本の画家さんですが、物語にぴったり! 原書と違う画家を起用する物語は増えていますが、このこやまこいこさんの絵も、やさしくてかわいくて、物語世界を広げてくれています。訳文も読みやすく、言葉遊びもおもしろかった!
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NONさん
次を知りたくて、ハラハラドキドキ、しっかり心を動かされました。この短い物語でその吸引力はほんとうにすごいですね。構成も巧みで、ルルもかわいいし、魔法、マジックのまざりぐあいもおもしろい。とってもすてきな物語を訳してくださり、ありがとうございました!
イラストも、とってもとってもピッタリ! ちびちゃんのこれから読む本にしっかり重ねられました。
投稿: さかな | 2009.07.13 08:12
さっそく書いてくださったのですね。うれしくてうれしくて、胸いっぱいになってしまいました。さらに本当におもしろかったといっていただけて、大感激です。
ルルの背景説明や、ページターナー度など、このお話のキモをスマートにまとめてくださっていて、さすがです。こやまこいこさんの絵が、またお話にぴったりなのですよね。わたしは、どうくつを歩いている場面の絵がだいすきです。
ほんとうに、ほんとうに、ありがとうございました。るるるるん。
投稿: NON | 2009.07.13 04:35